四十三日目・夜~五十日目・昼
赤茶けた地面の上を、礫と砂塵が舞う。荒野の大地へやってきた。
保線作業員達が拠点としている天幕に立ち寄り、休憩がてら情報収集をしていく。邪教団、キマイラ、そしてコカトリス。それぞれの根城を教えてもらえた。うちコカトリスは、ここの隣のマスらしい。
邪教団の戦力も教えてもらえた。大したことはなさそうなので、正面から乗り込んでやるとしよう。クエストも受けて、今日の所は就寝。
朝を迎えて、南へ進む。コカトリスに見つからないようにやり過ごすついでに、探索を行うと、そいつにやられたのであろう者達の財貨を発見した。大事に使わせてもらうぞ。
夜、コカトリスの目を盗みながら4のマスへ移動。襲い掛かってきた動物の群れにHP3まで追い込まれるなどした。危うく行間で死ぬところだった。
【ヒールウォーター】を飲んだり〈魔香草〉を炊いたりしながら回復した後、目の前に浮かんでいた“奈落の魔域”へ突入する。外郭域は───【ナナリィの魔域Ⅱ】。なかなかアレクサンドラ様の魔域が出てこないね。
◇ ◇ ◇
巨木がひしめく森の中にある、古めかしい庭園。そこには髪と腕にジャスミンの花を携えた、美しいメリアの女性がいた。相変わらず自己紹介の過程がすっ飛ばされているが、彼女がナナリィだ。
彼女曰く、「ニィレム(魔域Ⅰで一緒だった男)にお菓子を渡すために、彼を捜している」とのことらしい。他に行く宛もないので、手伝うことにする。
道中、特にリソースを使うような判定も無かったので描写を割愛。詳細は君の目で確かめてくれ!というやつ。
無事にニィレムの元にナナリィを導くと、〈ジャスミンの竪琴〉だけをその場に残して、二人は忽然と姿を消した。
遺品を手に入れた、ということで、恒例のフェローデータチェック。……【終律:蛇穴の苦鳴】【プライマリィヒーリング】【レジスタンス】と、攻守両立のバランス型だ。カティアさんの行動表は補助一辺倒で、相手によっては手持ち無沙汰になってしまうので、こちらの方が活躍の機会は多そうだろうか。
スタメン変更を考えつつ、中央域【暗き底からの帰還】へ進む。
◇ ◇ ◇
荒涼とした原野の丘の上───現世で魔域があったのと似たような場所に降り立つと、眼下に数台の馬車が走っているのが見えた。
するとカティアが、「あそこに、まだ幸せだった頃のわたしがいます」と、悲しみと憎しみを孕んだ言葉を口にする。やばい、修羅場の予感だ。
それを聞いたアレクサンドラ様、「まるでお前と初めて出会った時みたいだな」と圧をかける様にこちらを見つめてくる。……しょうがない、手伝ってやろう。
キャラウエイとかいうエルフの屑を見つけることはできなかったので、三人だけで馬車の元へ。程なくして、それはやって来た───"暗き底の主"と呼ばれる、強大なテラービーストだ。
再生能力に加え、《マルチアクション》でしれっと【キュア・ウーンズ】できたりするのが鬱陶しいが、まあなんとかなるだろう。先制判定に成功して、こちらの手番から開始となった。
1ラウンド目、フェロー二人はどちらも【キュア・ウーンズ】を構える。アンデッド相手ならこれでもいいんだけどなぁ、としょんぼりしながらキャンセル。
エルの行動。おぞ姿は抵抗して、【ヴォーパルウェポンA】からの通常攻撃。抵抗値の関係上、下手に《魔力撃》をすると辛くなる可能性が大だ。
ダメージは9点、再生で完治されてしまう量。うーん、フェロー二人も加勢してくれないとなかなか削れ無さそうだ。
敵の手番では《マルチアクション》【フォース】をされて、5点被弾。通常攻撃は避けはしたものの〈ブレードスカート〉発生ならずだった。
こちらの二手目、アレクサンドラ様が攻撃……をするも、出目1・2の方の攻撃では達成値が足りない。【パラライズミスト】があれば良かったのだが、無いものは仕方なし。
カティアさんは【エンチャント・ウェポン】をかけてくれた。たった1点、されど1点なこの状況、打点の底上げは大変ありがたい。
そしてエルの行動。《マルチアクション》【サモンフェアリーⅡ】、呼び出すのは風の妖精・エコー。【ウィンドカッター】でダメージを稼いでもらいつつ、あわよくば「こだま」で【キュア・ウーンズ】を反復してもらう。
エルの通常攻撃は、Aの【クリティカルレイ】を乗せて───クリった。もう一投……またクリった。さらに追加の……4回転まで行って、46ダメージ出した。メイスで4回転マジ??
