第153話153「ミッション:A級ダンジョンで高純度魔石を採取せよ!〜その3〜」

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第7回カクヨムWeb小説コンテスト】中間選考突破しました。

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「異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜」

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********************



——A級ダンジョン『Aー25』/一階層


「えーと、じゃあ『A−25』のダンジョンの情報だけど⋯⋯」


 そう言って、レコが『A−25』の説明を始めた。


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【A級ダンジョン『Aー25』】

・踏破済みダンジョン

・最下層:25階層

・ダンジョンギミック:なし

・ダンジョンボス:なし

・出現魔獣ランク:A〜Cランク/Cランク魔獣出現多め/最下層はA・Bランク魔獣のみ出現(Bランク魔獣多め)


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「つまり⋯⋯⋯⋯どういうことだってばよ!」

「ふぉふぉふぉ! まあ、ざっくり言うと大したことないダンジョン・・・・・・・・・・・・ということじゃ!」

「「「「「ざっくりしすぎだ(です)っ!!!!」」」」」


 そんな『ざっくり学園長』への総ツッコミを合図に、


 ドン!


「ふぉっふぉっ!! ワシがぁぁーー最下層一番乗りじゃぁぁぁ〜〜〜っ!!!!」


 学園長が鬼のようなスタートダッシュをかました。


「ちょ!? が、学園長っ!」

「あ、学園長⋯⋯卑怯」

「が、学園長に続けぇぇ〜〜〜!!!!」


 学園長のスタートダッシュを皮切りに、俺たちもまた一斉に最下層へと駆け出した。



********************



 俺たちはダンジョンに入って一時間ほどで最下層へと到着。最下層までC〜Bクラス魔獣が出てきたがまったく・・・・危なげなく進んだ。


 ちなみに、最初不安がっていたザックだったが、いざ実戦に臨むと、


「え? え? Bクラス魔獣って⋯⋯⋯⋯この程度・・でしたっけ?!」


 と、『これまでの自分の強さ』と、ここ一ヶ月で急成長した『今の自分の強さ』との『ギャップ』に戸惑っていた。⋯⋯無理もない。


 しかし、しばらくするとそのギャップにも慣れ、今では『強くなった現実』を受け入れている様子。⋯⋯ただ、まだ想像の何倍も強くなった自分にまだ戸惑っているようだ。⋯⋯い奴め!


 ちなみに『カイト式魔力コントロール』をまだ習得していないドレイク、リリアナ、サラたちは見学をしているが、


「う、嘘だろ? Cクラス魔獣でさえ、一回生の俺たちでは倒せないレベルの強さのはずなのに⋯⋯」

「む、無双してますにゃ⋯⋯。Cクラス魔獣どころかBクラス魔獣相手に、みんな、めちゃめちゃ無双してますにゃ⋯⋯」

「デ、デタラメよ⋯⋯こんな強さ⋯⋯。すでに三回生より強いんじゃ⋯⋯」


 三人とも、みんなの強さにただただ呆れていた。


 まあ、いずれ君たちもそうなるので、今のうちから常識が壊れることに慣れてもらいましょうか。



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 さて、今回のダンジョン『Aー25』には『ダンジョンボス』は存在しないので、最下層に着いた俺たちはすぐに『高純度魔石の鉱床探し』を開始。『魔石採取班』と『魔獣討伐班』に分かれて行動した。


