第33話お祭り! その2
はぁ〜やってしまった、朝食時の雰囲気が気まずい……結局俺も流されたんだろうか? いや違うな、俺は俺の意思で茉希ちゃんを抱いたんだ。自分が嫌になるが3人は笑顔だった、茉希ちゃんは分かるけどヤエとヒエまで何で笑顔なんだ?
「ごめんなさいアナタ……私達、お祭りになると興奮しちゃって」
「本当にごめん健! 昔を思い出しちゃって」
「あのさ……相撲って言ってたよね?」
「まっまぁ……ある意味相撲よねヒエ!」
「そういや2人は、本来愛し合っていたんだけっけ?」
「でも今愛してるのはアナタよ!」
「俺も何かごめん……」
「良いわよ……アナタまで私達に当てられて……ごめんなさい」
「結局私達全員を抱いたのねアンタは、もう逃さないわよ」
「そうね……アナタ……でも信じてる」
「アタシはすっごい幸せだよ……」
「ちゃんと私達に責任とってねアナタ?」
「はぃ……」
数日後、八幡神社のお祭り当日になった……ここ迄の数日間、いつも通りの日々が過ぎて行った。完全に全員公認の仲になってしまったが、俺のヤエに対する特別な気持ちは変わらなかった……ヒエも茉希ちゃんも好きだよ勿論、けれど全員と一線を超えてしまったどう責任を取れば良いんだろう?
「アナタ! 見て!」
「どうよ!」
「似合う?」
悩みも吹き飛ぶ浴衣美人が3人も揃っていた。
「綺麗だね……」
それしか言葉が出なかった、こんなにも美人だったけ? いや元から美人何だけどさ、浴衣姿で3割増しってか?
「よし! 悪い虫がつかない様ちゃんと着いてきて」
「うん!」
4人で八幡神社迄歩いて行く、ちょっと遠いけど街は賑わっているのが分かる。どんどんヤエのテンションが上がって行くのが分かると、手を繋いで暴走しない様にすると腕を絡ませて来た。
「どうしよう! ドキドキが止まらない、こんな気分久しぶり!」
「ハメ外さないでよ……」
「私もヤエも基本的にはお祭り好きよ! 崇められて感謝されて」
「今は人間でしょうが……師匠、ヒエも抑えておいたほうがいいよね?」
「そうだね、花見の時みたいにならない様に」
「じゃあヒエは任せて!」
「頼むね! 茉希ちゃんも手を繋ごうか?」
「えっ! うん……ありがと」
神社が近付くと夜店が並んでいる、俺の気持ちも昂っていくが……人混みが凄い! おかしい去年の祭りはもっと人が少なかった筈だが、何でこんなに居るんだ?
「よっ! 八神!」
「うわっ! 鷲尾さん!!」
「久しぶりだな、花見以来か?」
「そうねヒゲ」
「相変わらず辛辣ですなぁ……」
「気にすんなってオッサン!」
「まぁ元気にしてます俺達、それよりも鷲尾さん?」
「どうした? 俺なら警備だぜ」
「みりゃ分かるよ、そうじゃなくてこの人だよ明らかに去年よりも多いよ?」
「そうだな……こんな人混みは久し振りだな、まっお前のおかげかもな?」
「そうかな?」
「ねぇねぇ! 早く行こうよアナタ! 私早く見たい!」
「わかった、じゃあね鷲尾さん!」
「おう! 面倒事起こしても任せとけ! 楽しんで来い!」
「おこさないよ!」
神社手前に近づくに連れさらに人混みが激しくなる、ヤエと茉希ちゃんの手をしっかりと握り締め境内に入っていくと、ヤエの息遣いが荒くなって手汗が滲んで来る。
「ヤエ大丈夫か?」
「アナタが居るから平気よ、祀られていたからかしら? 私にとって祭りは15年ぶりだから」
「あっそうか……」
「何だか嬉しいわ……こんな人の身で感じる祭りは熱気にやられそうよ」
「そっか、3人ともかき氷食べようか?」
「お参りは?」
「茉希ちゃん……ここに本人居るじゃん?」
「あっそっか! 行こうよ」
「境内の流れに乗って出口まで行くよ!」
「うん!」
……本当に人混みは苦手だけど、これならね楽しいかな? 境内から出て屋台のかき氷を見つけると4つ注文して、少し離れた場所で食べる。
「クゥ~このキーントクる感覚、何年振りだろ?」
「でも丁度いいわ、熱? も大分引いたし」
「来週は私の祭りよ! 勿論行くわよね?」
「そうだな、ヒエ様」
「師匠買い忘れてるよ、祭のお土産」
「何かあったっけ?」
「ポッポ焼き!」
「あったね! そんなの!」
「遊びながら屋台探して買って帰ろ!」
それからは、射的、風船釣り、型抜き、と一通り遊んでポッポ焼き屋へと向かったが……
「うわぁ……超並んでる、どうしよう?」
「もちろん並ぶよ! ヒエとヤエにも食べてもらいたいし!」
「そんなに美味しいの?」
「まぁ、おやつ程度にはかな? 食べればわかるよ」
「まぁご当地グルメってやつよね」
暫く並び、ようやく順番が回って来た注文はっと
「60本でお願い!」
「茉希ちゃん!?」
「大丈夫だって、きっと2人共気に入ってペロッといっちゃうから」
「そうなのアナタ?」
「あんまりハードル上げないでよね茉希ちゃん……」
買い終わると出来たてで温かい、4人で食べると。
「懐かしい味だ!」
「祭りと言ったらこれだよね!」
さて二人の反応は?
「「おかわり頂戴!!」」
上々らしい、良かった。
「帰ったらね! これは冷めても美味しいんだよ」
「ありがと茉希! 教えてくれて!」
「良いって! アタシが食べたいってだけだし」
何か照れてるな茉希ちゃん、和んでいるとヒエにポッポ焼きの袋を引ったくられた。
「おい! 残りは帰ってからだぞ!」
「良いじゃん、美味しいんだからしょうがないじゃん!」
「まったくもう……ほらっ帰るぞ!」
アパートにつく頃には半分に減っていた、まっ俺も食べたんだけどな! 部屋に入ると。
「それにしても……人間としてお祭りに参加するなんてね、不思議な気分だった……」
「来週も絶対に行くんだからね! 私の祭りよ!」
「分かってるよ、皆で行こうな」
すでにポッポ焼きは食べ尽くされていた、気に入ってるんじゃないか。
「ポッポ焼き美味かった?」
「気がついたら手が出る美味しさね、来週も買いましょう!」
「気に入ったみたいだね、待って良かったでしょ師匠?」
「そうだね、じゃあ俺はこっちに居るから。シャワーなり着替えるなりしてなよ」
カーテンを閉めると……すぐさま開けられた。
「あのさ……気を使ったつもりだったんですが……」
「何言ってるのよアナタ? 私達を全員抱いたでしょ」
「そうだよ、昨日だってさ」
「別に気にしてないわよ、むしろ光栄に思いなさいよ?」
「俺だけかよ恥じらっているのは……」
「気にしないの! 私達はもう家族何だから」
「家族の定義が壊れる気がするんだけど?」
俺の意見はちゃんと聞いてくれないだろうか……でも
「もしかしてさ、3人とも何かあった?」
ヤエがヒエが茉希ちゃんがニッコリ微笑むと。
「知りたい?」
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