第3話

東京


とある建物内のホール内


ステージには1人の男が立っている。

イエルピス新商品プレゼンテーション


坂本『みなさん、こんにちは、本日はご来場いただき誠にありがとうございます。株式会社イエルピスの経営企画部、坂本です。』


1人の男がステージでプレゼンする。


会場の奥には。国の政府機関デジタルシステム庁の山本しげるがプレゼンを聞いている。


坂本『私たち株式会社イエルピスは新しいAIロボットを開発しました』


坂本『では、みなさんにお披露目しましょう!こちらです!』



プレゼンテーションの映像を会議室内でパソコンを開き、画面で見る人々。


スタッフ『プレゼンは順調です。第一研究室長。このまま問題なければ補助金もおり、次の研究段階へ進めるかと。』


たかひこ

株式会社イエルピス

第一研究室長

あいのふたつ上の兄



たかひこ『了解。ところで、あい、イアの開発は順調か?』


あい『ええ、順調です。』


たかひこ『チップもか?』


あい『実験段階には進めませんが、完成間近です。』


たかひこ『早く実証実験に進めたい、来週ぐらいには、完成できるか?』


あい『承知しました。』


たかひこ『あとみなさん、最後にマウス達の配属表お渡ししますので、確認お願い致します。今日の会議は以上です。お疲れ様でした。』


あいは会議室を出ようとした。


たかひこ『あい!』


兄に呼び止められる。


あい『何でしょうか。』


たかひこ『お前のところに配属されるこの子、監視対象の学生だ。余計な事は絶対にこの子に吹き込むな。しっかり監視だけしとけ。』


あい『はい』


たかひこ『お前には期待してる。』


あい『ありがとうございます。』


あいは会議室を出て自分の部署へ戻った。





翌日、早朝


朝日が体育館中を照らす。


たくやは静かに起き、

寝てる人全員の顔を見に体育館内歩いた。


知らない女子高生を見て

たくや『(あいじゃない、、、)』


知ってる男子高校生を見て

たくや『(こいつもここに、、、)』


全員見回った後

たくや『あいは、いなかったなー。どこにいるんだろう。』


あいが、助けてって言ってた姿が脳裏によぎる。


朝の8時

みんな起床し体育館の壁に貼られている配属表を確認している。



たくや、ゆか、ももえも配属表見に向かった。


知ってる人、知らない人、たくさんの生徒が確認しに来てた。


さゆりん『あ!ゆかじゃん!おはよー!配属表みた?私たちバラバラだねー!』


ゆか『さゆりん?さゆり、ん、なの?』


さゆりん『何言ってるの?私じゃん、どうしたのゆか。』


ゆか『ううん、なんでもない。おはよー!さゆりんも頑張ってね!』


さゆりん『ありがとう!ばいばい!』


たくや『昨日のことは覚えてないみたいだね。』


ゆか『とりあえず元気ならよかった。』


ももえ『あの子、うまく洗脳されてるみたいね』


ゆか『ゆかは、第三研究室、たくやは会議室、ももえちゃんはお外って書いてあるよ』


たくや『みんなバラバラだねー』


ももえ『とりあえず、終わったら感想聞かせてください。では。また夕方会いましょう。』


たくや『みんな頑張ってね』


ゆかは会議室に向かう途中、吉月に呼び止められる。


吉月『おはようございます。昨日はゆっくり休めましたか?』


ゆか『おはようございます。昨日はお気遣いありがとうございます。ご馳走様でした。ゆっくり休めました。』


吉月『君には今回の配属について伝えなきゃいけない事がある。』


ゆか『なんでしょう?』


ゆかは恐る恐る吉月の話を聞いた。





みんな集まっているとこに。

ももえは向かう。

大半の人が外じゃないかと思うくらい人数が多かった。




たくやは会議室に入る。

中には8人くらい人がいた。

重々しい空気が漂っていた。


スタッフ『こちらの席に座って下さい』


一人一人椅子に座り、

白いカバーのかけられた物と対面されられた。




ゆか

吉月に言われた事が脳裏をよぎる。


吉月『お前の仕事は、第三研究室にいる人物を監視することだ。都度夕方僕に報告する事』


ゆかは心に気合を入れ、

恐る恐る

第三研究室の扉を開けた。


ゆか『え、』


あい『どうも。こんにちは』



会議室では、、、


たくやは隣の席の人の顔を見る。


たくや『(小声で)委員長じゃん』


となりの席に座っていたのは

同じクラスの学級委員長

いちろうくんだ。


いちろう『僕は君と話す用事はない』


たくや『相変わらず冷たいねー。』


スタッフが咳をする。


スタッフ『えー、お時間になりましたのでご説明させていただきたいと思います。君達はこれから、目の前のロボットと会話していただきます。』


スタッフは説明をしながら、

白い布を剥がした。


たくやは言葉を失った。


目の前にあるロボットはあいにそっくりだったからだ。




第三研究室


ゆかはあいの胸ぐらを掴む。


ゆか『どうもじゃないって、どう言うことよ。』


ゆかは怒った声であいと話す。


あい『すみません。』


ゆか『すみませんじゃなくて、たくやは知ってるの?』


あいの目が大きく開く。


あい『たくや、たくやは無事なの?』


あいはゆかの両肩を掴む。


ゆか『ゆかがまず聞いてるの。たくやは生きてるよ。たくやは知ってるの?この事』


あい『よかった。生きてて。たくやはこの事知らない』


あいは安堵し、

ゆかから手を離した。


ゆか『よくないって!、たくやは昨日も今日もあんたの事探してるし、ゆかたちは体育館に監禁されたのよ。訳の分からない食べ物も渡され。吉月って言う男には目をつけられるし、なんなのあんたたち!』


あい『今は何も話せない。』


ゆか『なんでよ!』


ゆかはあいを押した。

あいはゆかに押されバランスを崩し

研究室の中にある鉄製のベッドにぶつかる。


ガシャン!!


ぶつかった音が大きかった為、

第三研究室の前の廊下にはスタッフが集まった。


スタッフは扉をノックする。


スタッフ『大丈夫ですか?室長!』


あいは大きな声で

あい『大丈夫!物落としちゃっただけ!入ってこないで!』


スタッフ『かしこまりました。』


あい『あまり騒がないで。きっと、私もあなたも、監視されてるから、、、』


ゆか『なにこれ。あんたそっくりじゃん。』


鉄製のベッドに横たわる

あいにそっくりなロボットをゆかは見る。


あい『イア、人工知能付き人型ロボット』

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イア @yamamotohikaru

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