20.学院課題



「試験……?」

「はい。わたくし達は学院の試験で、迷宮に挑戦していますの」


 ツインテールのお嬢様、フランリューレ・ヘルヴィルシャインは胸を張って答えた。彼女はこの四人パーティのリーダーで、おおよその説明を一人で僕にしてくれた。

 ちなみに、なぜか最初の自己紹介でファーストネームを呼ぶことを強制されてしまった。


 フランリューレたちは、迷宮の西に位置する国エルトラリューの学院生らしい。

 エルトラリューという国は魔法文化の発達した国で、勤勉さが特徴だったと記憶している。特色の一つとして、迷宮のすぐ傍に大陸最大の教育機関を用意したというのは有名な話だ。それがフランリューレたちの通う学院にあたるらしい。


 ただ、話を聞く限り、ろくな学院ではない。

 金と権力を持つものが幅を利かせるパブリックスクールというのが、僕の感想だった。


「へえ、そうなんだ……」


 正直、僕には関係のない話だ。

 いまは一人ソロでどこまで行けるかという実験の最中であり、このパーティーにいつまでも構ってはいられない。


 だが、絶え間なく話しかけてくるフランリューレのせいで、僕は別れの挨拶をうまく切り出せずにいた。


「ええ! 迷宮探索の試験は最上級クラスの生徒たちの中でも、実力者だけにしか挑戦させてもらえない試験ですの。一級の探索者資格は、家柄の力だけでは手に入りませんから!」


 できれば、もっと暇なときに聞きたい話だ。

 この世界の情報ならばどんなものでも歓迎だが、場所が悪すぎる。

 迷宮内というのもあるが、いまは僕自身の挑戦に集中したいのだ。


 仕方なく僕は、多少強引にでも離れようと決める。


「それはすごい。そんなにすごい君達ならば、この先も大丈夫そうだね。うん、じゃあ僕はそろそろ失礼させてもらおうかな――「ま、ままま待ってくださいませ! そうですっ、お礼を! お礼をさせてください! 命を助けて頂きながら、何のお礼もできなければ貴族の名折れですわ!」


 フランリューレは顔を赤くして必死に引き止めようとする。


 ここまで露骨だと、空気の読めない僕でもわかってくる。

 どうやら、フランリューレは僕に同行して欲しい様子だ。僕を利用して試験とやらを楽にクリアしたいのか……もしくは、自惚れでなければ僕に好意を持っているのだろう。


「こちら、弟のライナーですわ。ライナーからもお礼を……ほら、ライナー」


 先ほど、死に瀕していた少年が前に出てくる。

 サイズの小さい制服で身を包み、品のある出で立ちをしている。


「キリストさん。危ないところを助けて頂き、本当に感謝してます。キリストさんは、腕の良い探索者さんだと察します。……見ての通りです。どうにか、うちの姉様を説得してくれませんか? 無駄に命なんて賭けてないで、金持ちのお嬢様は帰れと言ってやってください」


 ライナー君は心底疲れたような声で毒を吐く。


 うん。

 死に瀕していた子は言う事が違うな。


「ライナー、なんてことを!」

「姉様。ここは感謝の意をもって、いますぐ、この方にお礼をすべきです。道を戻り、迷宮から出て、うちの館でもてなすべきでしょう。それが一番です。今回の迷宮探索は機が悪かったと諦めましょう」


 ライナー君は迷宮探索に乗り気ではないようだ。どうにか、フランリューレを説得しようとしている。


 だが、ここで連行されるのも困る。

 僕にとっては、もてなされたからなんだという話だ。それよりも、迷宮の攻略を進めたい。


「いや、それはいいよ。僕は先を急いでるから……」

「あ、ちょ、待ってください……! 行くなら、どうかこの姉様の心を折ってから行ってください! どうにか説得してくれたら、あとでどんなお礼でもします……!!」


 余りにも必死すぎて、去ろうとする僕の足が止まってしまう。


 ライナー君も中々に図太いやつだ。

 どうにか、このチャンスを活かして、姉を諭そうとしている。


「いいえ、ライナー。このフランリューレ、何があっても棄権などは致しませんわ。此度の試験はわたくし一人の問題ではなく、ヘルヴィルシャイン家の名誉にも関わりますから」


