386.新暦0011年、新暦0012年、新暦0013年


 いまここで私たちが視ている限り、保証されていることだが、例の『魔法・・』の準備は〝新暦十二年〟に間に合う。


 私には足りないものが多くあったけれど、それらを一度に解決する方法があった。

 教えてくれたのは大戦争の最中、復讐の準備をしていた師匠が編み出した魔法だった。


 どうやら、私が『南連盟』で限界に挑戦している間、似たことを師匠も『北連盟』で考えていたらしい。

 それ・・を初めて見たとき、私は手紙のようだと思った。

 私が広めた魔法が北に届いて、この南まで師匠の答えが返ってきたような、そんな気がして――


「……いひひっ」


 私は笑った。

 それ・・を師匠と私が共同開発した魔法と思うくらいは、どうか許して欲しい。

 そう思えるほどに、その師匠の作った魔法は『ティアラ・フーズヤーズ』が深く関わっていた。


 ――その素晴らしい魔法の名は『影慕う死神グリム・リム・リーパー』。


 大陸の童話と地方に信じられる逸話を『代償』にして、生み出された自動追尾型の攻撃魔法であり――魔力製の生命体。


 『影慕う死神グリム・リム・リーパー』が生まれた理由は、『南連盟』で最も強く、理不尽だった駒――ローウェン・アレイスを抑える為だった。

 戦場で『死神』と呼ばれる彼に、『影慕う死神グリム・リム・リーパー』はぴったりと張り付いて、戯れた。いや、実際には殺し合いなのだが、私が遠目で見ている分には遊んでいるようにしか見えなかった。


