第13話 代理者

 ■■■




 夢を見た。

 これは最初の記憶であり最後の記憶の続きだ。

 意識を覚ますと彼女が喋りかけてきていた。

 だが何を言っているのか全く分からない分からない。

 何分、その時の私にとって、それは生まれて初めて聞く声…と言うより音なのだから。

 もちろん言葉の意味など分かるはずもない。

 それを理解してか、彼女は少し寂し気に、残念そうな顔をしたが、ただひたすらに言葉を知らない私に対して喋り続けていた。

 そしてその言語を言葉の意味を理解するのは、この記憶から3日後のことだ。

 なら3日後にもう一度彼女から何を喋りかけていたのかを聞いたかと言うと聞いてはいない。

 なぜなら彼女が言っていたことを一言一句、全て覚えていたからだ。

 意味は分からなくても生まれて初めて聞いた音だからなのか、何故だか分からないがとても記憶に残っていた。

 だから3日後、彼女が言っていたことを理解する。

 それは、告白だった。

 ただの一方的に、ひたすらに私に対する、彼女の心情を語り続ける告白。

 なぜ私を好きになったかと言うとそれはただの一目惚れらしい…。そんなものでいいのかと自問自答し、いいともと胸を張りながら言う彼女はあの時は理解できなかったが、正直今思えばとても可笑しくも可愛らしく思える。

 そしてだんだんと彼女は落ち着きを取り戻し、最後に彼女は私にお願いを告げる。

 言葉の意味は理解したがその願いは理解できなかった。

 今でも理解できないでいる。

 私には特に生きていく目的がなかった。ただ生きていたから。生かされていたから。

 だからこそ彼女が私にそれを願うのであれば、特にやることのない私にとって、それが私の目的となるのだろう。

 必死にその目的を果たすために彼女から学び続けた。巨大な書庫から本を読み続けた。色んな記録を見続けた。色んな夢を見た。

 そして、とうとうその時がきてしまった。

 何もない真っ白な巨大な空間。

 彼女が毎日眺めていた、夢を語っていた空間。

 そこに私と彼女は対面するように立って顔を見合わせていた。




 ■■■




 今日の夢は会話をすることのできる夢を見ることはできなかった。

 起き上がるとまだ外はとても暗い。

 早く目覚めたせいで彼女に出会えなかったのか、それとも…。

 いや、きっと後者…そうなのだろう。

 自身の胸ぐらの肉を右手で強く握り締めながらゆっくりと左手を首に添え落ち着かせる。

 右手をゆっくりと離し、顔を押さえつけため息をつく。


 さっさとこんなママゴト済ませて、ここでの目的に取り掛かるか…


 ――――――



 闘技場は騒がしくなっていた。

 それは特別今日は前座の催しがなかったからではない。

 ランドルフの勝ちがもう確定したとみて商品、つまりはメアの品定め又は見下すべくを観客が席を取りあっている。

 既に席は満席、そして今なお溢れているのにも関わらず入ろうとする者までみえる。まるでどこかの国の電車の光景だ。貴族としての気品とやらはどこへ行ったのだろうか。


「さあさあ、いよいよ来ました大ギャンブルの最終日。いよいよ彼女に後はなくなったが、今日こそ勝利を勝ち取ることができるでしょうか。はたまたこのまま我らが王に敗北しその身を商品として差し出すことになるのか必見ですよ~」


