第4話:不完全な自分の葛藤
しばらく経ったある日の事である。
彼女の方から「会ってみたい」とのメールがあった。
私は悩んだ。
会うのは良いが会って私を好きになってもらったら困る。
なぜならば病弱で何もかも中途半端な私だからだ。
容姿もそんなにかっこいい方でないのもある。
私の考えでは学校に入れて卒業し、仕事に就いてから会おうと思っていた。
私は考えた。
そして一つの答えにたどり着いた。
それは友達の広樹に代わりとして行ってもらい、2人で付き合ってもらうことにした。
広樹には今までのことは伝えてあるし、仕事もしていて容姿もかっこいい。
任せて安心だ。
いちごさんの住んでいる所は私と同じ地域である。
なので会うのは簡単だ。
広樹といちごさんの初顔合わせの日。
広樹は車で、駅前の喫茶店で待ち合わせだ。
店のマスターに名前を告げておくようになっている。
ここからは広樹に聞いた話である。
待ち合わせ5分前に着いた。
「広樹です。」と名前を告げるとマスターが「いちごさんがお待ちです。」との事だった。
行ってみるとめっちゃかわいい女の子がいた。
話をしてみると結構盛り上がった。
ただ、やはり通じない話も結構あった。
お茶の後はドライブやら買い物やらしたらしい。
すごく楽しい一日だった様だ。
その事の概要を私に話した。
私はちょっと妬けたが彼女が幸せならそれで十分だった。
その日の私からのメールである。
メールは話を合わすために私が送る事になっている。
『ばんにー。
どうだった今日?
私にとって初めてのデートでした。という事で一句。
『初デート 彼女と2人 うれしいな』
いろいろ話して楽しかったよね(笑)。
近いうちにまた会おうよ
返信待ってまーす。 』
次の日、彼女からのメール。
『おはようございますです。
いやー、楽しかったですよ(笑)。そこで短歌を。
『好き人を 待ちわびて会う 喫茶店 あってもなお 胸ドキドキ』
もうドキドキでした。
でも話が通じない所があったよね。
何だろう、あれ。
まあいいや。
広樹はすごくかっこよくてびっくりしましたよ。
これからもよろしくお願いします。 』
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