同居人

 ふにゅふにゅした何者かがドアの隙間から現れ出た。それはうにょうにょと蠢きながらつるりと床を滑り、机の足元までやってきた。

なんだこれは?

私は不思議に思い、それを触った。

つるつるしている。

気持ち悪い。しかしどこか心惹かれる。

みょーんと伸ばしてみる。するとそれは素直に伸びて、ちぎれることはなかった。

「ふにゅん」

鳴いた。

ほんとなんだこれ。かわいい……気がしてきた。

「よしよし。お前はどこから来たの?」

「ふにゅにゅん」

かわいい。

問いかければ応えてくれるのがありがたかった。

私の孤独は癒やされた。

さてどうしようか。

困った。

置き場所がない。どうやって飼えばいいのかも分からない。

なにせ未知の生物である。

するとそれはみよみよとなりながら小さくなって、花瓶のような形になった。

出窓に置いてみる。

なかなかよい。

窓の見栄えがよくなった。

「賢いね」

「ふみゅん」

かあいい。


これからよろしくね、新しい同居人。

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