第5話

「何で俺んち、知ってるんだよ」


「昨日、私と別れた後、すぐここに入っていったじゃん」


どうやら、彼女は俺が家の中に入っていくをの見たようだ。



「名札の苗字もあなたと一緒だったし・・・」


「・・・」


(今度から、誰かと別れるとき、フェイクを入れるか・・・)


彼女の行動に、俺は頭を悩まされる。


ーーーーーーーーーー


「というか、なんでウチに来たの?」


自転車を漕ぎながら、彼女に聞く。


玄関で待っていたから、一緒に登校せざるを得ない。



「別に~」



「別にって・・・」


(おいおい、最近の女子高生は意味もなく、ひとんち来るのかよ・・・)



他愛もない話をしながら、俺達は登校した。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


学校


「ちょっと、こっちに来てくれるかな」


昼休み、俺は廊下を歩いていると、とある集団に声をかけられた。


彼は尋常じゃない圧を俺にかけてきた。



「は、はい・・・」


俺はその圧に屈する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「一体、何の用でしょうか・・・?」


屋上に連れて来られた俺は聞く。



「ちょっと最近、君は調子に乗ってないか?」


集団にいた、1人の男が言う。



「といいますと・・・?」


「とぼけるじゃない。

 

 君はあの子と、かなり仲良くしているじゃないか?」


「あの子・・・。


 あっ、モデルの子のことですか?」


俺はやっと、事態を理解をする。



「そうだよ!!


 それ以外、何があると思っているんだ!!」


男は憤怒する。



「なにやら君は、放課後彼女と一緒にいるらしいじゃないか?」


「それは担任に言われて、勉強を教えているだけです」


「なんだと!?


 それだったら、我々と交代するがいい!!


 君なんかより、素晴らしい教えをすることができる。


 なぜなら・・・」



男をはじめとする、集団は急に制服を脱いだ。



「我ら、親衛隊は彼女の学園生活をサポートする!!」


男たちは、彼女がドアップされたTシャツを着て、俺にみせつけてきた。



「そうですか・・・」



「な、なんだ、その反応・・・


 結構、ポーズを考えてきたのに・・・」


男たちはショックを受けていた。


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放課後


親衛隊とやらが、どうしても彼女の勉強を教えたいというので、俺は彼女に会わせた。


すると



「お気持ちだけ、お受け取りしますね」


「で、ですが・・・」



親衛隊たちは、いかに自分たちが俺より優れているかを必死にアピールした。


しかし



「お気持ちだけお受け取りします」


そういって、彼女は彼らを追い返してしまった。



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「ちょっと、何考えているのよ!!」


俺と彼女の2人だけになった部屋で、彼女はそう言う。



「いや、あの人達、めっちゃ気合入れてたよ。


 俺よりいいんじゃないかと思って」



(それもあるし、彼らが言った通り、俺は彼女と最近距離が近づきすぎている。


 中学デビューで失敗した俺の本能が、危険信号を発している最中だ)



「はぁ・・・。分かりやすいだけじゃ駄目なのよ。


 アンタみたいに、積極的に近づいて来ない人がいいの。


 この学校でそんな人、めったにいないし」



彼女の顔がグイグイ俺に近づいてくる。



「はぁ・・・分かりました・・・」


腕を上げて降参の姿勢をする俺。



彼女は席に座り、教科書を開いた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「私、明日から、しばらく学校に来れないから」


今日の分を教え終わった後、彼女はそう言って来た。



「そうか、お仕事か」


「そう」



「じゃあ、俺は明日からしばらく暇だな~」



ゲシッ


俺は、軽く彼女に小突かれる。



「寂しい気持ちとかあるんじゃないの?」


「いや、そろそろ休憩とかしたいな~って・・・ぐふっ」



俺は再び、彼女に小突かれた。

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