 そのアナウンスに観客達はよそよそで顔を見合わせて笑みを浮かべ楽しそうに話し出す。


「では、会場も盛り上がってきましたのでそろそろ始めましょうか。双方入場お願いしまああすぅ」


 歓声が大きく上がり両入場口から影が現れ更に大きくなっていく。

 いくのだがその異変に気づき歓声は騒然へと変わる。

 ランドルフとディーラーが入場するのに対しメアの方からも二つの人影が歩いているからだ。その人影はもちろんメアとクロトである。

 観客とアナウンスの男が動揺している中、彼ら四人は真っ直ぐと進み卓の位置に着く。

 そして卓の席に着いたのはランドルフとクロトである。


「何をしているんだお前、ここはガキの遊び場でもふざけるような所じゃあねぇぞ」


「知っているよ」


 お互いに堂々とふんぞり返り言葉が交わされ、クロトが紙を卓上に放り出す。


「なんだこれは」


「見ての通り契約書さ、あんたとメアの」


「そんなの見ればわかる、それでお前は何が言いたいんだ」


「単純なことだよ代理人さ、メアの代わりに今日、この最終日は俺がする」


「そんなこと通ると思っているのか」


「通る通らないじゃない通すんだよ。第一に契約書には代理者を立ててはならないとは書いてないだろう」


「代理者を立てていいとも書いてはないが」


「ああ、勝手にやってもあんたも会場の観客も納得しないだろう。だからこれさ」


 そうクロトがもう一枚紙をランドルフに差し出す。それを静かにランドルフは目を通すなり何か考え込む。


「貴様本気か?」


「本気さ」


 その言葉を聞きランドルフはアナウンスの男に手を向け呼び寄せる。アナウンスの男はいそいそと走り寄りランドルフからその紙を受け取り読み上げるよう命じられる。


「え~よけいな部分は私の方で省かせて説明させて頂きます。彼はメア様の代理者として勝負を受けさせてもらいたいということです」


 何が何だか訳が分からなかった観客達はその説明を受けようやく理解し非難の声を上げ始める。


「お静かに願います。え~そして彼が負けた際、彼が差し出すものそれは疑似的永久生命の道具の使役…?つまりは契約魔法を用い彼を半不死体とし二つの誓約を結ぶ。1永遠の自由の禁止。2道具使役者の魔法的命令厳守…え~とこれは」


 アナウンスの男がこちらを伺うように向きクロは一冊の古びた本を開く。


「何千年前、魔法が盛んな時代があった。俺は使えないから知らないが魔法とは等価交換で成立するらしい。魔力がないもの、さらに強い魔法を行使したい者が生み出したのが誓約を用いたもの。そして彼らはその誓約をもって何処まで行使できるのかを研究した。不死とはその研究の一つであり、それを行使する制約が一切の自由の放棄。不死といえど苦しみはあり一時的死の様な物もあるようだな。不死者に対してほとんどの利益がないからこそできるものだろうか。この書の通りなら俺を不死化させこの会場にいる奴に売るなどすればいい。そうすれば壊れないおもちゃの出来上がりだ。飽きたら飽きたで次の奴に売り回せばいい。まあできなくても、それは実験として役に立つんじゃないか?契約魔法は互いの真なる同意のもと行われるのだからな。他の人間じゃ、これをやることはできないと思うが」


 これはハッタリだが、完全に嘘という訳では無い。あれから少し調べたが契約魔法は元々魔術師が互いの研究などを賭けて戦う際に使っていたものらしい。何もなしに賭けてたとしても。負けたあと逃げるなり何も言わずに自害などすればいいし、なんなら嘘を差し出せばいいからだ。だが契約魔法はそれを防ぐべく為に使われた。因みに契約魔法は魔力がいらないため魔術師では無い一般の人間も使うことが出来る。だが先も言った通り契約魔法は互いの同意によって成り立つもの。奴隷紋などによって無理やり契約を結ぶことなどはできない。

 そして不死の実験も確かにはされてはいないが結構の量の本に記されていた。と言ってもそれは同じことを書いただけなのだがな。こんな実験するやつなんて普通はいない。


 淡々と説明を終えランドルフを見るとランドルフがアナウンスに何かを伝える。


「ええ、ランドルフ様からは、ありえない話ではないとのこと。いま彼が持っている本はダンジョンより発掘されたものであり南の魔術の国に解析を依頼したところ確かに先の契約魔法と不死の研究について記されているとのこと」


