第10話 人間をやめた奴ら
マーメイド共との戦い、第二ラウンドが始まった。
やって来て欲しくなかった日が、遂にやって来やがった。
ボクみたいな可愛い乙女をなぜ戦火の中心に立たせるのか、こんな作戦を立てた野郎の顔が見てみたいよ。非力で臆病なボクじゃ、人どころか虫一匹も殺せないのにー。人間得意不得意ってものがありまして~、それを理解し、適材適所に人材を配置するのが、軍を纏める人の役割なんじゃないですか?
という言葉の鎧で身を包んで、ボクは戦いの場から離れる。仲間の視線なんか気にしない。
―話を変えよう。
戦場は、海辺の砂地―敵のホームグラウンド。
彼方の戦力は、マーメイドの兵士が百数名。
対して此方の戦力は、第四部隊のメンバーとボク―十数名のみ。
普通ならば撤退すらも許されないほどの、圧倒的な戦力差。
―しかし、それすらも覆す、圧倒的な個の力。それを第四部隊は持っている。
第四部隊は、シェルターで眠っていた、古代の遺産とされる人物だけで構成された部隊だ。
古代の遺産とされる彼等―まぁボクもだが―は、この時代を生きる人々にはない能力を持っていることが多い。
例えば、古代の遺産と呼ばれる者達の一部は、人類には扱えないとされている魔法が使える。
魔法を使えば、森に道を造り出せる、渓谷に橋を造りだせる―魔法使いが一人いるだけで、戦場の常識は大きく変わる。
戦場の様子を見ると、どうやら我々の圧勝のようだ。
剣で、槍で、斧で、拳で、炎で、氷ど、雷で―各々が自分の得意とする武器、魔法を用い、立ちはだかる敵を薙ぎ倒す。
―ボク、この戦場に必要なくね?帰るか―
「―ごめん、手荒な手段を使うね。」
と思っていた時、ボクは口元を布で覆われた。
睡眠薬を吸引してしまい、ボクは意識を手放した。
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