 無邪気に黒衣の少女は大鎌を振るっては、ローウェンが鋭い剣を返す。

 しかし、童話の力を持った少女には通用しない。

 得意の剣が透き通ってしまう以上、剣士の彼に勝ち筋はなかった。


 だというのに、ローウェン・アレイスは楽しそうに剣を振り続けた。

 会話をすればいいだけの話なのに、選択肢を間違えて『殺し合い』だけでコミュニケーションを取ろうとした。

 相変わらずの『呪い』だと呆れつつ、ローウェンから『影慕う死神グリム・リム・リーパー』に目を移す。


「――ひひひっ! 強いなぁ! 流石は私の宿敵ローウェン!!」


 人懐っこい笑顔を浮かべながら戦う少女。

 そこに裏表はなく、ただ無邪気に遊んでいるだけしか見えない。

 その姿は、ずっと師匠の前で演技してきた『ティアラ・フーズヤーズ』に似ていると思った。


 もちろん、もう大人になってしまった私とは、似ても似つかない。

 けれど、鏡を見ているような気がした。

 少し前に城で確認した鏡よりも正確に、私の持つ『理想』の『ティアラ・フーズヤーズ』を『影慕う死神グリム・リム・リーパー』は映していた。


「ひ、ひひっ……」


 同じように笑う。

 その魔法の中に、師匠の心の底の願望が見え隠れしているような気がした。


 そして、そこには私の願望も隠されていた。

 それを見つけてしまい、とうとう長年の悩みに答えが出てしまう。


私が一人だから・・・・・・・駄目なんだ・・・・・……」


 手が足りないのなら、もう一人。

 頭が足りないのなら、もう一人。

 私が死ねないのなら、死んでもいい私を――もう一人。


 『理想』の『ティアラ・フーズヤーズ』を作ればいい。

 そのなんとも単純で乱暴な理論は、ずっと悩んでいた自分が少し馬鹿らしくなるほどだった。


「そっか……。そういうことか……」


 私は持参した魔石に答えを書き綴りつつ、急いで戦場から遠ざかっていく。

 途中で、手持ちの魔石でも書く場所が足りなくなれば、故意に作った手のひらの傷口から赤い・・『糸』を伸ばした。


 ――結局、私は白い・・『糸』を扱うことはできなかった。


 その代わりに自由自在に操れる赤い『糸』を地面全体に染みこませて、これから先の未来を書き留めていく。

 いずれ、この大地からも書く場所がなくなるだろうが、これで間に合う。


「ああ、よかった……」


 私は安心して〝新暦十二年〟を迎えていく。

 そして、万全の状態で、大陸を二分した大戦争の終焉を目にする。


 その〝『境界戦争』末期の凄惨な戦い〟は、この世の地獄の様相だった。


 本にすれば分厚く、軽く二桁は積み上がるのだけれど――いまの私が考えることではないと、目的のために無駄なく要点だけを確認していく。


〝――各地で大量の血が流れ、無数の死体が積み上がっていった。

 その中でも被害が甚大だったのは、『理を盗むもの』が近い戦場だ。

 単純に振るわれる力が強大というだけでなく、各々が抱えている『呪い』が『世界奉還陣』の影響で強制的に吐き出されていく。

 兵の誰もが味方に『不信』を抱き、目的を『相違』し、大事なものを『死去』で失っていった。

 隣人に『依存』しては『自失』し、『魅了』されるがままに死ぬまで戦い続けてしまった。

 その爆発的に撒き散っていく『呪い』は、『理を盗むもの』たち自身の戦いも終わらせていく〟


 『闇の理を盗むもの』ティーダは味方に裏切られて全身を焼かれてしまったあと、モンスターとして敵味方の両方と戦った。

 『地の理を盗むもの』ローウェンは貴族となる道を間違え続けた果てに、『影慕う死神グリム・リム・リーパー』によって動きを封じられた。

 『血の理を盗むもの』ファフナーは過熱する戦場の中、頭に鳴り響き続ける死者の声によって、とうとう正気を失ってしまった。

 『無の理を盗むもの』セルドラは自分の病と向き合うことなく、ファフナーを止めるという人助けで、戦いを誤魔化してしまう。

 『光の理を盗むもの』ノスフィーは愛しい人を追い求め続けたが、あと少しというところで手は届かない。

 『風の理を盗むもの』ティティーは王であることを辞めたにもかかわらず、戦場まで戻ってきて決着を果たそうとしてしまう。

 『木の理を盗むもの』アイドは王の帰還を信じて、たった一人でヴィアイシアの城を守り続ける。

 『火の理を盗むもの』アルティも例外ではなく、その『忘却』の『呪い』を戦場外で飛散させた。


 全てとは言わないが、順調に『呪い』は清算されていく。

 そして、『境界戦争』は過熱を極め、予定通りに『世界奉還陣』が発動する。


 それはシス姉の本意ではなく、師匠に追い詰められた結果だった。


 黒の仮面で素顔を隠し、醜い『化け物』と成り果てた相川渦波。

 生まれてから今日まで、ずっと完璧な『使徒』のままのシス。

 いまや大陸最大の国となったフーズヤーズの首都、城の大広間にて二人は相対する。


 二人の他には誰もいない。

 一度敗れた師匠が『北連盟』で考えに考え抜いた作戦によって、城内は丸裸も同然の状態となっていたからだ。


 ――『境界戦争』編が、佳境に入っていく。


 護衛のいない使徒シスは、まず最初に対話を選択していた。


「――盟友! どうか、聞いて!! まだ私たちはわかり合えるわ!!」

「もう何も聞くつもりはない……! おまえは、ここで終わりだ!!」


 しかし、何を話しても、師匠の答えは一つだけだった。

 首を振って、妹が殺された分の清算を求める。


 それを聞いたシス姉は震えて、怒る。

 彼女からすると、ずっと最大の譲歩をしているつもりだったのだ。その好意を踏み躙られ続け、とうとう冷静さを失ってしまう。


「私が終わり……? もしかして、一対一なら私に勝てるとでも思ってるの? 調子に乗らないで、盟友! 私だって《レベルアップ》の強化には手を出してるし、切り札の用意だってある! なにより、私は正しい! 正義の味方は、絶対に負けはしないんだから!!」