 しかし、フランリューレから諦める様子は窺えない。


 僕が姉弟の間で板ばさみになっていると、三人目の少女が話に入ってくる。

 剣を持った獣人だ。ただ、獣人とはいえ、布の被り物とゆったりとした服を着ているため、通常の人間と変わりはない。名前はエルナさん。独特な喋り方をするスタイルの良い少女だ。


「なぁー、お兄さん。探索者であるお兄さんに依頼したいんだが、いいかなぁ?」

「依頼?」


 僕は初めて聞く単語に、つい聞き直してしまう。

 本当は立ち去ったほうがいいのだろうが、『依頼』という単語を聞いてしまうとゲーム好きな相川渦波ぼくが自己主張を始める。


「そうさぁ、依頼さぁー。えっと……ここに金貨が一枚ある。これを報酬に、迷宮の案内をしてくれんかなぁ? 腕も立つようだから、用心棒代も含んでいるよぉ。私らは試験という競争の中で、一位をとりたいわけでぇ。そこで、お兄さんは適任なんじゃにゃ・・いかなと思ったんだ。――にゃはは。ごめんよ、ちょっと訛った」


 要するに、ゲーム的に言うと『クエスト』にあたるイベントのようだ。

 僕の好奇心に少しだけ火が灯る。


 さらに言うと、エルナさんの頭の布を外せばどんな耳が出てくるのかも気になる。訛ると猫語になるということは、猫耳である可能性は高い。

 まだ、この世界で猫耳は見たことはないので、無駄に僕の好奇心が掻き立てられる。


「――ナイスな提案ですわ、エルナ! ライナーもこれならよろしいでしょう!?」


 それだ! と言わんばかりに、フランリューレはライナーを言いくるめようとする。


 興奮したフランリューレを見て、僕は落ち着かなければならないと自分を戒め、話に割り込む。


「そういう話ならわかりやすいね……。ただ、僕は適任じゃないと思うよ。それならば、もっと年をとった熟練者を探したほうがいい。僕は見ての通りの若造で、案内には向いてないから」

「そんなことはありませんわ! キリスト様が力不足などありえませんわ!」


 だが、異様に僕を妄信しているフランリューレが、それを否定する。

 狂気を感じて少し怖くなってきた。


 見かねたエルナさんが僕に近づき、小さな声でささやく。


「さ、察してくれよぉー、お兄さんー。うちの姫さんがあんたのことを気に入っているようなんだよー。姫さんが暴走して変なことしないうちに、傭兵という形で落ち着いて欲しいんだよー。迷惑なのはわかっているから、報酬はさっきの二倍は出すよー。法外だよぉー? 金貨二枚だよぉー? 案内も気にしなくていいから。それはそっちの竜人ドラゴニュートの娘がするよ。何かあったら、私らを見捨てても文句は言わんから、とりあえずついてきてくれよぉー」


 若干泣きそうなエルナさんだった。


 姫さん――つまり、そこのフランリューレの暴走が怖いようだ。確かに、この様子だと何をするかわからない。


 だからこそ、ここから僕は離れたい。

 離れたいが、金貨二枚というのは法外中の法外だ。話から、四人が貴族の子で、かなりの金持ちというのは察することができる。報酬に偽りはないだろう。


 そして、初の依頼クエストという事実が、僕の心を強く揺さぶる。

 その結果――


「わ、わかりました……。僕も迷宮の奥に用事がありますから、10層まで付き添うという形でしたら構いません。大変ですね、あなたも……」


 妥協してしまう。

 ソロを試すのはいつでもできるが、美味い話は限られているのだ。迷宮探索で生計を立てている以上、無視し切れなかった。


 心の中でディアに謝る。

 しかし、ディアの退院まで一週間もあるのだ。例の挑戦は今日にこだわる必要はないと、自分に言い訳する。


「お兄さん、ありがとうなぁ。貧乏貴族のつらいところだなぁ」


 エルナさんは涙を拭う振りをしながら、笑う。

 貴族は貴族でも、ピンからキリまである様子だ。


「決まりましたよぉー、フランー。キリストさんは私らの力になってくれるようです。傭兵という形で、10層まで護衛してくれるそうですよぉー。いやぁー、よかったですねぇー」


