第36話 魁!〇塾
『ピコーン!人類初パーティーにてモンスターの討伐を確認しました。スキル《アイテムボックスEX》を賦与しました。』
『ピコーン!千歳ダンジョン初モンスターの討伐を確認しました。スキル《マッハパンチ》を賦与しました。』
『ピコーン!レベルが上がりました。』
「「「!?」」」
どうやら3人とも同じ事が発生したたみたいだ。
「何今の?」
「聖剣召喚と聖属性魔法が賦与しましただって。」
「勇者か!」
「ふぇ~私は眷族召喚と闇属性魔法だったよ~」
「魔王かよ!」
サダチカが勇者であずきちゃんが魔王...私は...
「芽依ちゃんは何だったの?」
「.........アイテムボックスとマッハパンチ......」
「へ?.........マッハパンチ?」
「ジェイ?...」
「.........」
「くっ黒川さん?」
「芽依ちゃん...」
「日本男児の生き様は 色無し 恋無し 情け有り 男の道をひたすらに 歩みて明日を魁る 嗚呼 男塾 男意気 己の道を魁よ 嗚呼 男塾 男意気 己の道を魁よ~♪」
「どっどうしたの黒川さん!いきなり変な歌を歌い出して、ってあなた泣いてるじゃない!そんなに塾に行きたいの?勉強がしたいってこと?」
「千佳ちゃん...歌わしてあげて。」
「なんであずきまで泣いてるのよ。」
「......ワーイ〇塾にはいれるぞーヨカッタナーウレシイナー..............オラァ!!スライムゥ!!出てこいや!!勇者、魔王と来てなんで私だけ〇塾やねん!!オラァ!スライムゥゥゥゥ!!」
「ちょっ黒川さん!?一人で先にいったら危ないわよ!」
「!?見つけたぁぁぁぁ!!お望みの渾身のマッハパンチじゃいぃぃ!!」
先程と同じ大きさのスライムを見つけすかさず近寄り、覚えたてのマッハパンチを連打で打ち下ろす。
流石に一秒間に片手で16発とまではいかないまでも、両手で20発くらい繰り出せた。そのせいかモヤモヤした気持ちは見事に吹っ飛んだ。
このスキル結構私向きかも...スライムもあれだけ打ち下ろしで打撃を食らえばダメージを分散することもできず、溶解する間もなくサクランボのような大きさの石を残して飛散した。
「ふぅ~ちょっとスッキリしたわね。ってかホントにパンチが速く繰り出せるわ。この化け物といいどうなってるのかしら?」
「ちょっと~芽依ちゃん先に行くと危ないよ~」
「ごめんなさい、ちょっと我を見失ってたわ。」
「黒川さん!手出して!」
「ん?何?シッペ?だから先に行って悪かったって!」
「違うわよ!少し爛れてるでしょ。たぶんうまく行くと思うんだけど......《ヒール》」
「「おお!」」
サダチカが両手で私の手を包み込むように添えて呪文を唱えると、柔らかい光が手を包み込み少し痛みが和らいだような気がした。
「ふぅ~終わったわ!」
「若干痛みが引いた気がするけど、もっと治るもんじゃないの?これだったらオ○ナイン軟膏とあまり変わらないよ。」
「そこは要練習よ!初めてなんだからこんなものでしょ。」
「そういうものかしら、でもありがとうサダチカ。それにしてもあなた色々と詳しいわね。」
「今はラノベでそういう話が多いからね。恐らくこの洞窟はダンジョンよ!そしてさっきの頭の中で起きたことは初回特典ボーナスみたいなもので、それを得られたのだからかなりラッキーよ!」
「マッハパンチでも?」
「えっええ...恐らく...たぶん...でもアイテムボックスは超定番中の定番の有用スキルよ!」
「そうなの?でもマッハパンチも使ってみて使い勝手が良さそうだし、何より爽快だったわね。ジェイの気持ちが少し理解できたわ!」
