第4話
俺はとっさに横に跳んだ。
「危ねっ」(ピィ!)
俺がいたところに触手がぶつかる。
触手は俺を掴む代わりに葉や土を掴んでいた。
改めて襲ってきた相手を見てみると、そいつは、俺と同じくらいの身長に、のぺぇっとした青いぷるんとした体をもっていた。
そう、異世界定番の魔物「スライム」である。
毒や酸を持っていたら危険なので取り敢えず俺はスライムを鑑定してみる。
鑑定!
個体名:未定
種族:スライム
年齢:0
Lv :2
HP :
MP:
攻撃:
防御:
俊敏:
スキル:触手Lv.3、スライムボディー
称号:なし
よし、ひとまず触ったらアウトな奴ではないみたいだ。
そうしてるうちにスライムの触手がこちらに伸びてきていたので横に跳んで避ける。
そしてスライムに走っていき足で蹴る。
が、
「ピィ!?」(なっ!?)
俺の攻撃でダメージが出るかと思ったが、なんと攻撃したところがぶにゅっとへこみ、更には俺の足をまわりのジェルが包んで飲み込もうとしていた。
すぐに足を引っ込めて距離をとってスキルを詳しく見てみる。
鑑定!
触手〜体を腕のように変形させる。
スライムボディー〜自分の核以外のダメージを無効化する。核は脆い。
なるほど、どうやらスキルの効果でジェルに攻撃しても意味がないみたいだ。
核は脆いようなので、核に攻撃すれば良さそうだ。ということで核を探してみる。
あ!?
見つけたっちゃ見つけたが核があるのはスライムの表面から結構離れていて、とてもじゃないが俺の足やくちばしは届かない。
あれ、これ詰んでね?
そうして俺が絶望に打ちひしがれていても触手はくるので、俺は絶望しつつジャンプして避ける。そんな鬼ごっこのような状況がしばらく続いていた。
だが転機は訪れる。
俺は視界に入った俺の身長の二倍はあろうかという石を見て、
「はっ!これなら!」
ある作戦を思いついた。
その作戦を実行するためにおれはスライムを石に誘導しながら石に向かって走っていく。
そして周りの小石などを使って石に登った。
何をしているかというと、スライムは同じ高さで戦うとジェルが邪魔して核を攻撃できない。
だが上の部分はあまりジェルがないため上からの攻撃には弱いと考えた。
だから今俺は石を登ってきた。つまりスライムよりも高い位置にいるのだ。
ここからは一瞬だ。さっき誘導したスライムは石の真下にきているから、ここから核を狙って飛び降りる。
落ちる勢いをそのままにスキル:くちばしアタックで核を貫く。
これで終わりだ。
ぶっちゃけ外したらそのまま飲み込まれてぽっくりなんて可能性もあるし、高い所から飛び降りてくちばしで着地するのだからダメージも受けるだろう。だがこれ以外に方法を思いつかないのでやるしかない。
あぁ、めっちゃ高い(涙)
チャンスは一度きり。慎重に位置を調整して核を狙う。
そして覚悟を決めて飛び降りる。
「ピィー!」(うおぉー!)
スライムのジェルがぐんぐんと迫ってきてくちばしがジェルにぶつかる直前。
今だ!
スキル:くちばしアタック!
そう心の中で叫ぶとくちばしがぼんやりとした白い光をまとってジェルの中を突き進み、落ちたときの勢いをそのままにスライムの核を貫いた。
パキパキパキ......バリン!
そして核にはそのままどんどんヒビが入ってばらばらになった。
それと同時にスライムはプルプルッと震えたかと思うと、核を残してジェルはサラサラとみずのようになっていき地面に染み込んだ。
<スライムを倒したことを確認しました。経験値を15獲得します。スキル:成長 により、更に経験値を15獲得します。>
<レベルがMAXになりました。進化が可能です。>
あぁぁ! いってぇ!
くちばしは人間の頃にはなかった部位だが、鳥になった今ではちゃんと痛い。
木の幹まで歩いて寝転がる。
HPどのぐらい減ったかなそう思ってステータスを見てみる。
ステータスオープン!
個体名:未定
種族:ベビィバード
年齢:0
Lv : 5/5
HP :4/12
MP:12/12
攻撃:15
防御 : 8
俊敏:10
スキル:言語理解、鑑定、成長、魔力感知、魔力操作Lv.極、精密魔力操作Lv.1、飛行Lv.1、くちばしアタックLv.2
称号:転生者、早すぎる者
いやめっちゃ少なくない!?
俺実は瀕死?
あっ レベルアップで最大HP が増えたからか。元々の最大HPは8だから実際には4ダメージか。
まぁ、そりゃあの落ち方したらそうなるか。
後、レベルアップで全体的にステータスが上がっているな。
そしてさっきから気になること。それは、レベル横にある(進化可能)の文字だ。
そこに意識を向けてみると、
<進化が可能です。進化先を表示します。>
リトルバード Rank F
リトルファイアーバード Rank E
リトルウォーターバード Rank E
リトルサンドバード Rank E
リトルウインドバード Rank E
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