 ちなみに『魔獣討伐班』には学園長、レコ、リュウメイ、イグナス、ガス、ザックというメンツで構成。⋯⋯結果『過剰戦力』であったのは言うまでもない。


 そんな中、『魔石採取班』が高純度魔石の鉱床をすぐに発見し、見事『高純度魔石』の採取に成功した。


「これは⋯⋯⋯⋯『Aカラット魔石』ね」

「Aカラット⋯⋯魔石?」

「魔石には『純度』っていうのがあるんだけど⋯⋯」


 そう言って、レコが説明をしてくれた。


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【魔石の純度】

・魔石には純度があり、その純度が高ければ高いほど『高レベルの魔法効果』を収納できる

・純度の単位は『カラット』。最高純度が『Sカラット』となり、それから『S→A→B→C』と四段階で純度をランク付けしている

・Sカラット——超級魔法を含めたすべての魔法効果を収納可能

・Aカラット——一部の超級魔法を含めたすべての魔法効果を収納可能

・Bカラット——すべての中級魔法の魔法効果を収納可能

・Cカラット——すべての下級魔法の魔法効果を収納可能


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「今回のAカラットはかなり高純度の魔石よ。これくらいの魔石なら『超級魔法』でも収納可能ね。⋯⋯とは言っても、そんな『超級魔法』を収納することなんて生きててそうそうないけど⋯⋯」

「へ、へぇ〜、そうなんだ〜(棒)」

「⋯⋯⋯⋯カイト? そういえばあんた、教室で『今回、魔道具作りで高純度魔石が必要になりました』って、ざっくり・・・・と説明していたけど、そもそもこのAカラット魔石に収納する魔法って、どのレベルの魔法・・・・・・・・を収納するの? どんな魔法効果・・・・・・・を収納するの? あと、まさか、その魔法ってカイトあんたが作った⋯⋯⋯⋯なんて言わないわよね?」

「⋯⋯⋯⋯」


 さて、どうしたものか?


 このままレコに真実を告げたほうがいいものだろうか?


 今回収納する魔法は『超級魔法』で、それは『俺』が作ったオリジナル魔法で、あと、それがいくつかある⋯⋯⋯⋯なんて言ったら「自重しろ」などと不本意なツッコミをいただきそうだ。


「「「「「自重しろっ!!!!」」」」」


 なんと、心の声が漏れてたらしい。


 ていうか、レコどころか、全員から総ツッコミを受けた。


 あと、その中に学園長も含まれていたのが⋯⋯⋯⋯何かショックだった。



********************



「⋯⋯最近、魔道具科にこもるようになって少し寂しい・・・⋯⋯コホン、何をやっていたかと思ってたらオリジナル魔法を6つも作成していたとは⋯⋯。しかも、その中に『超級魔法』も含まれているなんて、もはや何でもアリだな、カイトは」

「フッ⋯⋯それほどでも」

「(ドキッ!)ほ、褒めたわけでは⋯⋯ないっ!」


 なーんだ、褒められたのかと思っちゃったー⋯⋯しょぼーん。


 などと、レイアと戯れている横で、


「な〜にが『それほどでも』よ! バカじゃないの!? ていうか、あんた魔道具科あっち行ってもだいぶやらかしている・・・・・・・みたいね?」

「え? 別にいつもどおり・・・・・・だよ?」

「あんたの『いつもどおり』は『自重しない』と同義だから。目立たないように行動するよう心がけなさいっ!」

「いや、別に目立ちたいわけじゃないよ? ただ、気づいたら『悪目立ちしている』だけで⋯⋯」

「なお悪いわ! とにかく、これ以上目立たないようにしなさいよね!⋯⋯アルフレッド団長がその辺、だいぶ心配していたからね」

「え? アルフレッド団長が?」

「⋯⋯あんたの情報は、すべて団長の娘さんから筒抜けよ」

「あ!⋯⋯⋯⋯セイラか」

「娘から話を聞いたアルフレッド団長は、次の日からずいぶん顔色が悪かったわよ? 何かあったのかな〜って、ちょっと気にはなっていたけど⋯⋯⋯⋯あんたが原因・・・・・・だったわけね」

「人聞きの悪い。俺は『第一級特別研究室ダイイチ』のみんなから聞かれたことに対して、真摯に答えていただけだ。⋯⋯心外だ!」

「⋯⋯⋯⋯はぁぁぁぁ〜〜〜。まあ、いいわ。とにかく、あまり目立ちすぎないようにね? 目立っていいことなんて何もないんだから」

「ん? どういうこと?」

「もう遅いかもだけど⋯⋯今の現政権をひっくり返そうとしている輩がいて、そいつらから目をつけられると危険⋯⋯ってことよ」

「目をつけられる? 目をつけられたらどうなるんだ?」

「暗殺対象として狙われるってことよ」

「暗殺っ?!」

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