 へ~そういうことなのか…。間違ってはなかったようだ。


 ランドルフはアナウンスの男はもう用がないと戻らせながら周囲を見ていた。説明を終えるまで批判的だった声は多かったが今では隣同士で軽く話している程度で非難の声をあげるものはいない。彼らからしてみれば奴隷という商品が増えたに過ぎないのだから反対する理由がないのだろう。


「どうやら反対意見があるような奴はいないようだ。いいだろう」


「そうか、なら」


「だが、お前が勝てば奴隷制の廃止、及び開放等、お前が決めろ。その女に譲ることは許さない」


「…分かった。俺が勝ったら奴隷制の権利についての事をもらおうか」


「では、契約成立としよう」


 ランドルフは契約書に書き込みサインをすると魔術文字が浮かびあがっていき薄く消えゆく。


「全く貴様のような頭のネジが外れた奴は初めてだな。小娘もそうだが自身を捨ててまで他者を助けたいとは…お前はその小娘に惚れたのか?」


「…へ?」


「そうかもしれないし、そうでは無いかもしれないな」


「え?っえ?」


「そうか」


 そうメアが困惑しているのを外に、会話をしながらカードの確認をしディーラーがシャッフルを終えて準備を済ませていた。


「準備は整ったようだし始めるとしよう」


「ああ、その前に1ついいか?」


「次はなんだ」


「ちょっとしたルール変更」


「本来なら変える気はないが、まぁお前に免じてとりあえず聞こう」


「あんまり変わらないよ。交換時カードを捨てるではなく相手に見せず元の場所に戻す。別に元の場所じゃなくてもいいし、なんなら戻したあとそこのディーラーさんにシャッフルしてもらっても構わない。って感じにどうだろうか」


「そんなことなら別に構わない。少し時間はかかるが交換したカードを覚えるとかそんなのつまらないからな。一回一回シャッフルするとしよう」


「ありがと、あとは特に何もないよ」


「じゃあ、改めて始めるとしようか」


「では、御二方チップの提示をお願いします」


 ランドルフは最大チップを賭けるのに対しクロトは1枚。


「なんだそれは、いきなり弱気じゃないか」


「1枚かけるも5枚かけるもどうでもいいよ、最初の方はあまり勝負に関係ないしな」


「そうか、じゃあ先行を貰うとしようか」


 ランドルフがカードを引いていきクロトの番に回りカードを引いていく。


 …やはりもうパターンの変更をしているのか、やめているのか、こちらからしたら完全にランダムな形だな。




 本当に大丈夫なのだろうか…。

 朝目覚めると先にクロは目覚めていて、また少し様子が、雰囲気が変わっていた気がした。

 そして起きるなり準備と言って手伝いをお願いされた。口出しはしないという約束をしていたからただ言われるがままに従った。

 それはただカードをシャッフルして渡しクロが1枚1枚確認し、再び私がシャッフルするというのを繰り返しただけ。それになんの意味があるのか私にはさっぱりだったがクロにはクロなりの考えがあるのだろうと黙ってそれを見ていた。それを数度繰り返したあとクロは「待ち合わせは昨日の場所と一緒、時間まで好きにしてていいよ」そう言ってどこかに行ってしまった。

 今の私では、たぶんというより、絶対にランドルフには勝てはしない、クロなら何か考えが、必勝方があるのだと信じているのだけど…これは…。


 クロはチップを捨て二度目の交換の宣言をしていた。

 5枚、手札全てを場に返したのだ。


 本当に大丈夫なのだろうか…最初の交換、さらに次の交換も全部交換…まさか、RSFの運ゲーでもしているんじゃないのではないのか?