 そして、初めて聞く『詠唱』を唱えて、身の魔力を増大させていく。


「――『あえかに死った』『意よ義よ無為なる矜持よ歓びよ』『もう全てが還らない』――!」

「――っ!! その・・詠唱・・……、シス……」


 対面の師匠は黒い仮面をつけていながらも、はっきりとした動揺を見せた。

 数秒ほど迷ったあと、何かを決心したように『詠唱』を返していく。


「――『あえかに失った』『過去よ時よ懐かしき故郷よ悲しみよ』『全ては新たな門出の祝福の為に』――」


 酷似した『詠唱』で、師匠も魔力を増幅させる。


 さらに、その場で魔力を《レベルアップ》を行い、もう戦闘は避けられないことを、戦意と共にシス姉へ叩きつけた。


それ・・……! 盟友……!」


 シス姉も師匠と同じように、少しだけ迷った表情を見せた。

 しかし、すぐさま歯を食いしばって、睨み返す。


 私は城外の茂みから《ディメンション》で状況を読んでいるだけだったが、いまの掛け合いの意味が読み取れてしまう。


 かつて、『相川渦波』と『シス』の二人には、『詠唱』の話題で笑い合っていた時期があった。

 だから、シス姉は師匠と決裂したあとも、また二人で笑い合えるときが来るのを信じて、ずっと一人で『詠唱』を頑張ってきたのだろう。


 この『詠唱』が再び繋げ合わせてくれる絆になってくれると信じて、苦手ながらも自分なりに完成させた。


 しかし、その全ての技術が、いま好きな人と殺し合うために使われる。

 好きな人も、その全ての技術を殺すために使う。


「…………」


 この結末に誘導した一人である私は、二人が激しい戦いを繰り広げるのを、黙って見守り続ける。

 これが最善であると自分を信じて、微動だにしない。


 そして、戦いの果てに、シス姉は切り札を叫ぶ。


「――『私は取り返す』!! 『うしなった私の空』『至晴天の世界を』!!  ――呪術《世界奉還陣》!!」


 シス姉の魔力に反応して、フーズヤーズ城に張り巡らされた試作の『魔石線』が発光する。

 その呪術の光は次元属性の紫の魔力を伴って、辺り一帯を満たしていく。城の外で《ディメンション》を使っている私は、その様子がよくわかった。


 いま、大陸全てに埋められた基点たちが起動した。


 その基点と基点が次々と魔力で結ばれ、ときには『魔石線』で補助され、巨大な魔法陣を大陸に描いていく。

 それは、ありとあらゆる生命を溶かし、魔力に変換していくという狂気の呪術だったが――


「ふ、ふふっ、発動したわぁ……! 『光の理を盗むもの』に集める予定の魔力だったけれど、いまだけは私に集めるわよ……! これで、私の勝利は確実ねっ!!」


 発動させたシス姉は心からの笑みを浮かべて、喜んでいた。


「おまえに集めるだと……? 使徒として、それでおまえはいいのか?」

「何も問題はないわ! だって、この世界で暮らし続けている間、ずっと私は思っていたもの! 本当は、この私こそが全てを得るのに、最も相応しいのよ! だって、私は誰よりも正しい! 正しい私だけが、主の元に辿りついていい!!」


 対話する師匠の顔が、より深く歪んでいく。

 この数年の間で風化しかけていた殺意が、再燃していっているのがわかった。


「シス、それがおまえの本音か? ここに来るまでの間に、この魔法陣の仕組みは見て理解している。壊せば暴走する代物だったから手は出せなかったが、もしおまえがこれを自分のためだけに使うなら……」

「うるさい!! ぐちぐちと、うるさいのよ! 私のことをわかってくれない盟友の話なんて聞きたくないわ!! 私の隣にいてくれないなら、もう黙って消えて!!」

「黙れるかよ! これに手を出すのなら、僕はおまえを――」

「許さないって言うの!? それも聞きたくない! 何度言うの!? このくらいの犠牲なんて、世界を救うには些細だって、ずっと言っているでしょう!!」


 限界だった。

 師匠は対話を諦めて、かつての友人の名前を殺意をこめて叫ぶ。


「――シス!!」


 再開された戦いは、シス姉が優勢だった。

 《レベルアップ》を重ねて『化け物』に近づいていた師匠だったが、『世界奉還陣』は完全にシス姉の領域。その影響で、得意の呪術が使えない状態だったからだ。


「ふふんっ! 呪術のないあなたなんて、ぜんっぜん脅威じゃないんだから!!」 


 さらにシス姉は師匠の魔力を吸い上げていく。

 二人の魔力量の差は、無限と零まで開いていき、戦いの決着がつく寸前――


「――シス、さっきの話の続きだ。『世界奉還陣』を止めるのは難しいと言ったが、干渉できないとは言っていない。どうしてだか……これは、楽に弄れる」


 師匠はフーズヤーズの地面に向かって、乱暴に異形と化した手を突き刺した。

 電撃のように魔力が迸る。


「『世界奉還陣』の例外を、おまえから『異邦人ぼく』に移し変える……!」


 物理的に『世界奉還陣』と繋がりを作って、その条件ルールを変えていく。


 それは元々あった条件ルールに戻すだけ。ゆえに、あっさりと変更される。

 その効果は、すぐにシス姉の身体に現れた。


「――っ!? そ、そんな……!」


 目に見えて動きが鈍り、徐々に身体が溶けては魔力に変換され始めた。


 慌ててシス姉は条件ルールを戻そうとするが、師匠と戦いながらでは『世界奉還陣』に干渉することは叶わない。ただ、もしシス姉が干渉できたとしても、もう条件が戻ることはなかっただろう。


 このシス姉が作った――と思わされている『世界奉還陣』は、彼女のためでなく『相川渦波』のために存在しているからだ。


 そして、その『世界奉還陣』内で戦いを続ければ、結果は明白。

 先に膝を突き、動けなくなったのはシス姉だった。


「……ど、どうして? どうしてなの!? ……盟友、まだよ!!」


 身体が溶けながらも自分の敗北を認めず、悪態をついていく。


「私は使徒! 世界が危機である限り、何度だって蘇る……! そういう風に……、主は私たちを……――」

「もういい。……もういいんだ、シス」


 冷酷に師匠は遮った。

 その顔には、もういままでのような強い殺意は宿ってなかった。

 俯いて、唇を噛んで、ひたすら悲しそうに瞳を震わせている。


 それを見たシス姉は、最後に――


「めい……、ゆ――」


 という呼びかけを残し、身体全てを魔力に換えて、大陸の中に吸い込まれて消えていった。


「これで、終わりだ……」


 因縁の戦いに決着がついた。

 師匠の復讐は果たされた。


 ただ、その師匠の顔色は優れない。ここで喜べるように作られていないのだから、当然だった。むしろ、他の選択肢を選べなかった自分を、いま責めているのだろう。相変わらず難儀で面倒な性格をしていて、愛おしい。


