さて日頃は何かといたらぬ私に、
それからというもの、SNSを介してのやりとりは続いた。
「め、面倒い」
「死ぬのが?」
「違ぇよ。馬鹿」
諦めてくんねえかなぁ~。
「この講座もどきに裂くエネルギーがあるなら、生きようと思えない?」
「あ?」
しまった。踏み込みすぎたか。
睨まれてしまった。
「……生きるには、あたしはあまりにも出来損ないだ」
彼女のつぶやき。
言葉尻にかけ小さくなる。弱音を聞かせまいと強がる彼女らしい。
「なぁ、何かゲームやってない?」
提案。さぁ、どうか。
「やってるけど、何で?」
まぁ、そうなるよな。
「いや、このパーティー系アプリゲームやりたいんだけど……
「うわ、何かゴメン……」
「ガチで引くなよ」
可哀想なものを見る目をするんじゃ無いよ。
「まぁさ。やってみたいんだよ~」
「それ二人以上じゃないと、割とヤバいぞ」
「確かこれやってなかったか~?」
「……」
正直にいうと、彼女のTwitterアカウントをフォローすると、特定のゲーム情報をリツイートしてるのを見てしまった。それが故のカマカケ。我ながら気持ち悪い。
「しゃー無いな……フレコ教えろよ」
「フレコ??」
「フレンドコード!!」
そういえば彼女は誰とこのゲームをやっていたのだろう。
*
放課後。
「お」
彼女からゲームのチャット欄にメッセージ。
『妹もくる』
「フぁっ?!」
余りにも急な出来事に変な声が出る。
『こんばんわ! よろしくです!』
直後、妹さんと思われるアカウントもチャットに入ってくる。
『お姉ちゃんと仲良くしてくれてありがとうございます!』
『おい!』
姉妹の微笑ましいやりとりに思わず笑みがこぼれる。
『私、学校に行けなくて。お姉ちゃんに迷惑掛けてばっかで』
いくつかのチャットが流れた後で、妹さんからの一言。
『いいって』
遮るように姉のチャットが続く。
『毎日、お姉ちゃんがこのゲームの相手してくれるんです。私、ゲームの中でもどんくさいけど。お姉ちゃんは上手いんですよ!』
文面から、彼女らの絆が読み取れる。
込み上げる感情を抑えきれずに、
『尊い』
そうチャットに打ち込んだもんだから、翌日彼女に。
「妹を変なこと吹き込んでみろ、ぶっ殺す」
脅されちまったが悪い気がしないな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます