高校2年目
第17話 色々変化する4月
高校2年開始 4月 すみれside
高校のうちに結婚したい。浩二と離れたくない。
結婚しておかないと浩二は居なくなってしまうのではないか、そんな不安がとても強い。
私は栄養学を学んで浩二にお弁当を作っている、家での食生活も武田ママが作るときでさえメニューは私が考えている。
練習も付き合っているけど最近は浩二の球を抑えることが出来ず、手や手首を痛めるので取れなくなってきた。
後は一緒に寝たり、一緒の部屋でゴロゴロしながらマンガを読んだりゲームをしたり…
不安になるのだ。これは恋人ではなく親友兼ビジネスパートナーなのではないかと。
代わりの利く存在ではないかと。
恋人らしさは人によるだろうけど恋人になって1年、意識をしてから9ヶ月。いまだにキスの1つも無いのはさすがに不安になる。文化祭で私から頬にした1回だけだと思う。
そういう進展が無いのはぶっちゃけ私のせいというか『野球選手になるまでふしだらなことは控えよう』って2人で納得して決めているのだけど…進展したら進展したでどこまで進んでしまうのか正直怖い。
でもさすがに、さすがに進展しないと捨てられる事の方が怖くなってくる…恋人からビジネスパートナーに降格したく無い。
私より美人な人とか可愛い子はこれからいくらでも浩二の前に現れるだろう。スカウトさん来た時浩二見て興奮していたからね。環境が良いのといくらでも練習できて成長しまくっているし。あいつはまだまだ伸びる男、女の子がもっともっと群がる男。
浩二のそばにいるには恋愛を進展…いやでもそれで浩二が変に堕落してしまったら将来プロやその先で伸びが……
やっぱり今まで通り牽制をしっかりするしか無いのかな。
ちょっとだけ、ちょっとだけ進んで安心したい…
浩二side
朝、目が覚めるとベッドの中ですみれが胸の中に潜り込むようにひっついていた。
観音寺とギャル子にあてられてすみれとキスができたらなと最近思ってしまうけど…そういうのはきっとプロ入り、いやプロ指名(高3年10月)までお預けなんだと思う。
すみれは俺の体を栄養面で支えてくれて普段の食事メニュー、手作り弁当。練習中の細かい俺の弱点の指摘。俺が折れそうなときに一言二言で引っ張り上げてくれる…俺がここまで成長できた半分以上はすみれのおかげだと思う。
親友で相棒で、今は胸の中で可愛らしい寝顔を見せてくれる恋人で……もしすみれが居なくなったら俺終わるんじゃないかな…体も心も支えてくれる割合がデカすぎる。
「んむぅ…おはよ浩二…」
「おはようすみれ。」
普段の態度を見ていればすみれが俺の前からいなくなるなんてことはきっと無いと思う。
でもそれはそれとして、気持ちをちゃんと伝えておくのは大切だ。
「すみれ、今日俺の誕生日なんだよ。4月10日な。」
「うん、おめでとー…あふぅ。」
「来年の今日、籍を入れような。」
「うん、分かった……!?」
自分から初めてそっと、おでこに約束をしておいた。
「ほらノック行くわよ!浩二!取んなさい!20球ノーミスでなんでも言うことを聞いてあげるわ!」
「お前デレなのかツンなのか分からないギリギリの攻めばかりじゃねぇか!」
「それを乗り越えてこそご褒美の価値があるってもんでしょうが!」
「普段頼まない無茶なお願いしてやるから覚悟しとけよすみれ!!」
練習でなんかすみれがデレ気味になってきた。ノックは左右と強打とバントを織り交ぜてツン100%だったけど。
「観音寺先輩、武田先輩ってあんなに大声出しながらなんでバテないんですか?」
「というかあのノックしてる彼女さん何者ですか?振り回し方が人の弱点を突くことに精通しすぎでは?」
「武田先輩の彼女さんって試合の時に副監督ってマジっすか?」
「今、新入生のお前らに言われてあいつらの異常性を再認識したわ…武田の練習の半分までついてこうって気で頑張るとめちゃくちゃレベルアップできるから一回やってみるといいぞ。監督からストップかかるかもしれんが。」
視界の端で新入生たちと観音寺がそんな話をしていた。
今年の新入生は不思議とレベルが高いので最初から最後まで一緒に練習ができるかもしれない。楽しみだな!
「野球経験者新入生の大半が…『武田先輩を敵に回したくない』『武田先輩と同じチームが甲子園への近道』『あの人からは打てないので同じ高校に』って武田絡みか…大会じゃ勝って無いのに見る目のある新入生が多いな。あいつらだけで層厚くなったのかウチ…スター性あるってスカウトにこの話しとくか。」
帰り道でお願いを使って高校卒業までピーマン料理に挑戦しないでくれと伝えたら「ヘタレ!!」って腹を殴られた。俺は平気だったけどすみれの手が痛そうだった。人をヘタレと言うけどすみれだって大概だろ…
次の機会があったら『すみれがして欲しい恋人らしいことを吐け』って願いにしてやるから覚悟しとけよ。
幼馴染良妻が支えてくれる俺の無双野球人生【ラブコメ中心】 蹴神ミコト @kkkmikoto
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。幼馴染良妻が支えてくれる俺の無双野球人生【ラブコメ中心】の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。