第三話
わたしたちが現在、冒険者として拠点にしている場所は――"アップルビレッジ"という村です。ここの村それなりに、にぎわいがあるので町に近いです。そのおかげさまで、冒険者たちにとって必要な不可欠な各施設が充実しています。
ありがたいことです。
(うん、うん、ありがい、ありがたい)
と、いっても。
先立つ物である、お金さんがあればの話なのです。
わたしたちの拠点とカッコいい言い方をしていますが。実際は"
――――お財布が、リッチなときだけ。
では、では。
――――お財布が、プアなときは。
村近くで
すると悲しくなります。さらに、寒いつらい季節ときに野宿すると、心が荒んでいきます。
(お金がないと、心に余裕がなくなります。では、お金があれば心に余裕が生まれるのかというと、そうでもありません。と、お金持ちの人が言ってましたが、アレは嘘です。このセリフを言っているのは、お金持ちの人たちだけですから。貧乏人で、このセリフを言っている人たちは、知りません)
アップルビレッジで雀のお宿は、とてもお手頃な価格設定の宿泊施設なのです。他のペンションやホテルが、めちゃくちゃ高い、価格設定というわけではないのです。
が、
雀のお宿は、ウソみたいに安いんですよ。とてつもなく、ボロいんからなんですけどね。
(ハハハハァッ! はぁー…………)
わたしたちのように、低収入、冒険者にとって雨風に寒さをしのげる貴重な場所を提供してくださっているので、ありがたいことです、よ。
と、
わたしたち、低収入、冒険者の苦労話とは無縁の人がいるんです。
(お金ってお金が好きなんでしょうか?)
さて、誰のことでしょう?
(あ! 言っておきますが、先祖代々にわたって伝統的の老舗ではなく。老いた店舗――目の錯覚でなく傾いています微妙に……。味は美味しんですよ!)
早い、安い、美味いの三拍子揃っているので、いつもお客さんが多いのですが。今日はいつも以上に、こみあっていました。
「お! キアラ先生、おつかれー」
美味亭の看板娘である、"アナ"がこっちに気づいて手を振りながらウェイトレス姿で小走りで駆け寄って来て、出迎えてくれました。
「キアラ先生には。食後、すぐに、続きを書いてもらうことになっているんですよ。アナさん」
「ジャガーさん。相変わらずに厳しい、ですね」
「厳しくもなりますよ。自分の
「なるほど、なるほど。それはキアラ先生がいけません、ね」
「…………、…………、…………、…………」
(クソ! このゴブリン担当、いや違う、オーガ担当! はなし、話を変えるのよ――わたし)
高速で眼球運動させ、話の話題をさがしている、わたし、発見――"ハック"。アナの弟で、冒険を夢見る、男の子だ。
「やっほーぉー! え、えらいわねーぇー、その歳でお手伝いしてーぇー」
小走りで駆け寄って来てくれた、アナより、わたしは早い速度で駆けるのであった。
「ジャガーさんが厳しくなるの……」
「理解が早くて助かる」
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