第2話 面会

 第十部隊隊長との顔合わせの日となった。


 ボクは扉をノックし、隊長室に入る。

 中を見渡すと、そこは他の部屋とは違い、少し豪華に作られており、大量の資料が納められている本棚など、軍備に必要な物が大量にあった。


「君が新人ながら一等兵のNoAちゃんねぇ」


 女性の格好をした厚化粧の男性がそういう。この人が隊長…なのか?


「私は第十部隊隊長のクレイよぉ。私と面会ということは、何か聞きたかったことがあるのよねぇ?」


 クレイと名乗った人物が、続けてそう言った。

 ボクは懐から、ボクの聞きたいことを纏めて記述した紙を渡す。


…え?なんでわざわざ紙に書いて読ませる、なんていう回りくどいことをするのかって?普通に話せばいいじゃないかって?


 ボ、ボク別に人前で話せないコミュ障じゃないし!

 セバスはボクの心情を読んでくれてたから、ボクが話さなくってよかったからどうにかなったけど、実は人前ではキョドフになって話せないとかじゃないし!


…話を戻すと、紙に書かれている内容は主にこうだ。


 1、この軍団の役割は?

 2、次の出陣はいつ?


「この軍団の役割ねぇ、一言でいうならば、暗部かしら。暗殺、諜報、偵察などなど、表だって出来ない影の仕事を色々と行っているわ。

 他の部隊と隊列を組んで出陣するときは後方支援を主にするわね。」


 この部隊に配属されている間なら、ボクが前線に配属されることはなさそうだ。

 非力なボクが前線で戦うとか向いてないし、死ぬリスクが比較的少ない部隊に配置されて良かった。


「次の出陣はねぇ、獣人族の進行を止めるために、二週間後に行くことになるかしらぁ。」


 クレイが続けてそう言う。


 二週間後か、ボクが頼んだ武器の製作が終わっていればいいんだが。

 ボクは聞きたいことが終わったので、彼に礼をして退出をした。





 次の出陣である二週間後、それによって今後、ボクはどうするのかを考えよう。


 ここから、責務から逃げるか、ここに残って戦い続けるかを。

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