 すぐに、エルナさんはパーティーの仲間たちに報告をしていく。


「護衛!? それは素敵ですわ! キリスト様はわたくしを守る騎士になってくれますのね!」

「いや、騎士ではないんですけど……。とりあえず、少しの間、よろしくお願いしますね……」


 僕は興奮するフランリューレに引きながら、挨拶をする。

 他の三人も、改めて挨拶をするため、僕に近寄ってくる。


「僕はライナーです。キリストさん、頼りにしています。ただ、本当は帰りたかったんですけどね……。仕方がありません。万が一のときは、この身を姉様の盾にしましょう。僕にはそれくらいしか取り柄がありませんから……。ははは……」

「獣人のエルナで、戦士をやっておりますよ。こっちの無口な女の子はスノウ、器用貧乏なスカウトですねぇー」

「…………。……ども」


 三者三様の挨拶だ。


「わたくしはヘルヴィルシャイン家が七女、フランリューレですわ! キリスト様、どうかお見知りおきを!」


 リーダーであろうフランリューレの挨拶を最後に、僕たちは迷宮探索を再開した。 



◆◆◆◆◆



 こうして、新結成された五人パーティーは迷宮を進んでいく。


 道中、お互いの戦術や目的を話し合い、まっすぐ学院の課題となるアイテムの入手に向かうことが決まった。


 彼女らの課題は各層にいるボスのドロップアイテムを集めることだ。それを10層までに行い、無事帰って来れた者だけが学院に認められるらしい。


 奇しくも僕の目的と類似していた。


 ただ、『協力して』と『一人で』という大きな相違点がある。

 『一人で』と比べれば、『協力して』というのは遥かに簡単だ。


 ――簡単。


 そう僕は思っていた。

 が、予想外の事態が発生する。


 五人パーティーの探索。

 普通に考えれば、労力は五分の一。

 しかし、現実は違った。

 『一人で』やるよりも五倍は疲れるという、まさかの事態に僕は陥っていた。


「――これでっ、トドメですわぁ!!」


 フランリューレの豪奢な剣が、ボスモンスターの脳天に突き刺さる。


 巨大な蜂の姿をしたボスモンスターは浮力を失い、落ちていく。落ちていきながら、光となっていくため、その上にいたフランリューレが宙に放り出されてしまう。


 僕は雇い主であるフランリューレを助けるため、落下地点に向かって走る。

 剣を収め、フランリューレに負担をかけないように抱き止めた。


 いつかの焼き直しみたいな状態になり、以前と同じくフランリューレは頬を染める。


 すぐに僕はフランリューレを地面に下ろして、全員の安否を確認する。


 ライナー君はフランリューレのフォローのため疲労困憊な様子だ。自分の命が一番なエルナさんは遠いところで眷属モンスターを倒したのが見える。スノウさんは……うん、やる気がない。


「…………」


 言葉を失う。

 単純な話だ。

 こいつら、パーティーとして機能していないのだ。


 個々としての実力は異様に高いのに、各々のモチベーションや意思が一致していない為、動きがバラバラ過ぎる。


 その四人の間を取り持つ労力は、『一人で』やるときの比ではなかった。


「やりました! これで八層クリアですわ! ふふっ、キリスト様が参加なさってから、すごいスピードですわね。流石はわたくしの騎士様ですわ!」

「お、おめでとうございます、フランリューレさん……。けど、そのために、弟のライナー君が死にかけていることをお忘れなく……」


 血を吐きそうなほどに息切れしているライナーが近づいてくる。


「はぁ、はぁ、はぁ……。いいんです、キリストさん。僕のような拾われ貴族は、お姉様を守ることくらいでしか価値を見出せないんですから。ここで役に立たなければ、僕はゴミです。ゴミクズですから、ははは、はははは、は、はぁ、はぁ……」