などと浮かれていたら、テラビの通常攻撃に当たってしまった。毒への抵抗こそ成功したが、HPがだいぶ厳しいこと(24/43)になる。が、カティアさんがすかさず【キュア・ウーンズ】をしてくれて無事復活。さすが我らのメインプリだ。
……さて。敵のHPがまだ78もあるんだよなぁ……あと何ラウンド殴り続ければいいんだこれは……死ぬことは無いと思うけど【サモンフェアリーⅡ】バンバン使わないといけない戦いではあるよなぁ……と、頭を抱えながら、先のラウンドと同じような戦法をしばらく続けていく。
殴りに殴って、8ラウンド目。アレクサンドラ様の出目6の方の攻撃と、エルの《魔力撃》によって、ようやく戦いが終わった。いやぁ、ザルバードとは別のベクトルで強敵だった。やはりソロプレイで再生持ち相手は辛い。
剥ぎ取りを行っていると、カティアが感謝の言葉を述べる……と同時に、「かつて私は、この腰帯で、キャラウエイのことを絞め殺したんですよ」と告白してきた。
まぁ納得だわ。誰もその事で君の事を責めたりはしないだろう。でもその腰帯を「価値のあるものではないですが持っていってください」って言いながら渡そうとするのは違うよね?なんでそうなった??
……もしかしてこの子、キャラウエイとか関係なく純粋なサイコパスなのでは?こわ、近寄らんとこ……次からはナナリィさん呼んでおきます……
◇ ◇ ◇
色んな意味でやばかった魔域から脱出して、四十五日目の昼。……MPが0だ。流石に今キマイラと遭遇するのは不味いかもしれない。
逃げるように6のマスへ。キマイラも後を追ってきた……と思ったら、イベントのせいで一歩戻っていった。夜に戦うつもりだったのに。
仕方ないので、昼寝した後、邪教団の拠点である遺跡の調査を開始。……感圧トラップをきれいに踏み抜いて、矢が突き刺さった。やっぱスカウト上げといた方が良かったかもしれん。
トラップの作動音を聞いてか、奥から神官と戦士がやってきた。着けている〈聖印〉は……ラーリスのものだ。件の邪教徒とやらで間違いないだろう。
特に苦戦することなく二人を蹴散らして、遺跡の地下へ。お仲間の邪教徒が十人ほどいたが、戦う力の無い者たちであったのか、こちらを認識するやいなや全員自害してしまった。潔いのは嫌いじゃないが、尋問くらいはさせてほしかったかも。
大量の死体に囲まれて、遺跡の探索を続けていると、邪教徒達のへそくりと共に、エルフの少女を発見した。ミュレーナ……あ、パルアケで捜してくれって言われた子か。よかった、これでクエスト解決だ。
自分の他に、ヴィルマという人間の少女も捕まっていたそうだが、彼女は奴隷商人に売られ、ボスンハムンへと連れて行かれてしまったらしい。立ち寄る機会があったら彼女の捜索もしてあげよう。
じゃ、やることはだいたい終わったし、彼女をパルアケに送り届けるか……と思ったのだが、問題があることに気がついた。彼女、戦闘中は自軍後方エリアに置かないといけないらしい。
そして、今から戦うつもりのキマイラは、操霊魔法や炎の息吹で遠距離攻撃が可能である。……殺されちゃうよなぁ、これ。仕方ない、一旦あいつは避けるようにしていこう。最悪森林経由で行っても問題はない。
ということで、東の道経由で4のマスへ戻る。キマイラは5のマスで待機。いい子だ、そのまま大人しくしててくれ。
蛮族の群れを返り討ちにしつつ、野営の準備をしていると、ノマリ族と遭遇した。いいところにきた、毒消しください。
翌日、コカトリスの縄張りへと戻ってくる。キマイラは4のマスへ移動、コカトリスにも見つからないようにと岩陰へ隠れる。両者ともやり過ごせた、と思いたい。
……が、ここで魔神の大集団に襲われた。先制は取れず、エルはHP半減、ミュレーナは残り6という状態に。
一撃で仕留めないと二人共死ぬかもしれない。覚悟を決めて、Aの【クリティカルレイ】を乗せた《魔力撃》───一回転して、31点。見事ワンパン成功。九死に一生を得る、とはこのことか。
一安心したところで野営を行う。……嵐に見舞われ、テントが破壊された。ロクな目に遭わないなこのマップ。
夜、1のマスへ。キマイラが怒涛の三連続移動をするも遭遇は免れて、翌日朝、隣の森林エリアへと転がり込んだ。