 一応、私の表情などで手札を読まれないように、などの理由でクロの手札が見えない位置に立たされていて、何を交換したかもさっぱり分からない。本当にクロに任せてよかったのだろうか。

 いえ、信じなくては。クロは私より強いのは確かなのだから。


「では、御二方カードの開示をお願いします」


 互いにカードを表に出す。


「ランドルフ様7のフォーカード、代理者様役無しですがHNを引いているため負の道化となりワンペアが成立します」


「く、クロ…」


 役無し、更にはHNを引いたその手札に対し不安が溢れ始め声をかけようとしてクロを見るとクロは全く動じず堂々と座っているのを見てさらに不安が溢れ始める。

 それは別の不安要素だ。

 もしかしてクロは既にランドルフと繋がっていてわざと負けようとしているのでは無いのか。

 朝、何処へ行くかも伝えずに行ったのは私に知られることなくこの職員を使ってランドルフと密会をする為、それとも本当は元々繋がっていたのではないのか。先ほどまでのはすべて演技…。

 なんの保険もなしにクロがあんな賭けをする訳ない。繋がっているのだとしたら負けたとしてもランドルフがクロを買ってしまえばいいだけ…。

 私…私は…。


「では、開示をお願いします。ランドルフ様7.4のフルハウス、代理者様、役なし…」


 いつの間にか第2回目が行われておりまたクロは役なし。


「メア、すまんな」


 なんで謝るの…本当に…そうなの?


 その謝罪にその不安が確信しつつあり涙がこぼれそうになる。


「つまらないと思うが。もう、俺たちの勝ちは決まったよ」


「へ?」


 予想外のクロの言葉に思わず涙が少しこぼれた。

 その言葉はランドルフにも聞こえていたようで面白げにこちらを見ている。


「ほう、2回も役なし更にはHNを引いて負けているのに、勝ちが決まっただと?何をもってそんな言葉が出るんだ?」


「そんなの見てたら分かるよ」


「なら見せてもらおうか」


「…」


「では御二方チップの提示をお願いします」


 ランドルフは3枚、クロは4枚出す。


「先行」


 いきなり勝利宣告…クロは一体何を持って勝ちを確信したの…。


「交換するよ」


 ランドルフの交換を終えクロがまた交換の宣言をする。


「ふ、また全部交換するのか?それでまた運試しでもするのか?そんな事されても、もう興ざめだぞ。それとも本当にいつか運が必ず回ってくるとでも思っているのか?」


「…」


 ランドルフの煽りを無視し、何も考えてないように一切の迷いなしに引いていく。その様子に観客達もいい加減にしろなどと避難を上げ物を投げつけるまでに怒りが込み上げている様子。


「では、御二方、開示をお願いします」


 その合図に同時にカードが開示される。


「ランドルフ様スペードのフラッシュそれに対し代理者様…ダイヤのフラッシュ」


 その声を聞き観客席の方は一斉に静まり返った。


「まさか本当に運が回ってくるとは良かったな…だがそんなにも運が回ってくるとは限らないぞ?」


「それを豪運の王であるお前が言うのか?」


「…」


 クロの返しにランドルフは、何も言えず黙り込む。そして4回目ランドルフは4チップそしてクロはまた5チップを提示し再び先行を取り。またランドルフは1枚も交換しない中クロは全てのカードを交換する。


