第83話 入山

 俺たちは村を出てテンノース山へと向かい、入山した。


 割と山道は整備されていた。


 頂上までは流石に整備されてないだろうが、序盤だけでも整備された道を歩けるのは、楽でいい。


 歩いていると早速魔物に出くわした。


 蛇の魔物である。

 色は白色。

 普通の蛇に比べるとかなり大きい。


 鑑定をしてみる、


『アイス・ジャイアントスネーク Lv.42/44

 氷属性の大型の蛇の魔物。噛みついたものを凍らせる【氷牙アイスファング】や、氷の息を吹く【アイスブレス】などを使用する。

 炎属性の攻撃が弱点である。

 HP 442/442

 MP 31/31

 スキル 【氷牙アイスファングLv4】【アイスブレスLv5】

 耐性 【氷耐性Lv10】』


 氷属性のようだ。


 難所という事で結構強い敵が出たな。

 これは常人が立ち入ったら、すぐに殺されてしまうだろう。


 炎属性の攻撃が弱点という事で、俺は【炎玉フレイムボール】で攻撃する。


 一撃で七割敵のHPを削れた。

 もう一発撃ちとどめを刺した。


 アイス・ジャイアントスネークの死体を吸収。


 HP110上昇、MP8上昇、攻撃力16上昇、防御力18上昇、速さ5上昇、スキルポイント4獲得。


 俺たちは山を登り続ける。


「あ、なんか来たにゃ!」


 レーニャが空を見て叫んだ。


 上空から数体の大きな鳥がこちらに向かって急下降してきていた。

 いや、あれは鳥っていうか……

 小型のドラゴンか?


「ワイバーンじゃな、あれは。白いからアイスワイバーンじゃろう。そこそこ強いがドラゴンよりは弱いから大丈夫じゃろう」


 メクがそう言った。


 鑑定しようと思ったが、かなりの速度でこちらに向かってきているので、やめておいた。

 まあ、メクからの情報で十分ではある。


 アイスワイバーンということなので、あいつも炎属性が弱点なのだろう。

 この山は寒い場所なだけあって、氷属性の敵が多いのだろうな。


 俺は【炎玉フレイムボール】でアイスワイバーンを撃ち落としておく。


 飛行速度が速く避けられた。

 連続で撃ち続けるが、中々当たらない。

 だが全部避けられたわけではなく、一体に当たった。

 耐久力はかなり低いようで、一撃で墜落した。恐らく死んだだろう。


 残りのアイスワイバーンは三体が、俺たちに攻撃してくる。


 レーニャは上手く攻撃を回避して、ワイバーンの頭に攻撃を入れる。

 ワイバーンは死にはしなかったが、頭を強く揺さぶられ地面に落ち、行動を停止する。


 俺にもワイバーンは向かってきていたが、俺は攻撃を回避せず受け止めた。


 噛みついてきたのだが、ダメージはない。

 恐らくさっきのアイス・ジャイアントスネークが使っていた【氷牙アイスファング】を、このワイバーンも使っているのだろうが、氷耐性がある俺にはあまり効果はない。少しひんやりすると思う程度だ。


 俺はアイスワイバーンの頭を手刀で攻撃。


 高い攻撃力がある俺の手刀はアイスワイバーン程度の首を、軽々と切り落とした。


 もう一体は……


「ぬおーーーー!! 助けるのじゃ!!」


 メクがアイスワイバーンの足に捕らえられ、連れ去られそうになっていた。


「メク!」

「師匠!!」


 俺は慌てて【炎玉フレイムボール】をうち、アイスワイバーンを撃ち落とそうとする。


 飛び去って行くところだったので、俺が視界に入っていなかったアイスワイバーンは、【炎玉フレイムボール】も見えておらず、回避は出来なくて直撃した。


 ワイバーンとメクが一緒に落下する。


 慌てて落下地点まで向かう。


「大丈夫かメク!?」

「あ、危なかったわい」

「連れ去られると思ったにゃん。師匠が美味しそうに見えたのかにゃ」

「わしは食えんじゃろうに」


 メクが連れ去られそうになる危機はあったが何とかなった。


 撃ち落としたアイスワイバーンの死体をすべて吸収する。


 ステータスは大した上昇はなかったが、【氷耐性】が2上がった。


 吸収した後、頂上を目指して登り続けた。

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