 ライナー君は死にそうな顔で笑う。

 彼は複雑な家庭環境が垣間見える発言が多くて対応に困る。

 関わったら負けだ。なぜか泥沼に足を突っ込むイメージがするので、絶対に突っ込まないようにしている。


 最後まで何も聞かずに、このパーティーを抜けると僕は決意する。


「にゃははは。いやぁー、本当にキリストさんは強いですねぇー。安心して戦えますねぇー」

「エルナさん、ちょっとはこっちも手助けしてください……。というか、あなた、本当にフランたちの友達なんですか?」

「人聞きの悪い。私はヘルヴィルシャイン姉弟の一番の親友ですよぉー」


 安全圏で戦っていたエルナさんが戻ってくる。


 このパーティーで一番話すのはエルナさんなので、彼女に試験突破の意思がないことはすぐにわかった。


 彼女は徹底した自分優先。

 余裕があればヘルヴィルシャイン姉弟の手助けをする程度。

 この淡白なスタンスは、利害の計算だけで動いている証拠だ。スタンス自体は好みなので気は合うものの、背中は預けたくないタイプでもある。


「…………。……おつかれ」


 気だるげにスノウも戻ってくる。

 実際のところ、彼女が一番の問題児である。



【ステータス】

 名前:スノウ・ウォーカー HP511/533 MP211/240 クラス:スカウト

 レベル14

 筋力10.22 体力10.01 技量5.24 速さ5.43 賢さ7.91 魔力10.84 素質2.62

 先天スキル:竜の加護1.09 最適行動1.89 古代魔法2.02

       心眼1.07 鮮血魔法1.00 

 後天スキル:



 最もレベルが高く、最も才能に溢れている女の子だ。

 種族も竜人ドラゴニュートであることから基本能力も高く、ディアを除けば今まで一番の才能だ。なにより、今現在で僕に匹敵している能力値というのは大変魅力的だ。

 正直、めちゃくちゃ欲しい人材である。


 ただ、致命的にやる気がない。

 魔法適性が高いはずなのに魔法を全く使わず、膂力に任せた攻撃のみ。


 真面目に課題を受けているとは思えない。


 フランリューレに聞いたところ「数合わせですわ」と答えられ、スノウ本人に聞けば、「……死人出ないかな。出たら帰れるのに」とか呟く始末である。


 猪突猛進のお嬢様。

 姉だけしか見ていない少年。

 自分一番な獣人戦士。

 やる気ゼロの竜人。


 まだ見ぬ学院の株は下がる一方である。

 学院というのならば、教える人間がいるはずだ。教える人間は、この四人を見て何も思わなかったのだろうか。僕なら止める。絶対に止める。


 けれど、傭兵という仕事を了承してしまった以上、もう止めるわけにもいかない。

 ボスのドロップアイテムを回収し終えたフランリューレが、全員に号令をかけるのを黙って聞く。


「おつかれ様ですわ。ライナー、エルナ、スノウさん。それでは急いで、9層に向かいましょう。この調子ならば、一位通過もありえない話ではありませんわ」


 雇い主様は意気揚々と歩き始める。


 課題は残り二つ。

 9層のボスを倒し、10層にある『消えない炎』を手に入れることで終了だ。


 10層にボスはいないから、実質は残り一つらしい。

 実力的に余裕はあるため問題はないだろうが、心労が溜まるのは間違いない。


 元の世界では効率的なゲームプレイをし続け、この世界に来てからは素直なディアと理想的な二人パーティーをしてきた僕は、このバラバラなチームプレイは非常にストレスが溜まる。


