イア

@yamamotohikaru

第1話 

ここは、

日本のとある島、

とある高校、

校舎の裏。


季節は初夏、

晴れ。


一人の男の子と一人の女の子がいる。



あい(女)『ごめんね。急に校舎裏に呼び出して。』


重々しい雰囲気が漂ってた。


別れ話かな、、、


たくや(男)『大丈夫だけど、どうしたの?』


あい『あのね、、』


たくや『うん?』


あい『お願いが、、、』


校舎から悲鳴が聞こえる。


たくや『どうしたんだろう?(校舎を見ながら)』


あい『お願いがあるの!』


校舎から『だれかー!助けてー!』

泣き叫ぶ声も校舎から聞こえる。


たくや『お願い?』


校舎から『逃げろー!』


あい『私を、助けて』


たくや『助け、、、』


たくやは誰かに頭を強く殴られる。

目の前が暗くなっていく。


あいが目の前で叫んでる。


あいは複数の男の人に囲まれてる。


助けなきゃ。


たくや『(あい、なんて言ってるの?)』


たくや『(聞こえない)』


たくや『(ねぇ、なんて言ってるの?)


目の前が真っ暗になった。








たくや『(何時間僕は寝たんだろう)』


目を覚ますと、天井が見たことのある光景だった。起きようとしたが、頭を殴られた部分が痛い。


たくや『ここは、確か、、』

隣にいる学生が声をかける。

ももえ『体育館だよ。』

たくや『ももえちゃん?』

ももえ『お話しするのは中学校以来だね。たくやくん。』

ももえちゃんは、幼稚園からの幼なじみ。

たくや『そうだね。同じ高校に進学したけど、クラスも別だったから今まで会話とかしなかったね、、、』

ももえ『私達、拘束されてるみたいだよ』

あたりを見渡すと、出入り口には、

ガタイの良い、怖そうな人が配置されていて、ぼくらを監視しているようだった。

ももえ『あ、手元にある菓子パンと飲料水、口に含まないほうがいいかもしれないよ。』

たくやは、手元を見ると、菓子パンと飲料水が用意されていた。

たくや『どうして?』

ももえ『さっきから、他の人を観察してると、口に含んだ人は、呂律がまわんなかったり、放心状態になってる人が多いんだ。』

たくや『どうして?』



そこに人がやってくる。

同じクラスのゆかだ。

ゆか『たくやじゃん!!無事?』

ゆかはクラスの中でちょっと目立つ明るい女の子だ。

たくや『ゆかちゃん!頭が痛いけど僕はとりあえず無事かな?』

ゆか『よかったー!ゆかさー、知らない男の人に黒い布被されて、気づいたら体育館で、しかもみんなちょっと雰囲気おかしな感じじゃん、だからびっくりしちゃってー、まともな人いないかなーって思ったらたくやじゃーん!って思って。来ちゃった。』

たくや『無事でよかったね。ゆかちゃん、こちら、隣のクラスの、、、あれ?どこか行っちゃった。』

ゆか『誰かといたの?』

たくや『さっきまでここに、、、』


隣にいたももえちゃんはどこかに行ったようだ。


体育館に設置されている監視カメラが、

2人を捕らえる。



管制室


画面がたくさん並んでいる。


数名のスタッフがそれぞれの画面を見て監視しているようだった。


モニターに映るゆかとたくやをみるあい。


あい『無事でよかった。』


ほっとすると、

後ろから声が聞こえた。


声をかけてきたのはあいの兄だった。


あいの兄『マウスの心配してどうする』


あいは表情を変え


あい『別に、マウスの心配はしてないわ』


あいの兄『そうか。ならよかった。情がうつるとめんどくさいからな。』


あい『そうね』


あいは兄との会話を早々に切り上げ管制室の部屋を出た。



一方体育館では、

講演か何かが開かれようとしていた。


ゆか『何か始まるのかな?』


たくや『何が始まるんだろうね。あ、そうそう、俺の彼女見かけなかった?』


ゆか『あい?うーん。そういえばみてないなー』


1人の男が登壇する。


吉月『みなさーんこんにちは。私は吉月といいます。ここにいる皆さんは、今から私たちの研究機関の一員です。』


体育館内ざわつく。


たくや『研究機関の一員?』





僕たちの高校生活の夏は突然奪われた。

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