第9話:小説作り

次の日の朝、新聞社から携帯に電話があった。

2つの作品とも良い作品だと言ってきた。

しかしである。

2つともネット上で公表している作品で掲載は出来ないとの事だった。

でも才能があると言われ、新しい作品を作ってくれないかとの事だった。

私は迷った。

お金をもらうため…自分のために自分の作品を作る事はしたくなかった。

自分より辛い思いをしている人は数多くいる。

そんな人が楽しい心を持ってもらうために作品を作ったのだった。

函館で2人でその事について話し合った。

そこで彼女は言った。

「私達の事を作品にしたらどう?」と。

『それだけは出来ない』と私は思った。

自分達の過去を紹介すればプライバシーの侵害だからだ。

私的には別に自分の事を作品にしても良かった。

でも大々的に売り出したら他の人に迷惑がかかるだろう。

だが今の親の力で生活が出来ているという今の状況を打破したい。


家に帰って3日間考えた。

その間に広樹にストーリーにして良いか聞いた。

「ああ。別にいいよ。」気軽にそう答えてくれた。

私は決心した。

自伝を出す事に。

新聞社には『書くけど出来上がるまで待っててください。自分が納得するまで公表したくありません。』と言った。

新聞社側はそれで良いと言った。

そして小説作りが始まったのだった。

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