 その難儀で面倒な師匠は、すぐに無言で動き出した。

 『世界奉還陣』への干渉に集中して、まず主導権を乗っ取る。しかし、発動したものを止めることまではできない。

 また『例外』を作っても、助けられるのは一人か二人とわかり、師匠は城の基点を壊して回った。


 それでも、まだ『世界奉還陣』は止まってくれない。


「シス、本当に面倒なものを……」


 シス姉と自分を同時に責めつつ、何かを探すように城の外へ出る。

 それを見届けたところで、私は城の外の茂みで一息つく。


「……ふう」


 予定通りに進んだ。

 それなりにイレギュラーはあったが、私が血で書き足した物語の一つに沿って動いている。とはいえ、大元は陽滝姉の書いた物語なので、自慢できることではないのだが……。


「そろそろ、私も動こう……」


 これから師匠は『世界奉還陣』の中心を、必ず探り当て、〝物語の最後、多くの魔力を掻き集め、男は誰よりも強くなっていた。とある戦場――『魔法陣』の中心で、男は死した妹の身体を抱きかかえていた〟という頁に入る。

 その前に準備を終えて、師匠の目的地に先回りする必要があった。


 そして、私が各地を回っている間に、師匠は頁の通りに『魔法陣』の中心地である荒野まで辿りつく。


 大地が歪み続ける中、師匠は『世界奉還陣』に干渉して――その悪意に満ちた構築を確認したとき、膝を突いた。

 中心にある基点を壊しても止められない。

 それがわかった師匠は、暗雲の下で自分の結末を呟いていく。


「これが『世界奉還陣』……、これで何もかも終われる……」


 たった一人の妹を助けようとして、『異世界』の都合で失ってしまって、復讐にとり憑かれて戦い続けて、その果てに何もかもを失う。

 そんな最後の頁に入りかける直前、満を持して、ずっと身を隠していた私が姿を現す。


「師匠、来たよ……」


 その後ろには、『世界奉還陣』の中でも動ける人間たちが、ずらりと並んでいた。

 後世に名前は伝わらないが、誰もが戦場の最前線で『理を盗むもの』たちと張り合った英雄たちだ。


 その並びに、もう北と南の隔てはなかった。

 この『境界戦争』よりも優先して潰すべき共通の敵を、私が教えたからだ。

 一同の登場に、師匠は心底驚いていた。


「ティアラ……? それに、後ろにいるのは……。そうか」


 この『世界奉還陣』という危機に北も南も一致団結したと、すぐに察したようだ。

 もう放っておいても、人類絶滅まではいかない『魔法陣』なのだが……いまは後ろの人々を戦力とするために、真実を伏せて話を進めていく。


「止めに来たよ、師匠。約束通り、『魔法』を用意してきた」

「『魔法』? ああ……。最近、あちこちで『魔法』が流行ってるな。……だが、あれのどこが『魔法』だ? 確かに、僕の『呪術』よりは優れている。けれど、本質は全く同じだ。ティアラ、何度も言わせるな……! そんな都合のいいものは、この世のどこにもない! 何もかもっ、ただの『呪い』! それを誤魔化すな!!」

「違うよ! 〝誰もが幸せになれる『魔法』〟は本当に在る! それを師匠も信じて!」

「信じる……? 信じてどうなる!? また騙されろってのか? ははっ!」


 やはり、疑心暗鬼に陥っている師匠を素直にさせるのは、そう簡単にいかない。

 しかし、ここが私の正念場だ。

 このときのために、私は血反吐を吐いて、たくさんの会話を記してきたのだ。


「もし! 私を信じてくれたら! 私の『魔法』で、陽滝姉だって帰ってくる!!」

「陽滝が帰ってくるだって……? は、ははっ……。おまえまで……! おまえまで、妹を使って、僕を騙すのか!? ティアラ!!」


 師匠の戦意と殺意が膨らみ始めた。


 その死の香りは、私の周囲だけで渦巻く。

 先ほどから背後の『切れ目』の視線が痛くてたまらない。

 ずっと『呪い』から逃げ続けてきた私を、ようやく殺せる機会だと判断しているのだろう。

 私の説得を全て悪い方向に受け止めさせて、どこまでも話を拗らせていく。


「僕は『呪い』を使って、ここまで来た……。もはや、『呪い』そのものと言っていい! あとは、その『呪い』として消えていくだけだ! いま僕が呪っているのは『世界』!! この『世界』が、僕は許せなくて許せなくて堪らないんだよ! ティアラァアッ!!」


