145字小説「駆け出しのAI」

吟遊蜆

駆け出しのAI

 私の自動車にはAIが搭載されている。私はその実力を試すように、崖の手前に差しかかったところでAIへ指示を出す。


「アホクサ、ブレーキかけて」

「はい、かしこまり」


 すると自動車のブレーキが、脱兎のごとく駆け出した。私は奈落の底へと沈みゆくマイカーの中で、この文章を書いている。


 アホクサに漢字は難しい。

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145字小説「駆け出しのAI」 吟遊蜆 @tmykinoue

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