ここの主・スカーレットスタンプなら、ミュレーナが殺される心配もない。というかパルアケはすぐ隣のマスだ。無事に送り届けられそうでよかった。
……なんて話していたら、そのスカーレットスタンプさんがこちらへやって来た。丁度いい、てめえも冒険者ギルドへ送り届けてやらあ。戦闘開始だ。
「こいつ強そうだなあ」と思っていたあの日のエルとはもう違う。命中も回避もすべてピンゾロチェックだ。1ダメージも貰うことなく、《魔力撃》もすべて命中させての完封勝利となった。遠距離攻撃が無かったため、無論ミュレーナも無事。
それじゃ、ちょっと休んだらパルアケに行こうか……と思ったが、そういえばここは以前スルーした風の塔がある場所だ。しかもナナリィの遺品も手元にある。
ということで、塔に寄っていってシルフちゃんにナナリィの竪琴を見せると、「あっどうぞどうぞ」と道を開けてくれた。話の分かる子は好きだぞ。
そのまま塔を起動し、長らく放置していたフィルイックのクエストが完了した。流石にその報告や魔域攻略にまでミュレーナを連れて行くのもどうかと思うので、今日の所はここまでだ。
改めて、パルアケへ移動開始。四十八日目の夜・到着。長旅の様に思えるが、リイネスを出てから五日しか経っていないらしい。密度がすごかったんだな、今回。
ミュレーナをギルドに送り届けた後、クエストの報告や剥ぎ取り品の売却などを行う。……手に入ったガメル、62680。正直使い道に困るレベルだ。いっそSSカードでも買うか……?などと考えながら、成長処理も開始。
能力成長は器用、技能はフェンサーを9に、スカウトを5に。特技は《回避行動Ⅱ》に置き換わったのと、《変幻自在Ⅰ》を取得。《魔力撃》と《マルチアクション》を同時に宣言できれば、攻守のどちらも効率的に行えるようになる。
欲を言えば、フェアテをもう少しあげたいが……エンハ上げて【ガゼルフット】も取りたいんだよなぁ。森林と山岳の魔域に、アラクルーデルの討伐、それとフィルイックのクエスト報告、トゥルヒダールへの聖印の納品で……★は足りそうだから、次の成長ではここ二つを伸ばすとしよう。
諸々の処理と買い物を終えたところで───再びアビス強化の時間だ。実は道中でもそうだったのだが、"嘆きの"とかいうカース、冷静に考えると致命的な問題しかなかった。
こいつを持っていると【ヴォーパルウェポン】も【ヒールスプレー】も対象がランダムになるし、妖精魔法も一部使えなくなるので、わざわざ【サモンフェアリー】で誰か呼ばないといけなくなるのだ。死ぬ前に気づけて良かった。
ということで、三度〈バックラー〉を鍛冶屋に預けることに。……付いたカース、"死に近い"。実質ノーリスクだ。普通のキャンペーンだったら即座に投げ捨てるけどな!!1
例によって、強化している間暇になるので情報収集。……〈大聖樹の盾〉ってなんだろう。話を聞いてみる。
それを売っていた古物商が言うには、「トゥパリンナ皇女・ナナリィが使っていたあの盾が!今ならなんと3000ガメル!!」だそうだ。……すごい胡散臭いな。金に余裕があるので買ってはみるけど。
すると商人、「まっ、それ魔力切れなんスけどねw回復させる方法が知りたかったらもう1000ガメル払いなw」と後付けしてきた。この野郎、商売上手いな。
追加料金をくれてやると、上位の妖精───例えば、雪森にいるというスカディなんかであれば、魔力を注ぐことができるとのことだ。オクスシルダへ向かうにあたって、どのみち通らなければいけない場所だし、知っておいて損はない情報だったか。
他に聞きたいことは無かったので、街をふらふらして時間を潰す。〈バックラー〉を受け取って就寝、五十日目の朝に。フィルイックへの報告と、魔域の攻略のために、また森林へと向かうことに───といったところで中断。次回、森林の再攻略から。
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魔法剣士スタイル、かなり経験点がキツい。知ってはいたが。
フェンサーですらこれなので、ファイターかグラップラーだともっとキツいのか……開き直ってスカウトを捨てるのもアリなのか?……いや無いか。探索できないと苦しいイベント結構多いし。
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