Episode8 悪夢の予兆
地球連邦政府は士官学校に対しパイロット養成を急ぐよう通達した。多くの市民が近づく戦争の予兆をひしひしと感じている中、この要請をすぐさまマスコミが報道した。
「地球連邦政府はパイロット養成を急いでおり、新たな兵器を用いた戦闘体制導入を目前に焦りを見せています。」
ニュースはこの話題で持ちきりとなり市民にはさらなる不安が募っている。そんな中、士官学校はじめ各養成施設にパイロット歴3年以上の者を招集せよとの通達が出された。ウェインはボーディングスクール時代を含めれば該当するためこれに当たる。今回 召集された士官候補生は急遽 任官され少尉となる。
「君たちには部隊編成ののち宙へ飛んでもらいたい。このあとブリーフィングが行われる。」
全員が整列し、そこで訓示したのはラシャード・エリオット宇宙軍総司令官だ。
彼は第一次宇宙大戦にも参戦した元宇宙飛行士の軍人だ。
地球連邦軍はお世辞にも余裕のある戦力ではないが、今回招集されたパイロットの質は決して悪くない。全体的に基準以上の成績を誇る彼らが実戦でどう動けるかが鍵となるだろう。また、彼らをサポートする艦隊は充分に復興しており体制は整いつつある。この戦いでは人型戦闘機体の他に宇宙空間に適応した戦闘機も多数導入されるため第一次大戦と比較して大幅に技術と戦力が向上しているといえる。
地球連邦軍統合作戦本部_______
ここではあらゆる兵科がその枠を超えて支援できる体制が整えられ、常に作戦立案と実行が図れるようになっている。
「大統領、今作戦では30の艦隊が大気圏を順次超えていき、目標座標へ向かいます。まずはこの第7衛星を押さえて拠点とします。」
宇宙軍総司令官ラシャード・エリオット大将が説明していく。この衛星を指定管理するセブン・スペース社は日本の大きなホールディングスが母体となっている。
「ホールディングスの三鷹社長とセブン・スペース社の七星(ななせ)社長には既に協力を取り付けています。」
その後も作戦の見直しが行われた。そうして誰もが懸念していた第二次宇宙大戦に突入していくのであった。
連合艦隊は無事に大気圏を抜けて第7衛星に到達し、それぞれ軍事用スペースポートへ着艦。続いて補給点検を実施した。七星社長と連合艦隊総司令官ドワイト・コーパー中将が面会した。第一次宇宙大戦時は第7衛星をかけた激闘が繰り広げられ、その際に防衛指揮を執ったのは当時のコーパー大佐だ。コーパーはこの功績を称えられ2階級昇進となっていた。
「コーパー大佐!いや、いまは中将でいらっしゃいましたね!あの時はありがとうございました!」
「こちらこそ!地球連邦軍はご協力に感謝します!」
そして何より2人は大学時代からの友人であり、ハグを交わして再会を喜んだ。
挨拶を済ませると2人は別れを惜しみながらそれぞれ仕事に戻った。
それから数時間後_______
「こちらドワイト・コーパーだ。全艦隊に告ぐ。発進せよ。いつ接敵するかわからん!気を抜くなよ!」
すると突然、コーパー艦ブリッジのモニターが開く。セブン・スペース社の七星からの通信だ。何やら慌てた様子でいた。
「コーパー!待つんだ!」
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