第15話 いざダンジョン攻略へ
アルカプルル討伐後3日間意識なく過ごし、目覚めて更に寝そべりながら4日間、計1週間危険が蔓延るダンジョンで横になって過ごすと言う偉業を達成して、これだけで何かスキルが附与されるんじゃないかと期待したが、どうやらダンジョンコアはこの偉業はお気に召さなかったらしい。
だがその間ひたすら生肉を食べて、魔法に明け暮れたので各種魔法関連のスキルはかなりレベルアップした。
・魔力 2900→3100
・魔力操作 Lv4→5
・無属性魔法
魔弾 Lv1→3
身体強化 Lv2→3
金剛 Lv1→2
幻手 Lv1(new)
・水属性魔法
ウォーターボール Lv1(new)
ウォーターカッター Lv1(new)
水流操作 Lv1(new)
アクアヒール Lv1(new)
水操作 Lv1(new)
アルカプルルの持っていた水属性魔法は全て覚えることができ、更に念願の回復魔法である《アクアヒール》も覚えることができた。体力や傷を少し回復するといった《回復EX》を所持する俺には微妙な効果だが、Lvを上げていけば戦闘中の負傷や今回のような《回復EX》が追い付かない様な大ケガの時も役立つに違いない。
後は無属性魔法が全て1づつ上がり、更に幻手と言う新しい魔法もゲットした。これはラナ・ダーファングに食べられた左腕を魔力で模した物だ。力は右手に比べるとかなり劣るし、細かい作業も今は無理だ、だがこれの一番の特徴は魔力を少なく込めると殆ど無色で視認出来ない事だ。止めの一撃にはならずとも、虚を突く事はできる攻撃だ。積極的に使ってLvを上げて行こうと思う。ただ、ローニャンの様に魔力関知を持つ相手には視認出来るらしい。
更に《魔力操作》のLvが上がったことにより、《魔弾》も五個までなら同時に発現させることに成功した。又直線で当てたいときは《魔弾》を流線型にして回転を加える事によって素人ピッチャーからオオ○ニサーン位までスピードを上げることが出来た。だがアルカプルルが使っていたような誘導弾は自身が止まって目標物を意識して集中すると何とか追ってくれるが、戦闘をこなしながらではまだまだなので実践投入はもう少し練習が必要なようだ。
休憩の時間にローニャンの指導のもとで、ラナ・ダーファングの毛皮を鞣すことをに成功した。ラナ・ダーファングの毛皮を同じラナ・ダーファングの脳ミソを水で溶いだ物を使うという一見悪魔の所業にも思える作業も、古くから伝わる方法らしく、出来上がりは見事なフカフカで強靭な毛皮が出来上がった。
ボロボロのホットパンツみたいになってしまったジーンズとパンツを脱いで地底湖で10日ぶりの水浴びをする。ついでにパンツも一緒に地底湖に放り込み、水流操作で激しい渦潮を作り一緒に洗われる。
途中でローニャンが『聡一郎が1番小柄なんですね』などと俺の自尊心を挫く事を言っきたので、種族が違うからなとか固さが大事とか回復EXで何回も出来るし、等と言ってると段々自分が悲しくなってもうこのまま流されようと、自分で作った渦潮に溺れかけるという小事もあったが、何とか体の方は怪我も治り全快と呼べるほどに戻った。
ホットパンツはもうズボンの体を成していないので破棄して、ラナ・ダーファングの毛皮を二つに切り分けて両方から袈裟懸けに着て腰でベルトで固定する。うん、原始人だな。ローニャンはマントの様に着るように進めてきたが、それだと風になびいたり戦闘時に構えるだけで全裸が晒されていまい、見栄え的にも防御面でも大変良くなかったので却下しておいた。
「よし、行くか!」
『はい、ご主人様。』
再び長い階段を下りて地下2階層の一部屋目に辿り着く、ラナ・ダーファングと死闘を繰り広げたのが随分前のように感じる。
「臭いな。なんだここは?」
『どの口が言うんですか?全く、ファイティングウルフ達からすれば一家は皆殺しされるわ、棲みかに激臭物を置いて住めなくされるわでとんでもない野郎ですね、ご主人様。』
「それを言うなローニャン、彼女らもそうやって何かの命を頂いて生きてきたんだ。今回はそれ逆になっただけだ。俺も調子に乗ってへまをすればそうなるんだ。だから俺は感謝してお肉を頂いている。」
『何カッコつけているのですか?生肉ヤダーってあれだけ喚いてたのに、それに感謝して頂いているんのなら、ちゃんと聡一郎ズも頂いて下さい。』
「それはやだ!って勝手に俺の息子を仲間にするんじゃないよ。でもこれからは何回もこういうことが続くけど、嫌だったらスキルをオフにして引きこもってても良いんだぞ。」
『嫌ですよ、ご主人様の苦悶の表情を間近で見るのが私の楽しみの一つでものあるのですから。』
コイツ悪びれもせず本性出してきやがった。やっぱりドSじゃねぇか!
臭いラナ・ダーファング達の棲みかを出てまた薄暗い通路に入るも、暫くもしないうちに眩しい光が見える。出口か。
「なぁローニャン、やっぱり3ヶ月位は掛かりそうか?」
『何がですか?ご主人様。』
「いや、最下層に辿り着くのがさ。」
『そう言えばアルカプルと戦う前もそんな世迷い言いっておられましたね。ですが惜しいですね。』
「世迷い言なのに惜しいの?惜しいのか惜しくないのかどっちなんだよ。」
『前も言いましたがご主人様は勘違いしておられるようです。』
「勘違い?」
『四川ダンジョンはモンスターの強さから見てわかる通り、強者がひしめき合う最上級ダンジョンなのです。それがご主人様が迷い混んでしまったせいで途中で階層を増やすのやめてしまったのです。そうすると本来階層を増やすの使うはずだった膨大なリソースは何処へ使われたのでしょうか?それは増やせないなら広くすればいいと言うことで、四川ダンジョンは階層は少ないですが広いのです。』
ローニャンの耳障りの良い声での説明を聞きながら出口に到達する。ずっと薄暗い中での生活だったので光が眩しい。目を開けてられない。
『先程私が惜しいと言ったのは3という数字だけです。』
徐々に光に目が慣れて眼下に広がる景色が飛び込んでくる。
「なっ!なっ!!」
出口のあるそこは切り立った山の中腹だった。そして眼下に広がるのは連なる山々、その間を通る川、生い茂る木々、そして遥か向こうには地平線。
『私の計算ではご主人様が順調に攻略を進められて、最下層に到達するするのは約3年位かと思われます。』
「何じゃコリャーーーー!!!!!」
『ご主人様ようこそ四川ダンジョンへ。さぁ行きましょう。』
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