第146話146「偽装記憶消去(メモリー・イレイズ)」

【告知】

第7回カクヨムWeb小説コンテスト】中間選考突破しました。

ひゃっほい!


【新作はじめました】

「異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861126765264



********************



「えーと、まずは『洗脳魔法無効化魔法』から⋯⋯」


 と言って、カイトが黒板に書き出した。


——————————————————


 闇属性魔法『偽装記憶消去メモリー・イレイズ


——————————————————


「「「「⋯⋯『偽装記憶消去メモリー・イレイズ』っ!?」」」」

「はい。これが洗脳魔法を無効化するための魔法として開発したものです。対象者は『洗脳魔法をかけられた人』で、この魔法をかけると『記憶領域にある偽装された記憶』があればそれを消去します。偽装された記憶が無ければ、特に何も影響はありません」

「なるほど。これが最初に作成したカイト君の洗脳魔法⋯⋯『偽装記憶ブービーメモリー』を検証・分析した資料をもとに開発した『洗脳魔法無効化魔法』なんだね」

「その通りです、ソフィア室長。皆さんが検証・分析したおかげで、無効化魔法は思っていた以上にすぐに作成できました。ありがとうございます」

「いやいやいやいや⋯⋯何を言ってるんだい、カイト君? 初めて魔法を作成して十日程度で完成すること自体が⋯⋯⋯⋯まず、あり得ないからね?」

「え? そうなんですか? 結構、コツ・・さえ掴めばすぐにできましたよ?」

「え?⋯⋯⋯⋯いや、ま、いいや。カイト君には常識が通用しない・・・・・・・・のはもう周知の事実だからね。じゃあ、一応確認させていただくよ」


 ということで、俺はソフィア室長に『偽装記憶ブービーメモリー』をまずかけて、それからこの『偽装記憶消去メモリー・イレイズ』を展開した。ちなみに、前回の件・・・・があるので今回の『偽装記憶』は『ソフィア室長の好きな食べ物の記憶』を利用して確認した。⋯⋯もう、『狂戦士バーサーカーソフィア』はたくさんです。


「うむ。成功⋯⋯と言っていいんじゃないかな」

「ほ、本当ですか! ありがとうございます!」


 俺が作った『洗脳魔法無効化魔法』となるオリジナル魔法『偽装記憶消去メモリー・イレイズ』がソフィア室長に認められた。


「おめでとう、カイト!」

「ありがとう、マイルズ!」

「す、すごいです! カイト君!」

「うん、ありがとう、シーファ!」

「すごい! すごい! カイト、やっぱすごいね!」

「い、いや、そんな⋯⋯ありがとう、セイラ!」


 俺は、当初の目的であった『洗脳魔法無効化魔法』の完成を三人から祝福された。⋯⋯嬉しい。


「そうなると、この時点でカイトはすでに2つ・・のオリジナル魔法を開発したってことになるわね!」

「あ⋯⋯たしかに」

「いや、どうして、こんなすごいこと・・・・・成し遂げた本人がそう冷静なのよっ?!」


 セイラが呆れ気味にツッコむ。


「あ、あの、カイト君⋯⋯!」

「うおっ! な、何でしょう⋯⋯シーファ」


 いつもは消極的な態度のシーファが、少し身を乗り出して質問してきた。


「ち、ちち、ちなみに、このカイト君のオリジナル魔法『偽装記憶ブービーメモリー』と『偽装記憶消去メモリー・イレイズ》』は、どのランクの魔法・・・・・・・・になりますか?」

「あ、そうだね。そのこと聞くの忘れてたよ⋯⋯どうなんだい、カイト君?」

「わかった! 中級だろ、カイト!」

「いや?⋯⋯⋯⋯上級」

「「「「は?」」」」

「じょ、じょじょじょ、上級魔法ぉぉーーーっ!!!!」


 セイラがどもりながら叫ぶ。


「うん。しかも、魔力量は通常の上級魔法よりもかなり食われる・・・・・・・からね? 正直、超級魔法レベル・・・・・・・で魔力量持ってかれるから」

「んんっ!? ちょ、ちょっと待て!! お、おい、カイト、お前のその言い方ってまるで⋯⋯⋯⋯超級魔法を使ったことがある・・・・・・・・・・・・・ような口ぶりだけど⋯⋯?」

「ん? ああ、使えるぞ、超級魔法? まあ、一種類だけしか使えないけどな(照れ)」

「「「「(照れ)⋯⋯じゃねーよ(じゃないよ)っ!!!!」」」」

「カ、カイト君、超級魔法を使えるって話、ボク聞いてなかったけどっ!?」

「え? そうなんですか? てっきり学園長が話していたと思っていたんですけど?」


 あれ? それじゃあ、今『超級魔法』の話をしたのはまずかった?


 でも、まーしょうがない。言ってしまったものはしょうがない。


「そ、そうか。カイト君は超級魔法も⋯⋯。属性は『全属性持ちエヴリ・シン』で『超級魔法』も使える、しかも入学したばかりの一回生⋯⋯。もはや、何でもアリだね⋯⋯」

「い、いや〜⋯⋯たはは」

「カ、カイトって、もしかして、もうすでに⋯⋯⋯⋯『現・クラリオン王国最強』なんじゃないの?」

「そ、そんな、大袈裟なっ!? やめてよ、セイラ!」

「いえ、カイト君⋯⋯私もそう思いますっ!(フンス!)」

「シーファ⋯⋯?」


 シーファが鼻息荒く訴えてきた。


「まず、何よりも驚いたのはカイト君がすぐに魔法を作成できた点です! 初めての魔法作成なのに十日程度で完成できたということ、それは⋯⋯⋯⋯『魔力コントロールが異常に長けている』ということ意味します! しかも、カイト君は『全属性持ちエヴリ・シン』で『超級魔法』も使える⋯⋯。そんな『魔力コントロール』に長けた人が、魔力量が豊富で、且つ全属性の魔法が使え、おまけに超級魔法まで使えるとしたら、それはもはや『国内最強』⋯⋯いえ『世界最強クラス』と言っても過言ではないかと思いますぅぅ〜〜〜っ!!!!」


 シーファが顔を真っ赤にして、一気に捲し立てた。しかしその結果、


「はあ、はあ、はあ⋯⋯ちょ、ちょっと⋯⋯酸欠⋯⋯ですぅぅ〜〜⋯⋯」


 と言って、椅子にグッタリと座った。


「ど、どうしたんだ、シーファ? やけに俺のことを褒め叩いてくれてたけど、俺程度・・・が『国内最強』とか『世界最強クラス』とか、それはさすがに褒め過ぎ⋯⋯」

「は? 何言ってんだ、カイト? シーファの言う通りじゃねーか?」

「⋯⋯え? マイルズ?」

「そうよ。私もシーファの言う通りだと思うわよ?」

「セ、セイラまでっ!?」

「カイト君⋯⋯」

「っ!? ソ、ソフィア室長⋯⋯!」

「君⋯⋯もうちょっと、自分の異常さ・・・を自覚したほうがいいと思うよ?」

「は、はあ⋯⋯」

「「「「そういうとこだぞっ!」」」」


 みんなから、なぜか一斉に説教を喰らった。


⋯⋯解せぬ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る