安全者間距離と至近距離
日々の
なんというか、孤独じゃないっていいですね――すみません。強がってましたがぼっちで嫌われ者でいることで予想以上にメンタル削られていたみたいです。
件の『おにーさん』が「匿名希望」であることに乗っかって、事情を打ち明けそびれたままで『女子生徒A』として会っています。(え、いかがわしい意味はないですよ)
お年頃の女子としては、出会ったばかりの男性に警戒すべきと思わないわけではないのですが――最初の時のいい話
というか、ですね。『おにーさん』はわたしとの間に距離をとっているのです。物理的に。
どうも極力、体に触れないようにしているらしく、え、そんなに嫌われてる……?と一瞬、地の底よりも深く落ちこんだのですが、
「あのな、うかつに触っていいわけないだろうが。そのくらいの良識はあるんだよ」
と素っ気なく言い捨てた時の首筋のあたりがうっすら赤く染まっていたようだったので、それ以上の追求はやめて浮上することにしました。
うん、なんかわたしのポジションは「拾われた小犬」的な印象です。
雨に濡れててほっとけなくて、ついつい……みたいな。
ともかく同情でもなんでも、つけこめるところにつけこんでしまえとばかりに無邪気なふりで足しげく通いつつ、作業のお手伝いをかってでて勤しんでおります。(
貧乏伯爵家ですから、農繁期の人手の足りないときの手伝いだったり、目ぼしいものがなにもないので庭師や下働きにくっついて回るのが遊びだったりするそんな子ども時代だったのです。
ティールームでカップ片手におほほ、うふふ、よりは正直、こちらのほうが落ち着きます。
制服が汚れないようにと見かねた『おにーさん』が貸してくれるうわっぱりをはおって、外ボウキをがっさがっさしてると、仕事してるわ!という充足感があります。収入にはならないけどね!
もう一方の
突撃して、
ふと気がつくと、至近距離。
ふと気がつくと、頭なでなで。
ふと気がつくと、わたしの髪をひと房、手にとり――自分の口元にそえて微笑んで。
同性同士とはいっても、巷の恋物語の
敵は
こんなの勝つる気がしません――
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