「では、開示をお願いします」


「っな…」


「す、すごい…」


「ランドルフ様クラブのストレートに対し代理者様スペードのストレート。代理者様の勝利となります」


 まるで狙ったかのようにランドルフの手札より一つ強い手札を繰り出すクロ。


「その勝ち方はわざとか?」


「どうだろうな…神様にでも聞いてみたらどうだ。お前の豪運なら神託を得られるんじゃないか?」


「では、最後となりますチップの提示をお願いします」


 ランドルフは叩きつけるように最大の5チップそれに続くようにクロも最大チップを賭ける。


「お前が作ったルールかは知らないがチップによる先行後攻の優先は作らない方が良かったんじゃないか?先行を貰うよ」


「まあ、俺が作ったわけではないからなこのゲームは」


「では、ランドルフ様交換いたしますか?」


「いらん」


「では、代理者様はいかがしますか」


「するよ」


 何度見た光景かというようにクロトはすべてのカードを交換に出す。


「なんだ、ここに来てまで全部交換するのか?」


「あんたは本当に交換しないのか?」


「しないさ、俺は幸運の神に見守られているからな交換などしなくても既に役はそろっているよ」


「そうか」


 そうクロは適当に聞き流しチップを捨てる。


「ふふふ、どうやらまたそろわなかったみたいだな。また全部交換するのか?」


「ああ、するよ。俺はね、完全な勝利を望んでいるからな。お前らの為にもな」


 クロトは交換するカードをわざとか、表向きにして出す。

 そしてそれを見て会場は再び騒がしくなる。


「本当に交換するのですか?」


 確認の為かディーラーが再びクロトに聞き直す。


 それもそのはずクロトが交換するカードはハートのロイヤルストレートフラッシュ。普通であればこんな最強な手札を交換する必要はない。


「ああ、するよ」


 そうしてディーラーがそのカードを回収しシャッフルを始める中、我慢できなくなりメアがクロのそばに寄り焦りながら口を開く。


「ちょちょちょ、どういうことなの!?あんなにも強い手札交換するなんて」


「確かにそうだな…ランドルフさんよ」


「なんだ」


「もう俺が引くだけで終わりなんだ。あんたはもうチップがない以上交換はできないしそもそも交換なんてする気はないんだろう?」


「…何が言いたい」


「なら、もう手札開示したらどうなんだ?」


「必要はないだろう」


「まだ見栄を張ろうとするのか?ならこちらから当ててあげるよ。…ランドルフ、あんたの手札はダイヤのロイヤルストレートフラッシュ…そうだろう」


「え?」


 もしクロの言う通りならクロは本当に交換する必要はなかった。スートの強さ的にハートはダイヤより強い。でも、そもそも相手の手札がわかるわけ…。


 そうメアが考えているとランドルフの方で動いたのが見え、視線が行きそれに目が引き寄せられる。

 ランドルフは手札を開示していた。そしてその手札は…


 ダイヤのロイヤルストレートフラッシュ…!?一体どうやってクロは一体何を考えているの。


「では、代理者様お引きください」


 黙々と準備を整えていたディーラーの合図にクロは姿勢を起こしカードを引いていく。引いていきその場で表にしていく。そして最初の一枚が露になる。

 それはこのゲームで負けカードとされているHNだ。

 だけどそんなまさか。そうこの会場の誰もが考え、気のせいかまるで誰もいない無人のように無音となる。

 そんな中クロトはどんどんカードを表にしていく。


「完全な勝利。それは相手よりも強い役じゃない。このゲームで最も強い役を引くことなんだよ」


 最期の一枚が開かれとうとうHNの5枚がそろう、そうして意味するのは最も強い役でありクロトの勝ちが決まった瞬間である。


「…うそ…いたっ…やった、やったぁぁ」


 メアは信じられなかったのか、夢なのではないかと頬を抓り、痛みを感じて夢ではないことを理解しとてもうれしかったのか涙をこぼしながらクロトに抱きつく。


「…」


 ランドルフは負けたことに対して何も思っていないのか再びふんぞり返り姿勢を戻しながらも俯いている。


「精算致します。ランドルフ様ダイヤのRSFに対し代理者様は負のカード、HNを5枚揃えた為に役が成立し勝利が確立します。HNの役は相手の役の3乗の倍率を持つため…」


 喜びにクロトに抱きついているメアが一番最初に違和感に気付いた。


「――――――!  ――!  」


 メアがこちらを向いて何かを言っている気がする。でも何を言っているか分からない。

 周囲の声がどんどん遠くなっていくのを感じる。

 頭痛が酷く口と鼻の間に熱い何かが垂れているのを感じる。意識がもうろうとしそれが何なのか理解できない。

 まぶたが重く視界がぼやけどんどん暗くなっていき、理解する。 


 ああ。少し無茶し過ぎたか。

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