第2話



研究機関の一員。



とある高校

体育館内


たくや『意味がわかんない。突然襲われて、研究機関の一員です。って。ねぇ、』


隣に一緒にいたゆかをみると、

ゆかは挙手してた。


ゆか『はい。はーい。質問でーす。』


吉月『はい。そこの手をあげている女の子』


ゆか『意味がわかりませーん。』


吉月『意味がわからないとは、具体的に言うと?』


ゆか『具体的と言うか、全て意味わかんない。だってさー、急に襲われて、体育館に連れてこられて、貴方たちは一員ですって言われて、は?意味わかんない。って感じ』


吉月『君はなにを言ってるんだい?僕は君の話してることがわかんない。』


ゆか『うーん、、、そう言われると意味もゆか、理解できない、わかんない。』


周囲の人が一斉にゆかを見た。


ゆか『え、何、何、ゆか間違ってる?』


吉月と、周囲の人はじっとゆかを静かに見た。


ゆかとたくやは目を合わせる。


たくや『なんか、雰囲気おかしいのでは、、ゆか、これ以上やめた方がいいんじゃない?』


ゆか『うん、、、』


ゆか『あ、やっぱなんでもないでーす。忘れてくださいー!質問ありませーん』


吉月は近くのスタッフを呼び何か指示していた。


吉月『では、質問はなかったと言う事ですね。』


ゆか『はーい。すみません。理解できましたー。』



吉月という男が言うには、

どうやら僕たちは、とある研究機関の一員になって、住み込みで明日から働くらしい。

保護者には、学校を通して連絡しており、

同意も得て僕たちはここにいるとの事。

今日はゆっくり休めとの事。

明日配属先が決まるらしい。

ちなみに寝床は、全員男女関係なくここ体育館だそうだ。

元々スポーツの部活の為に、この体育館は風呂、トイレ完備されている。つまり、体育館から一歩も出なくても生活できちゃうわけだ。



吉月という男の話は終わり、

ゆかと歩いていると1人のスタッフが近づいてきた。


スタッフ『吉月さんから、今日は疲れているだろう。しっかり食べて寝なさい。だそうです。』

伝言と一緒に、さっき僕の手元にもあった同じ菓子パンと飲料水を手渡された。


ゆか『ありがとうございます』


スタッフ『一緒にいる方もどうぞ』


たくや『ありがとうございます。』


スタッフは僕たちに食料をわたし去っていった。


ゆか『そういえば私なにも口にしてなかった。お腹減ったし食べよー』


たくや『あ!食べない方がいいよ』


ゆか『えー!ゆかお腹すいたー。』


たくや『その食べ物を口にすると、呂律が回らなかったり、ぼーっとするらしいよ。って友達が言ってた』


ゆか『えー!もしかして、、、だからさっき話聞いてる時、ゆか達以外みんな、疑問になにも思わず、あの男の話、静かに聞いてたの?』


たくや『もしかしたら、、そうかもしれないね。そういえば、あいも、ももえちゃんもどこにいるんだろう』


たくやは周囲を見渡すが、

あいとももえの姿はない。


1人の女性がたくやとゆかの方向に歩いてくる。ゆかの友達さゆりんだ。


ゆか『あ!さゆりんじゃん!』


ゆかは友達をみつけて手を振りながら、向かっていった。


ゆか『さゆりんさゆりん!元気ー?会えてよかったー!』


さゆりん『んー?あはは、えへへ、へへ』


ゆか『さゆりん?』


ゆかはさゆりんの肩を持ち


ゆか『どうしたの?ねぇ!さゆりんじゃないよ!おーい』


急にさゆりんの顔が真顔になる。


さゆりん『誰だよお前、さわんじゃねーよ』


さゆりんはそう言って笑いながら去った。

ゆかは呆然と立ち尽くした。


たくや『大丈夫か?』


ゆか『、、、大丈夫だよ。』


ゆかはの目からは涙が溢れた。

ゆかの足は崩れた。


ゆか『さゆりんもおかしくなっちゃったのかな、、、忘れちゃったのかな』


たくや『大丈夫だよ。ね、きっといつか思い出すから』


ゆか『気持ち切り替えなきゃね、、。クヨクヨしてたらこの変な雰囲気にのまれちゃう。よしっ!ゆか!がんばるぞ!』


ゆかは自分の顔を叩き、

気持ちを切り替えた。







揉めてる声が聞こえてる。


ももえ『ちょっとくらい、話聞いてよ。お母さんに電話したいだけなんだって。』


たくや『ももえちゃん!』


スタッフ『お前の友達か?』


たくや『えぇ、知り合いです。』


スタッフ『こいつ黙らせろ。』


たくや『ももえちゃん落ち着いて』


ゆかが間に入ってくる


ゆか『私が黙らしてあげるから、あんた達は帰って帰って。もー帰って。はいはい。』


ゆかはももえをスタッフか引き剥がし、

スタッフを追いやった。


ももえ『ありがとう』


ゆか『騒がない方がいいよ。ゆかのように、目をつけられちゃう。あ、私の携帯かしてあげよう!』


そう言って、ゆかはポケットをあさった


ゆか『ない。ポケットに携帯入ってない!』


ももえ『携帯や私たちの私物はほとんど没収されてるわよ。』


たくや『ももえちゃん、大丈夫?』


ももえ『大丈夫じゃないよ。私の母体弱いから心配で、連絡取りたかったの。でも、、、無理そうね』


ゆか『私たちどうなるんだろうね。あ、ゆか、ネガティブなこと言っちゃった。』


たくや『家に帰れるのかな』


ゆか『とりあえず、今日は3人で寝よう!!』


ぐー。ゆかのお腹がなる。


ゆか『あ、お腹なっちゃった。ゆか、朝から何も食べてないんだった。おなかへったぁぁぁ。』


ももえ『はい。助けてくれたお礼』


ももえはポケットから飴を取り出して、

ゆかに渡した。


ゆか『え!なんで!?いいの?』


ももえ『私お菓子大好きで、普段からポケットにたくさんつめこんで。たまたまポケットに少しだけど入ってたの』


たくや『昔からお菓子好きなのは変わらないな』


ゆか『おー!え?お二人は知り合いなの?』


たくや『あ、うん、幼馴染』


ゆか『へー。(ニヤニヤ)』


たくや『なんだ。なんにもないよ。』


ももえ『たくやくんには、あいさんがいるもんね』


ゆか『そうだ。あいちゃん、どこにいるんだろうねー』


たくや『明日また探してみるよ』


時計は夜12時を指そうとしてた。


ゆか『今日は3人で寝ちゃう?(ニヤリ)』





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る