 師匠は立ち上がり、異形の腕を持ち上げる。

 そのモンスターのような太い爪の先が、目の前の私に向けられた。


 ――説得は失敗だ。


 だが、これも予定通り。

 師匠は『世界』を壊そうと息巻くが、絶対に私には敵わない。

 『世界』よりも上という自負が、いまの私にはあった。


 その自信と用意した脚本のままに、私は舞台を進めていく。


「……くっ、師匠! すみません、みなさん! 事前の作戦通りにお願いします! この『世界奉還陣』を止めるのに、師匠の協力は不可欠なんです!!」


 後方の英雄たちに呼びかけ、『詐術』をかけると同時に、最後の戦いが始まる。


 それは『異邦人』相川渦波という共通の敵を相手に、『北連盟』と『南連盟』が――いや、『人』と『魔人』が力を合わせて、世界を救おうとするとても感動的な頁。

 だが、ここの筋道は、もう大体決まっているので大した盛り上がりはない。


〝――いくらかの口論の末、その幻想的な戦いは始まった。それは殺し合いであると同時に、擬似的な『呪術』と『魔法』の競争でもあった。手を振るえば空が裂け、足踏みだけで大地が砕ける出鱈目でたらめな競争。その最後の争いに勝利したのは――〟


 戦いの最中、私は師匠の抱えた陽滝に《幻の紫腕》を差し込むことに成功する。

 そして、その魔石を抜いて、叫ぶ。


「――師匠! もう大丈夫! 陽滝姉は生きてる! もう戦わなくてもいいの!!」


〝――ティアラ・フーズヤーズの『魔法』が、相川陽滝が生きているという希望を生んだ。ただ、その言葉を相川渦波は信じようとしない。荒れるがままに『呪術』を使って暴れたが、ティアラの説得を受けるにつれて、彼の身の魔力は静まっていく。その果てに、とうとう膝を突く。まるで子供のように、相川渦波は泣き出してしまう。――戦いはティアラ・フーズヤーズの勝利で終わった。世界で一番心優しい討伐方法によって、世界の敵は倒されたのだ〟


 という予め決まっていた決着を辿る。

 その後、師匠と私は協力して、『世界奉還陣』を完全停止させることになる。


 そのときには、もうアルティを除いた全ての『理を盗むもの』は大地に飲み込まれていた。

 『世界奉還陣』の中心だった場所には、大きな空洞が発生していた。

 空を見上げると、大陸を覆いつくしていた暗雲は全て消え去り、澄み渡る綺麗な青色が広がっていくのが見える。


 暴走でなく、本来の手順のままに『世界奉還陣』を発動させたことで、大陸規模の一時的な循環に成功していた。


 世界は青い空を取り戻した。

 大地は歪み、多くの建造物は壊れ、生き物の数は減り、いつかまた暗雲が溜まる運命だとしても、確かに平和を手にしていた。


 そして、私が『世界奉還陣』に書き足した『術式』が、この大陸の性質を大きく変えていた。――あのファニアの土地の性質が、世界の果てまで拡大している。


 『世界奉還陣』停止後、青い空を目にした『北連盟』と『南連盟』の生き残りたちは、迷いながらも互いに和解を提案していく。

 私と師匠の和解の日は、『境界戦争』に終止符が打たれた日でもあった。


 もちろん、その日を境に、各地で起こった戦いが全て、ぴたりと止まるわけではない。

 私と師匠は各地を回って、かつての旅のように人々を癒しつつ、『レヴァン教』の教えを利用して世界平和を謳う必要があった。


 『境界戦争』によって、人類は絶滅の危機に陥った。

 だが、『聖人』ティアラを先頭に、北と南が手を合わせることで免れることができたと――私の用意した筋書き通りに物語は進んだ。


 そう。

 全て私の筋書き通りだ。

 平和のためでなく、『魔法』のための『世界奉還陣』と『レヴァン教』だったが、それに気づく者は一人もいない。


 そして、筋書き通りだからこそ、この戦争の後処理の最中に彼と再会することも、私にはわかっていた。


〝――『境界戦争』に終止符が打たれた数ヵ月後。生き残りの使徒レガシィが、倒壊寸前のフーズヤーズ城に帰ってくる。それを出迎えるのは、ティアラ・フーズヤーズ一人だった――〟


