第4話
外の世界が見てみたい。
1年間家の中にいてくすぶっていた気持ちが溢れ来る。
集団に馴染まず自由にしたいことをって言ってもやはり外に行かないと何も始まらない。
でも、0歳で外をふらつくとかどう考えても危険極まりないよね。
いくらなんでも2歳までは無理だろう。
じゃあやっぱり魔力ネリネリしとこうかn―――
いや、でもでもでもでも外に出たい。
子供心というか遊び心というか……。胸の奥がザワッとしてる。好奇心が抑えられない。あと、外にでて魔法の使い方も知りたいし。
どうしよう。このままいくと少なくとも後1年は外はお預けになりそう。
考えろ考えろ、何か何かあるはず。外に出られる方法が。
んんー。
あっ、そうだ!
明日はあの日だ!
ということは、……もしかすると…くっくっくっ。
いけるかもしれない。
―――――――
翌日。
リビングでは、ルークの1歳の誕生日会が行われようとしていた。
「「「ルーク!誕生日、おめでとう!」」」
「ありがとう!」
今日は1歳の誕生日だ。
目の前にはケーキがある。
でも、流石に1歳でケーキは食べられないだろ。
「おっ、ルーク、ケーキ食べたいのか?父さんなルークでも食べれるケーキの作り方を知り合いに教えてもらったんだ。だからこれはルークでも食べれるぞ」
ケーキを見てると父さんが教えてくれる。
そうなのか。
これは幼児用のケーキなのか。
この世界に来てから普通の食べ物を食べてこなかったから食欲がそそるな。まあ、このケーキも普通のじゃなくて幼児用だけど。
「じゃあいただきます」
パク
うん、美味しい。
普通のケーキみたいだ。
もう一口
パク
美味しい
パク
パク
…
パク
「おいしかった」
食べ終わるまで嬉しそうに食べる様子を静観する3人。
「そうかそうか」
なんだかわからないけど嬉しそう。まるで自分が食べてるみたいだ。
「みんなはたべなないのー?」
「んー食べるぞー」
とまだ嬉しそうに。
「ん、いつもよりおいしい!ルークがいるからだね♪」
チョークも嬉しそうだ。そんな、ケーキの味なんて俺がいてもいなくても変わらないと思うけどなぁ。
ケーキを食べ終わると、みんな少しソワソワし始める。
ん?これはもしや
「ルーク、実はプレゼントがあるんだ。誕生日プレゼントだ」
きたぁー。
今日という日はこれのためにあったといえる。
「私からもあるよ。はい、ルーク♪あげる!」
まず、チョークから折り紙で作ったカエルをもらう。なぜカエル?ってなるけど、普通に嬉しい。
「はいルーク。これ私から」
母さんからは、ペンダントのようなものをもらう。よく見てみると、中に魔力が溜まっているのがわかった。何か効果があるのかもしれない。
「これなにー?」
「それはね、お守りよ。危なくなったときに守ってくれるお守り」
母さんによるとお守りらしい。効果は後で自分で確かめることにしよう。
「父さんからはな、これだ!」
そういって取り出してきたのは、かなり小さい木の剣だった。
「ルークはこれから強い男にならなくちゃいけないからな。これを振ってつよくなるんだ」
そ、そうかこれを振って強くなるのか……。プレゼントでもらった超小型の木刀を見てみる。こんなものを振っててもヒーローを夢見る1歳児にしか見えないと思うけどなぁ。
とりあえずこれは折り紙のカエルと一緒に飾っておこう。
「わかった!つよくなる!」
まあ強くはなろうと思う。
それで、だ。ここからが本番なんだ。
「あ、あのフォラキオ母さん。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます