第十章 藤堂不妃の場合4
樹里亜ちゃんは可愛かったなー。
もうツンケンしてるのがたまんない。一年の中でも狙ってたんだよね、あの子。お子様体型なんだけど、わたしロリでも結構イケる質。だから向こうから近づいて来てくれたのは好都合だった。
実はあのファミレスで、わたしの性癖を知ってるぞ、と、暴露されたことは却って都合が良かった。
他の子も一緒なんだよ。
始めの内は警戒すんの(寧々とかね)。
わたしがそういう人だって事前に知ってるかどうかでハードルは大きく変わる。性癖打ち明けるのってわくわくするけど、まあ、正直面倒臭いって言えば面倒臭い。
けど、そういう考え方もあるよねってある程度理解させて、お互い心を許した風を装いつつ、タイミング見て二人っきりになったりすると、結構簡単に堕ちてくれる。樹里亜ちゃんの場合、ドラムセット問題があったし、自然と二人きりになれたしね。
だんだん素直になっていく過程がね。面白くって。気を保たせてたな。プレゼントとかしてみたりね。買ったっきり全く着てなかった革ジャンとかあげたり。
それと、樹里亜ちゃんの前でだけ、わざとらしく関西弁使ったり。普段みんなと一緒にいる時は使わないの。樹里亜ちゃんといる時だけってのがコツ。特別感出す為の演出の一つ。効くんだ、これが。
てかぶっちゃけて言えばわたし生まれがそっちってだけで関西弁使えないし。
手は出してない。
文化祭の、その後のことがあったからね。気まずくなるのは分かり切ってたから一応警戒しといて。迂闊に手は出せなかった。今思えばもったいないことしたな。
お尻くらい触っとけば良かった。
円とのお遊びで始めたつもりが急速に五人になった。これじゃあ完全にバンドだ。
それでもわたしはやることにした。
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