 帰ってくるタイミングからして、戦争の間は『世界奉還陣』の外に避難していたのは間違いない。


 私は誰よりも先にレガシィを迎えに行った。

 そして、城の門をくぐった先の玄関口(とはいえ、大地の歪みの影響で、もう天井はない)で、私は笑顔で彼を捕まえる。


「――ひひっ。そっちも、ちゃんと生き残れたんだね」


 六年前の異世界で別れて以来だった。

 だが、昨日別れたばかりの旧友のように、私たちは気軽な挨拶をかわしていく。


「……ああ。俺は他のやつらと、情報の質も量も違うからな。生き残れないほうがおかしい」

「だねー。一人だけ、主さんと話しているのは卑怯だよー。……それで、例の自分探しってやつは、ちゃんと終わったの?」

「その心配は要らない。全てが終わったから、俺はここに来た」


 レガシィは即答して、ちらりと後方に目をやった。

 その視線の先、少し離れたところに懐かしい顔を一人見つける。


 ファニアの元領主ロミス・ネイシャだった。

 以前は丸坊主に豪奢な神官姿だったが、いまは癖のある短い髪を垂らして旅人の装いをしていた。

 その彼が、警戒を含んだ目つきで、私たちの会話を見守っている。


 かつて『火の理を盗むもの』を支配し、『闇の理を盗むもの』を利用し、『次元の理を盗むもの』と私を追い詰め、『血の理を盗むもの』を相手にして尚生き残ったと噂される男が、今回の『世界奉還陣』も乗り越えていた。


 その立ち位置から、今日までレガシィと共に旅を――『冒険』を、していたこともわかる。


 中々に意外な組み合わせだと思ったが、私が書き記してきた読み・・の内の一つだったので、冷静にロミスへ向かって笑いかけて挨拶を済ませる。


 その私の余裕を見たレガシィは、ロミスと同じくらいに警戒した様子で話を続ける。


「どうやら、そっちも自分探しが終わったようだな……。ティアラ、本当におまえは変わった。……誰よりも大人になった」


 言葉遣いも振る舞いも、ずっと私は変えていない。

 姿だって少女のようで、若作りで侍女たちの間では評判だというのに、また大人と言われてしまった。


 その意味を確認する意味でも、私は六年前の話題に繋げていく。


「ねえ、レガシィ。いまの私は、ちゃんと本気になれてる?」

「ああ、本気なんだろうな。だから、あの陽滝に似てきている」


 レガシィは深々と頷いた。

 かつて私を責めた本人から最高の賛辞を貰い、私は笑みを深めていく。


「本当? ……すっごい嬉しい。滅茶苦茶嬉しい」


 ただ、対面するレガシィは笑みとは程遠い表情だった。

 その苦々しそうな顔は「予定と違う」「それは違う」とでも言いたげだったけれど、私は気にすることなく、六年前にできなかった話を進めていく。


「ほんと懐かしいね……。あの日、あの異世界で陽滝姉の力を知った私たちは、何もできなかった。けど、やっと互いに答えを見つけることができた。なら、あとは――」

「そうだな。そろそろ、答え合わせの時間だ」

「ひひひー、そうっ! 答え合わせ!! ここには師匠がいるから、三人でやろうよ。……あ、でも前みたいに私の答えを遮らないでよ? ああいうの、ほんとよくないんだから」