 ……いや、落ち着け。


 実質、あと一回。一回で終わりだ。

 力試しを行えつつ、大金も手に入るのだ。マイナスのことではなく、プラスのことを考えて精神を落ち着けよう。


 うん。

 僕はよくやっている。

 これは一人で10層まで行くよりも、何倍も価値のある探索だろう。

 終わってしまえば良い経験になっているに違いない。当初の思惑とは少しばかりずれてしまっているが、ソロの挑戦ならばいつでも試せることだ。むしろ、こんな機会は滅多にないのだから喜ぶべきことだ。


 僕は気持ちを持ち直して、先頭を歩き始める。

 最初に索敵が得意と進言したので、スノウさんと二人で先頭のポジションを取っている。


「それでは、進みましょうか。……スノウさん、先行しましょう」

「…………。……はい」


 ちらりと僕は隣を歩くスノウさんの横顔を盗み見る。


 竜人ドラゴニュートといえど、人間とさほど変わらない。

 青みがかった黒髪から小さな黒い角が生え、腰から鱗に覆われた尻尾が出ているくらいだ。角は民族的な装飾品によって飾られているため、髪飾りの延長にしか見えないし、尻尾だって裾の長い衣服の為、ちらりとしか見えない。


 気だるげな三白眼さえなければ、民族衣装を纏った涼しげな美少女である。


「…………。……どうしました?」


 流石は高レベルの探索者だ。スノウさんは僕が盗み見ていることに気づいた。

 性格に多少難があるものの一番の優良物件なので、僕はスノウさんと交流しようと試みる。


「いや、スノウさんはどうして試験を?」

「……単位が足らないんです」

「単位?」

「……えーと、単位というのは、その。……ああ、面倒です。また今度で」


 多少じゃない。かなり難がある……。


「えっと、よくわからないのですが、単位というものが学院では必要なんですね。スノウさんはそれが足らないけれど、この試験を受ければそれが足りる。そういうことですか?」


 僕は元の世界の経験から話を憶測する。

 単位といえば、学校の単位をイメージすればそう遠くはないはずだろう。


「……おぉ、すごいですね。その通りです」


 正解のようだった。

 スノウさんは驚いたような表情を見せる。


「なるほど。仕方なく受けているんですね、スノウさん。それで、その、余りやる気が出ないと……。いいんですか? クリアしないと単位がもらえないのでは?」

「いや、挑戦することに意義がある……らしい。……参加すれば、とりあえず単位は貰える」

「ああ、それで……」


 それで、やる気ゼロなのか。


 なんだろう、僕の世界の学生たちを思い出す。

 単位のために講義や授業には出ているものの、内容に興味はないから寝て過ごす。それに近いものを感じる。


「キリスト様! 先導するのはスノウさんだけで十分ですので、こちらへ!」 


 スノウさんと話していると、背後からフランリューレの声を挟まれる。


 振り向くと、拗ねた様子のフランリューレが手招きしていた。

 機嫌を損ねたら厄介な雇い主様だ。本当ならばスノウさんの情報をもう少し手に入れたいところだが、僕は言われるがままに後方へ下がるしかない。


 僕はフランリューレを守るように隣を歩き始める。


「…………」

「…………」


 フランリューレの左を僕が、右をライナー君が守る形になった。

 最後尾にエルナが歩き、後方からの襲撃を警戒している。


「…………」

「……キリスト様、わたくしには何かありませんの?」

「え、何かって何?」

「わたくしのことですっ! 知りたいこととか、普段は何しているのとか!!」


 唐突に声を荒げるフランリューレに僕は困惑する。


 正直なところ、スノウさん以外に興味はない。フランリューレも才能は人一倍あるものの、スノウさんと比べると見劣りしてしまう。


 だが、このままだと面倒なことになるので、僕はフランリューレの機嫌をとり始める。


 ――などと、そういったことをしているうちに、パーティーは9層まで辿り着くのだった。



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