第11話 魚人オアンネス
まず餌は狼男のチ○コでいいだろう。針は無いけどあそこまで盛大に跳び跳ねるのならその瞬間を攻撃できればオアンネスを狩れるんじゃないかと考えたのだ。だが、その為には《魔弾》を使える事が必須なのだが...どうにか俺はそれを欠損した左手で打ちたい。
攻撃も防御も半分以下の能力に落ちてしまった俺の哀れな左手にサ○コガンの様な事が出来れば、これからの数多のモンスターとの戦闘にも切り札となりうるのではないだろうかと考えたのだ。
イメージはサ○コガン、イメージはサ○コガン、イメージはサ○コガン
丹田に意識を持っていき、そこから絞り出すように魔力を左腕先に溜める。確かにうっすらと半透明なオーラの様なものが見える。これが魔力か。
そして溜めた魔力を一気に放出させる。
勢いよく放たれた魔弾は時速100km程のスピードで50m程離れた壁に着弾するも、特に壁が壊れたような様子はない。
《ピコーン!スキル『魔弾Lv1』を習得しました。》
『素晴らしいですご主人様。一回で魔弾を習得されるとは。』
「アレで良かったの?」
『ええ、威力はレベルが低いのでアレですけど、他は申し分ないかと。』
「う~ん......」
『何かおきに召しませんでしたか?』
「威力は追々上げるとしても速度がな。」
『通常の魔弾はあの程度ですが...』
「う~ん......」
ステータスで消費魔力を確認するも消費したのは20、と言うことは30発近く撃てるのか結構低コストだな。これで威力と速度をどうにか出来れば狩りが大分楽になりそうだが、今のままではあまり使い物にならないな。
《魔弾》は追々強化していくということで、他の無属性魔法も試すか。再び丹田に意識を持っていき、そこから水が浸透するように全身の筋肉に魔力を浸していく。そこから魔力を固めるように凝縮させて固いゴムをイメージする。
「ふぅ~これは凄いな。」
《ピコーン!『身体強化Lv1』を習得しました。》
水際から壁までダッシュで駆けるも50m程の距離が5秒も掛かってないくらいだろう。そこから2mジャンプすると同時に蹴り上げを放ち、空中で一回転して着地し、そのままバク転を繰り返して元の水際まで戻り魔法を解く。
「あいたたた、あの動きだけでもう筋肉痛が、これも要練習だな。」
この《身体強化》は反動が激しい上に魔力コストも魔弾に比べると遥かに高かく、一回の使用に100消費されていた。しかし、これから先ファイティングウルフより強いモンスターばかりなのだから、是非ともこれも練習していかないとな。
後、この魔法はカロリーコストも高いらしい。お腹が減った。刺身が食べたい。
「取り敢えず餌だけ撒いとくか。」
アイテムボックスから狼男のチ○コを取りだし、あまり持っていたくないので速やかに地底湖に放り投げる。
「ローニャン、さっきのオアンネスが来たら教えてくれ。」
『畏まりましたご主人様。しかしどうやって狩るのですか?《魔弾》もあの威力では恐らく少し傷を負う程度で逃げられてしまいます。聡三郎も無駄に命を散らしては可哀想です。』
「魔法もまだまだ実用段階ではないけど、今回はこいつで倒してみるよ。多分いけると思うけど、無理だとしても逃げられるだけだからな。後、ローニャンが無類のチ○コ好きなのは解ったから、語呂も悪いのに無理やりチ○コに俺の漢字を一文字入れるの止めてくれるかな。」
そう言ってアイテムボックスからナイフを取り出す。
『なっ訂正を所望します!私はそんなアバズレではございません!心外です!私はご主人様がこれから先の戦闘で、無理やりくわえさせられる事があっても心惑わずに冷静にくわえれるようにと鑑みて、今のうちから慣れ親しんでもらおうと食すのを進めたり、ご主人様の聡の字を付けているのです。早く訂正してください!』
「ごめん、ちょっと何言ってるか解んないわ。」
『ぐぬぬ...訂正を...』
「ハイハイ、ローニャンは名前を付けたくなるほど男のイチモツに興味津々で、夜な夜な妄想に耽っている様な子ではありません。」
『ご主人様!!全然訂正されている気がしません!!』
「ローニャン!俺はモンスターの反応がするまで、このダンジョンの最下層に到達するために必要な《魔弾》の練習を行う。ローニャンの言っているそれは俺の練習より大事なことなのか?」
『大事です!乙女の尊厳はこの世界よりも大事なのです。さぁ土下座して訂正してください!』
この子世界と天秤にかけてしまったよ、そんなに大事な尊厳をもう結構自分で貶めてるような気もするが。
「はぁ分かったよ、ローニャンは清く正しい純潔乙女です。俺の事を思い卑猥な言葉を連発しました。けしてエロい訳ではないです。勘違いしてすいませんでした。ってこれで良いだろ。」
『......土下座...』
「するか!!」
俺の尊厳が軽すぎだろ。
その後、まだブツブツ言ってるローニャンを無視して、胡座を組み《魔弾》の考察を行う。ローニャン曰く殆どの放出系の魔法は手を翳して放つそうだ。そもそもそれが放出系の魔法の既成概念として定着してるせいで、あの分散された威力と微妙な速度になってしまっているのではないだろうか。俺は失った左手で魔弾を打ちたいと考えたがそもそも魔法を使うのに片腕がそれに取られてしまうのは、仲間が誰もいない俺にとってはかなりの痛手になってしまう。
魔法は自分の手から離れればもう意志の介入の余地はないのだろうか?いや、ローニャンは魔法は想像力とそれを維持する集中力と言っていたな。もしこれが成功すれば、ソロの俺にとってはかなりの戦略の幅が広がるんではないだろうか。
胡座を組んだまま、意識を丹田に持っていき魔弾を作成する要領で、魔力を左肩に持っていく。そこから魔力を丸めながら形を崩さないようにジワジワ体外に押し出す。中々押し出す行程が上手くいかなかったり、勢いよく噴出され過ぎて飛んでいったりして一時間ほど奮闘していると、肩から出た魔弾がそのまま肩に乗り続けた。
おっ出た!けどすぐ落ちた!
左肩から出た魔弾は形こそ球状を保ってはいたが、3秒位肩に乗り続けたがそのまま肩を滑り床に落ちて弾けた。
『.........ご主人様、今のは何ですか?』
「何って《魔弾》だけど」
『飛んでませんけど...』
「そういう《魔弾》もある。」
しかし、魔法を使うときに空腹だと集中が乱れてしまうな。
『ご主人様、魔力を感知しました。再び湖からです。直線距離にして250m程離れたところをウロウロしています。魔力の大きさからして先程と同じ個体かと思われます。』
「よっしゃ!ローニャン距離が20m位になったら教えてくれ。」
胡座を解きナイフを手に取り、準備運動を開始する。
『本当にナイフで倒すんですか?聡三郎が浮いているのは結構水深があるところですが...』
「まぁ魔法がまだまだだからな、これで仕留めるしかないだろ。」
『いい忘れてましたがオアンネスは水の賢人と呼ばれていて様々な水属性の魔法を使います。このダンジョンの水棲生物ではそこそこ上位に入ります。それでもやりますか?』
「まぁダメだったらすぐに逃げるから、いくら何でも魚なんだから陸には追ってこれないだろ、信じて待つのもメイドの嗜み...ってかローニャンって何なの?従者?メイドではないよな。」
『一応愛玩ペットの地位を狙っていますが。』
声だけのペットとは、それはそれで斬新だな。
『来ますっ距離20!』
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