「もう遮りはしない。カナミの兄さんの答えも含めて、全て静聴するさ」


 こうして、使徒レガシィはフーズヤーズに合流した。

 同時に『境界戦争』の戦後処理も粗方終わったので、時間に余裕ができた私と師匠は、かつての研究塔跡に集まって『次』の話をしていく。


 そこには師匠と和解をしたレガシィも同席していた。

 ただ、彼は大人になった私を警戒して、お人好しの師匠の後ろに立つ。


 まず私が二人の前で、《幻の紫腕》と魂について説明をした。

 それを聞いた師匠は、身体は化け物になる寸前だったが、この数年で最高に明るい顔となって喜んだ。


「――つまり、『魂』の抽出に成功したってことか……? で、その魔石が陽滝だって、おまえはそう言うんだな?」

「うん、そういうこと。だから、まだ陽滝姉は死んでない。生きてる」


 手に持った『水の理を盗むもの』の魔石の脈動を感じながら、続きの物語は道筋に沿って紡がれていく。

 ただ、残念ながら、師匠は陽滝姉の白い『糸』に操られるがままに――


「――これからがもっと大切だ。もう二度と失敗はできない。『次』は陽滝を蘇生するぞ」


 〝――相川陽滝の蘇生に取りかかり始める〟という頁に向かう。


 それを私は止めない。

 ただ、代わりに私が書き足した未来も、師匠には提案してもらう。私は何も知らない振りをして、希望で明るい師匠の口から、その計画を引き出していく。


「――ふふっ、とうとうあの計画を再起動させるときがきたってわけだ……!」

「ん? あの計画って?」

「忘れたのか? 結構前に話しただろ? ――『迷宮ダンジョン』だ」


 私にも陽滝姉にもない発想アイディアが、千年後の新たな盤面が足された。

 この一手目こそが、ヘルミナさんの『五段千ヵ年計画』ならぬ『六段千ヵ年計画』の始まりだ。


 さらに師匠主導の計画は続く。

 私が『世界奉還陣』で集まった魔力は地下深くの『最深部』に貯まっていると伝えると、その計画の最終目標は自然と決まった。


「――大丈夫。陽滝の身体は・・・・・・僕が動かす・・・・・。世界の『最深部』へは、僕が連れて行く――」


 これも大事な伏線になると、私は内心で笑う。


 この二手目がないと、私は絶対に陽滝姉と『対等』になれないし、私の・・魔法・・』も成立しない。


 ただ、こうして上手く私が書き足せた頁があれば、どうにも除けなかった頁もある。

 師匠は仮面を脱ぎつつ、とても嬉しそうに話し続ける。


「新しいスキルの準備だって万全。二つの魔石に直結させて作ったスキルだから強力だ。まだ名前は決めてないけどね」


 スキルは陽滝姉の代名詞とも言える存在だ。

 できるだけ、私も師匠に干渉して、スキルを弄っていくつもりだが……師匠の身体の中に陽滝姉の魂を入れる以上、すぐに全てのスキルは向こうの駒となるだろう。いま私にできることと言えば、その完成を少しでも邪魔することしかなかった。


「――ねえ、カナミの兄さん。本当に、これで『終わり』なのかい?」


 ここで話の終わりを感じ取ったレガシィが、話に加わる。


「ああ、これで終わりだ。ここまで来られたのは、おまえのおかげでもある。ありがとうな、レガシィ」

「これで『終わり』……――」


 レガシィは私たちの答えを聞いて、不満がある様子だった。


 そして、その日の話は、そこで一旦終わる。

 だが、すぐに師匠だけを仲間外れにして、同じ場所で話は続いていく。


「――レガシィ。もちろん、これで『終わり』じゃないよ。これは、ただの『やり直し』。千年後に、私たちは同じ盤面で同じゲームを始めないといけない」


 まだ『答え合わせ』は終わっていない。

 私たちは千年後の真実を、確認し合っていく。


「……千年後に、また今回の『世界奉還陣』みたいなことが起こるということか?」

「そういうこと。これはレガシィにとっても、いい話だと思うよ」


 私は頭の中にある書き足された未来の一つを、レガシィに示す。


「私は陽滝姉を止めるために、千年後に『使徒』三人も復活させるつもり。もし主さんの願いを叶えたければ、三人で協力して、また挑戦し直すといいんじゃないかな?」

「……それはないな。正直、もう俺は『世界』なんて知ったことじゃない。『使徒』も『異邦人』も、どうだっていい。大切なのは『人』の気持ちだと、俺は気づいた」


 しかし、即座に否定される。

 さらに彼は、今日までの使徒生活の答えを私に示していく。


「『世界』あっての『人』ではなく、『人』あっての『世界』だ。一番大事なのは、全力で生き抜く『人』の姿。一人一人の人生があって、初めて『世界』は『世界』足りえる」


 それは誰よりも『人』らしくて――最も『使徒』らしくない答えだった。


「んー? じゃあ、これからのレガシィは使命を捨てて、『人』を守っていくってこと?」

「いや、『人』は誰かに守られるものじゃない。一人一人が全力で生き抜くことに意味があると、そう俺は思っている。……そして、それは俺も例外じゃない」


 レガシィはシス姉と違って、自分が特別でないことに誇りを持っていた。それが骨子となって、借り物ではない強い願いを口にしていく。


「もし『やり直し』ができるのなら、今度こそ俺は生き抜く。……まだ俺は、決して『終わり』じゃない」


 保険として生まれたはずの使徒は、もう空っぽではなかった。

 とても『人』らしい感情を吐露し続ける。


「前にも言っていたが、ずっと俺はおまえに嫉妬していた。カナミの兄さんと『冒険』するのを見て、楽しそうだと心底羨んでいた。……『やり直し』ならば、俺もおまえのような人生を生きたい」


