第3話 専用装備と初陣
頼んでいたものが出来あがったようだ。
セバスから、例の装備を受け取る。
渡されたものは、鈍く黒く輝くスナイパーライフルとハンドガン。そして、パーカー、ハーフパンツ、ソックス風に作った黒色に統一した装備だ。
…少し、受け取った装備の詳しい解説をしよう。
狙撃銃の名前は『ミッドナイト』。
超長距離からの狙撃、音の無い暗殺が出来る、サイレンサー付属ボルトアクション式の狙撃銃。
拳銃の名前は『ゴースト』。
これも射撃音を抑える仕組みを備え付け、暗殺性能を上げた。反動も少く、非力なボクでも使いやすい。
因みに、ボクに支給された服は大量生産品じゃなくて特別性だ。何故ならボクの身長に合う服が支給品にはなかったからな!
…数日後
今日は初出陣の日。ボク達第十部隊は予定通り後方支援となった。
後方支援と言っても、救護や運搬、狙撃など、種類は沢山ある。ただ、非力なボクは重い物を持てないし、医療の知識もない。
よって、ボクは狙撃班に所属することになった。
戦場の近くの丘から、ミッドナイトに取り付けられたスコープを通して、戦場を見渡す。
平野に群がる獣耳の集団。敵さんの人数は、ざっと二千、三千かな?
対してこちらは重装備で身を包んだ集団が三千人程。
数は互角。地の理と装備品はこちらの有利といったところか。
ジリジリと、最前線の部隊が進軍しているのが見える。
お互いの最前線が相対したとき、戦いの火蓋が切られた。
獣人達が迎撃を掻い潜り、一気に距離を詰めてきた。
そして獣人の鋭い爪が、彼等の重装備を抉り、致命傷を与える。彼等の大振りな一撃は、獣人特有の華麗なステップで全て避けられてしまえようだ。
流石の身のこなし。これが、厳しい戦乱の世を、己か肉体のみで乗り越え、生き延びてきた者達か。
そろそろボクの出番か。ボクは銃の照準を一人の獣人に合わせ、引き金を引いた。
放たれた弾は一人の獣人の足を穿ち、体勢を崩させる。
別に頭を、即死を狙わなくていい。腕を、足を、奴等の機動力を削げればいいのだ。それを奪われた奴等は我々にとって驚異ではない。
陣形の崩れた獣人に向けて、ボクは、ボク達狙撃班は続けて、一発、二発と弾を放つ。
近代的な武器を駆使して戦う我々に対し、己の肉体を信じ、体術だけで戦う獣人達。
森の奥での一対一なら獣人達に勝ち目があるのかもしれないが、平地での集団戦なら話は別。
敵の攻撃が届かないところから、一方的に狙撃が出来る我々が負けるはずがない。
獣人達は不利だと感じ、撤退を始めだす。
初陣はボク等の勝利で終わった。
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