「焼け野原」と「拾う」と「積み木」Part2
「はぁ~~~~~~~~。」
眼前の光景を見て、大きなため息をついた。
「どうしたらこんなに散らかるかなぁ…」
そうぼやきながら手近にあった積み木を拾う。
「さっき片付けたと思うんだけどなぁ…」
チラリと散らかっている元凶を見るが意に介する様子もない。
そりゃそうだ。
相手は3歳児の子ども。
さっき片付けたなんてことは彼女には関係ない。
散々散らかした彼女は今はテレビに夢中だ。
「足の踏み場もなくてまるで焼け野原ね。どこ踏んでも危ないったら…。」
なんて我ながら上手い比喩表現をしたと思いながら、どうにか足の踏み場を見つけてまた片付けようとする。
「あー!だめー!まだあそぶのー!」
テレビに夢中なうちに片付けようと思ったが気づいてしまったらしい。
「さあちゃん、もうそろそろご飯だから一旦お片付けしよう?」
「だめ!まだあそぶの!」
まだイヤイヤ期盛りの彼女は聞いてくれそうにない。
「今日ハンバーグなのになぁ~。このままじゃご飯食べれないなぁ~。」
「やだーーー!!!」
「じゃあお片付けしようね~。」
「いいよ~。」
そう言って一緒に散らかったおもちゃを片付ける。
イヤイヤ期の彼女を最近はうまいこと誘導できるようになってきた。
こうして成長していくんだなぁ。私も、この子も。
そんなことをしみじみ思いながら焼け野原のように散らかったおもちゃを片付けた。
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