 私のような人生。

 それはつまり、師匠と『冒険』したり、協力して人助けをしたり、全力で殺し合ったり――共に遊びたかったということだろう。


 そのレガシィの答えは、最初から最後まで共感できた。

 相変わらず、私たちには似ている部分が多いと思いつつ、確認するように聞いていく。


「レガシィ。あなたが色んな場所を見て回って楽しいと思えるのは、主さんから与えられた機能だとしても?」

「……ああ。それでも、これが俺の真の願いだと信じている」

「その答えに至ったことが、陽滝姉に誘導された結果だととしても?」

「わかってる。いま俺は、あの『糸』に引っ張られてるんだろうな。……しかも、これからは、おまえにも利用されるんだろ?」


 聡明なレガシィは、千年後の『やり直し』の意味を正確に理解していた。

 しかし、私と陽滝姉の『決闘ゲーム』の駒になったとしても――


「構わない。利用されてもされなくても、俺の大切なものは何も変わらない」


 という答えを出す。

 それは『決闘ゲーム』を開始する前から負けを認めているも同義だった。

 だが、彼は笑って、願いだけを優先する。


「……なにも、人生は勝ち負けだけが重要じゃない。負けて叶うものもある・・・・・・・・・・


 それはレガシィの道筋が【自分が楽しいと思えるものだけを信じて、最後まで全力で生き抜く】に定まった瞬間だった。


 私の味方でなければ、陽滝姉の味方でもない。

 主さんの味方すらも放棄して、利己的に自分の楽しみだけを追求する道。

 その生き方は、場合によっては全員の敵となってしまうこともあるだろう。


「……ふうん、なるほどね。その結果が、あれってこと?」


 私は否定することなく頷き、レガシィの部屋の隅にいる一人の男に目をやった。

 このフーズヤーズに到着してから、ずっとレガシィを守るように控えているロミス・ネイシャだ。


「あいつも、いまの俺の考え方に賛同してくれている。いわゆる、自分さえ楽しければいいってやつだがな。……だからこそ、俺は千年後に向けて、ロミスと組む」


 レガシィは隠すことなく、私に自分の手札を明かした。

 さらに秘匿すべき使徒の仕組みさえも、続いて説明していく。


「これから俺は寿命で機能停止するだろう。だが、また世界が危機を迎える千年後には必ず復活する。……その転生先を、ロミスの血族に用意させる」


 その情報を私に知らせているのは、先ほどの「使徒三人を復活させる」という言葉を信用できると判断したからだろう。

 利用されることを承知で、転生の成功確率を少しでも上げようとしている。


「これから、ロミスにはレガシィ家でも作ってもらう。そういう『契約』を、もう取引済みだ」

「ええぇ……、取引しちゃったの? あれと?」


 シス姉が『異邦人』たちと『契約』したのを、レガシィも真似たようだ。


 正直なところ、いまのレガシィでも、あのロミスと比べてしまうと騙し合いでは劣る気がした。

 言い包められて変な『契約』をしていないか、少し心配だった。


「おまえが思っているようなことはないさ。あいつは俺の『聖人』となる代わりに、【もう一度だけ機会が欲しい】と願った。たったそれだけだ」

「機会を一度だけ……? それが本当なら、とても謙虚なことだね」


 黙り続けているロミスを私は、じっと見つめた。


 確かに、最後に会ったときとは、様子が違う。

 理由はティーダの『呪い』が抜け落ちただけではないだろう。

 何度も得ては失ってを繰り返していく内に、彼の中の欲望が変質した可能性が高い。


 レガシィと違い、この男相手に手加減はできないと判断して、私はロミスの求める『一度だけの機会』とやらをスキルで読み取っていく。


〝――いま、ロミス・レガシィの胸中には、複数の欲望が渦巻いていた。かつての栄華を取り戻すだけではない。友ティーダ・ランズと再会して、どうしても伝えたいことがあった。もちろん、同時に相川渦波に復讐したいという怨念も、尚膨らみ続けている。それら全ての機会チャンスを指して、彼は使徒レガシィと『契約』をした――〟


 ここまで読んだとき、ロミスと目が合う。


 奇妙な同族意識のせいか、いま私がスキルで心を読んでいると、彼に伝わったような気がした。

 私のスキルに負けない『観察眼』が、この男にはある。


「……レガシィ様、その女は味方ではありません。これ以上はやめたほうがいいでしょう」


 ロミスは目を逸らしながら、レガシィに退出を促した。

 その仲間の助言をレガシィは素直に聞き、別れの言葉を残しつつ部屋の扉に向かって歩き出す。


「ティアラ。俺は千年後の『やり直し』で、絶対にカナミの兄さんと出会う。……絶対にな」


 ロミスとレガシィは揃って、部屋から去っていった。


 私は一人、部屋に残される。

 ロミスのせいで話は切り上げられてしまったが、はっきり言って十分すぎるほどの情報が、もう手に入っている。


 スキル『読書』と『執筆』を使って、レガシィの動きを誘導できるだろう。いや、誘導するまでもなく、彼は必ず動く。すぐに私は手のひらの傷に流れる血を使って、その未来を城の壁に記していった。


〝――人生の答えを出した『使徒』レガシィは、千年後の『やり直し』を全力で楽しむ為に、相川渦波の記憶と力の継承失敗を狙う。そして、迷宮完成の直前、相川渦波が身体を移すために自らの『魔石』を抜こうとしていたところで――その信頼を裏切り、見事彼の背中を刺した。タイミングは完璧だった。だが、結果は相討ち。レガシィは迷宮に呑みこまれて消えてしまう。続いて、相川渦波の身体も溶けて消えていく最中――迷宮一層にて、ティアラ・フーズヤーズは姿を現す〟


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