第4話

「~♪」


隣で彼女が陽気に歌っている。


俺は彼女にカラオケに連れて来られた。


______________


「ねえ、私達2人だけだね」


「ああ」


当たり前のことを言う彼女に、俺は何言ってんだコイツと思う。



「・・・」


彼女は俺に無言で近づいてくる。



(何考えてるんだ、コイツ)


俺はそれに合わせて、彼女から遠ざかった。



________________


「「 ハァハァ・・・ 」」


なぜか、俺と彼女は息を切らしていた。



「ちょっと、何で逃げるのさ」


「お前が無意味に近づいてくるからだろ・・・」



「・・・もう、つまんないの~」


そんことを彼女が言っていると



プルルッ



カラオケルームの電話が鳴る。


___________________________________



俺達はどうでもいいことに時間を使ったせいで、カラオケは終了となった。


それで帰宅するという流れになったのだが・・・




「なに、ストーカーさんになったのですか?」


同じ電車に乗っている、彼女はそう言ってくる。



「いや、お前が後から乗って来ただろ!」


「そんなこと知らないし」



_________________________________________



何ということであろうか。


せいぜい電車が一緒なだけだと思っていた。


だが、


降りる駅も一緒。


出口も一緒。


駐輪場も一緒。


帰る道も一緒だった。



「真似するんじゃないよ!!」


「しらないし・・・


 じゃあ、1分待ってるから、先にいけよ」


「私を女だと思ってなめるな。


 そんな気遣い、いらないから」


訳の分からない返答をする彼女。


俺はそのまま、自転車を漕いだ。



(って、考えてみれば、


 ウチの近くでアイツの自転車を直したんだよな。


 そりゃ、この辺に住んでいるわけだ。


 ってことは・・・)



俺は気になって彼女に質問する。


「お前、最近引っ越してきたの?」


「まぁ、そうだけど・・・。


 なに、私の家がどこにあるか知りたくなっちゃった?」


「いや、そういうわけじゃなくて・・・」


俺の中学デビューを彼女が知っているどうか、気になっていたのだ。


________________________________________


くだらん話をしながら、俺達は別れた。


そして、今湯舟につかる。



「あ~気持ちいい・・・」


今日はいろいろ、アイツに振り回された。


おかげでお風呂が快適だ。



「・・・って、これじゃいかんって!!」


パチンッ!!


俺は両手を顔にぶつける。



あまりにも彼女に接近しすぎている。


俺はクラスの真ん中にいるのは、ふさわしくない。


端っここそ、お似合いなのだ。



なのに、クラスどころか、学年単位でキラキラしている彼女と今一緒にいることが多い。


(分不相応だ・・・)


俺は明日から、彼女との距離を少し開こうと決意する。


________________________________________


翌日 朝


「アンタのお友達が外で待ってるよ」


「えっ!?」


朝食を食べていると、母親から急に言われた。



(友達・・・?


 俺にはそんなもん、いないんだが・・・。


 まさか、中学校時代のヤツが押し掛けてきたとか・・・?)


ビクビクしながら、玄関から出る。



「おっはー」


なんと、モデルの子がそこにはいた。

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