そう言いながらスライムによって胸元が溶かされたジャージをアイテムボックスに入れと念じる。
「凄い!消えたわ!」
今度は足下に落ちているサクランボ大のスライムの心臓を入れてみる。
「どれくらい入るのかしら?」
「黒川さんステータスって念じてみて。」
「!?」
⚫
⚫種族 人間
⚫レベル 2
⚫体力 270/300
⚫魔力 120/120
⚫力 110
⚫防御 100
⚫技量 280
⚫俊敏 250
⚫スキル アイテムボックスEX(20×20×20m) マッハパンチLv1
⚫状態 良
⚫
⚫種族 人間
⚫レベル 2
⚫体力 130/130
⚫魔力 70/80
⚫力 60
⚫防御 50
⚫技量 60
⚫俊敏 40
⚫胸囲 90
⚫スキル 聖剣召喚 聖属性魔法
⚫魔法 聖属性魔法【ヒールLv1】
⚫状態 良
⚫
⚫種族 人間
⚫レベル 2
⚫体力 110
⚫魔力 90/90
⚫力 70
⚫防御 50
⚫技量 50
⚫俊敏 30
⚫スキル 眷族召喚 闇属性魔法
⚫魔法 闇属性魔法
⚫状態 良
「千佳ちゃん...」
「スダチカ...」
「なっなんで私だけ胸囲が記載されているのか謎だけど...90もないわよ!88だったはずよ!」
あずきちゃんと目配せをして、ステータスを眺めているスダチカの後ろに廻って羽交い締めにする。
「とぅ!今よ魔王様!」
「よくやった芽依ちゃん!さすが我が幹部!ここから邪悪なオーラーを感じるぞい」
「わっ何々?くすぐったい!ちょ止めっ!ふぁあん!」
「うりゃりゃりゃりゃぁぁぁ~!もげろぉぉぉぉ!」
「マッハモミモミじゃぁ~!」
・
・
・
「はぁはぁ勇者破れたり!」
「流石魔王様!いい揉みっプリでした。」
「はぁはぁもう!何なのよ!また大きくなっちゃうじゃない!」
「「グハッ!!」」
「何?どうしたの?」
「魔王様...私もうHPが残り僅かです...」
「芽依ジェイ......パタッ」
「芽依ジェイって言うな......パタッ」
「ちょっと何なのよ!何で倒れてるのよ!って周りスライムだらけじゃない!黒川さん足!靴溶けかけてるわよ!」
「なに!?」
私たちがアホな事をしているうちに、周りにスライムたちが集まってきて、その内の一匹が私の足を溶かさんとしていた。
コイツら私のジャージでは飽き足らず靴までも食おうとしてくるとは、合計で三万近い出費だぞ!
「こんのぉ!マッハパンチ!」
「わっ私も!地獄の業火に身を纏いし我の眷族よ、その姿をこの世に現し我に仇なすものに地獄を見せるのだ!出でよ!地獄の番犬ケルベロス!」
「「「......」」」
何も出てこない。あずきちゃんは中二病な呪文を唱えて手を高く挙げたまま、顔を真っ赤にして硬直してプルプルしている。やばい!めっちゃ可愛い!
「......《眷族召喚》(ボソッ)」
ボソッと放たれた詠唱によりあずきちゃんの前に黒いか溜まりが出現し、そこから何やら生き物らしき者が這い出てくる。
あずきちゃんの放った《眷族召喚》によって召喚された眷族は全身黒い毛並みのチワワサイズの犬だった。
「ワン!」
「......あすき魔王さん?」
「......」
「今度は私よ!《聖剣召喚》!」
サダチカの手元が光輝き現れたのは見事な装飾を施された1本のナイフ...
「ちっさっ!」
「こら!あんた達!ちゃんとやりなさいよ!」
そうしている間にもジワリジワリと20匹近いスライム達が私達を取り囲むように近付いてきている。
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