彼の“アイ”

白い空間。

一人の女の子が頭を抱え泣き叫んでいた。

そこに、誰かが黒い物体を差し出した。

拳銃だった。

彼女はぽかんと見つめ受け取ると、笑顔でそれを構え銃口を自らのこめかみに向けた。

さっきまで泣いていた彼女が満面の笑みでその引き金を引いた。

その時、銃口が向きを変え、銃弾は彼女の目の前を放たれていった。

彼女は驚いて目を見開き、凄まじい憎しみを込めて振り返った。

そして振り返った先にいた男性にあらゆる罵詈雑言を叫びながら銃弾の雨を放った。

男性はその全てを受け止めた。

ついに銃弾が尽きた時、拳銃をそのまま投げつけてきた彼女に近づき、男性は彼女を抱きしめた。

それでも彼女はなぜ止めたのだと罵詈雑言を浴びせ続ける。

男性は辛抱強く彼女をただ受け止め、抱きしめていた。

彼女が言葉を発することに疲れたとき、彼女は泣きながらどうしてとつぶやいた。

すると男性は、強く抱きしめただこう言った。

愛しているからだ、と。

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