第145話145「洗脳魔法無効化魔法・・・だけじゃない?!」

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第7回カクヨムWeb小説コンテスト】中間選考突破しました。

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「異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜」

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********************



「すごい! 本当に一週間程度で完成させてしまうとは! これは脅威に他ならない!」


 冒頭いきなりソフィア室長からお褒めの言葉をいただいたが、


「い、いや〜、別に、そんな大したことしてはいな⋯⋯」

「「「「いや、大したことしか・・してないわっ!!!!」」」」


 と、全員から一斉に突っ込まれる。


「ま、まあ、これでカイト君が『洗脳魔法』⋯⋯とも言える闇属性魔法『偽装記憶ブービーメモリー』を完成させたのであれば、あとは⋯⋯」

「はい。あとは、この魔法をに『無効化魔法』を作っていきます」

「うむ。では早速『偽装記憶ブービーメモリー』の検証と分析を行うぞい」


 てなわけで、すぐにみんなで『偽装記憶ブービーメモリー』の分析に取り掛かった。


——三日後


「さて、これで一通り『偽装記憶ブービーメモリー』の検証・分析は完了したが⋯⋯⋯⋯どうじゃ?」

「はい。詳細に検証・分析できましたし、何より魔法や魔道具の専門である『魔道具科』の⋯⋯しかもその中でも国の最高機密の研究を行っている『第一級特別研究室ダイイチ』の施設と優秀な皆さんがいたおかげで、いろいろな魔法と魔道具・・・・・・・・・・・ができそうです!」

「「「⋯⋯え? いろいろ・・・・?『無効化魔法』だけじゃないの?」」」


 カイト以外の『第一級特別研究室ダイイチ』のメンバーは、あくまで『洗脳魔法無効化魔法』だけ・・を開発するものだと考えていたので、カイトの発言に驚いた。


「はい、せっかくですからいろいろ作ろうかと。しかも『脳に関する魔法』なので、これは想像以上にいろいろなもの・・・・・・・ができそうな気がします」

「「「「⋯⋯⋯⋯」」」」

「? ど、どうしました?」


 三人は一度沈黙すると、一人ずつ話しかけてきた。


「カ、カイト。あまり、無理すんなよな⋯⋯?」

「そ、そうです、カイト君。何事も段階と順序・・・・・というものがあるので、あまり無茶なことはしないでくださいね⋯⋯?」

「カ、カイト⋯⋯。とりあえず『洗脳魔法無効化魔法』だけでも十分・・なんだからね⋯⋯?」

「カ、カイト君⋯⋯。とりあえず、あまりやり過ぎない・・・・・・ように頼むよ⋯⋯?」


 第一級特別研究室ダイイチの三人とソフィア室長が不穏そうな顔でそんなことを言ってきた。


 あー、なるほどなー⋯⋯。魔法作りに根を詰め過ぎるな・・・・・・・・ってことかぁ⋯⋯。そこまでしてみんな俺の体・・・のことを気遣ってくれて⋯⋯。へへ⋯⋯本当、優しいよな、第一級特別研究室ダイイチのみんな。


「みんな心配してくれてありがとう! でも、大丈夫! 俺、体力には自信あるから!」

「「「「⋯⋯え?」」」」

「洗脳魔法の無効化魔法なんてパパッと作っちゃって、その後すぐに『新魔法開発』に取り組みますよ!」

「「「「あ、いや、その⋯⋯カイト(君)?」」」」

「なーに! まかせてください! みんながあっと驚くような『すんごい魔法』作りますから! いやー、腕が鳴るなー!」

「カ、カイト君⋯⋯? そ、そのぉ〜⋯⋯これ以上、脅威的な魔法開発・・・・・・・・はボクたちの心臓に悪い・・・・・⋯⋯」

「じゃあ、ちょっと『奥の研究室』借りますねーーっ!!!!」


 そう言って、カイトは光の速さ・・・・で施設の奥にある研究室へと入っていった。


「「「「⋯⋯⋯⋯話、聞けよ」」」」


 その後、カイトはこの研究室に籠り続ける、魔法開発に没頭することとなる。



********************



——一週間後


 俺はこの一週間、寮にも帰らず寝る間も惜しんで、この『研究室』に籠っていた。そのおかげで、


「で、できた⋯⋯」


 遂に『洗脳魔法無効化魔法』が完成した。


 しかし、完成したのはそれだけじゃなく、


「いや〜、ついで・・・だったけど、意外とうまくいったな〜⋯⋯⋯⋯オリジナル魔法・・・・・・・


 そう、俺は『洗脳魔法無効化魔法』以外に「できればいいな」くらいに思っていた『オリジナル魔法』も作ることができた。


「それにしても、オリジナル魔法を三つ・・も作ってしまった。案外コツ・・を掴んだら簡単だったな〜。まーたしかにイグナスも『爪弾きストラミング』とかってオリジナル魔法作ってたから、結構コツさえ掴めば簡単なのかもな〜」


 そんなことをブツブツ呟きながら、俺はみんなのいる会議室へと向かった。


「「「「え? 完成⋯⋯した?」」」」

「はい! 最初に話していた『洗脳魔法無効化魔法』が完成しました」

「おお、すごい! やったね、カイトく⋯⋯」

「あと他にも⋯⋯」

「え? 他⋯⋯にも⋯⋯?」

「他にもオリジナル魔法を作ったんでそれも見て欲しいです」

「「「オ、オリジ⋯⋯ナル⋯⋯魔法を⋯⋯作った?」」」

「はい。ただ⋯⋯俺には『魔道具の知識』がほとんどないので『オリジナル魔法』だけ・・しかできず、『魔道具作成』までは至りませんでした。なので、その俺の作った魔法を見てもらって、その魔法を『どんな魔道具を利用したらいいのか』といったことを教えて欲しいです」

「カ、カイト⋯⋯。お前、一週間でオリジナル魔法を⋯⋯⋯⋯作ったの?」

「ああ。いくつか・・・は⋯⋯」

「い、いくつか・・・・? 一つ⋯⋯じゃないんですか?」

「三つだ」

「み、みみみ、三つ!? 一週間で三つぅぅ〜〜〜っ!!!!」

「? ああ。ついハマってしまって⋯⋯ハハハ」

「「「⋯⋯⋯⋯」」」


 マイルズ、シーファ、セイラの三人がまた・・固まってしまった。いい加減、相手するのが面倒なので放っておこう。


「⋯⋯それよりもソフィア室長」

「な、何かな?」


 ソフィア室長は一瞬ビクッとしながらも、すぐに冷静な雰囲気を纏って・・・返事をする。


「早速、魔法を見てもらって意見を聞きたいのですがいいですか?」

「あ、ああ。ただ、まずはその作成した『オリジナル魔法』は三つとのことだったが、それはどういった魔法になるんだい?」

「あ、ああ⋯⋯えーと⋯⋯」


 そう言って、俺は黒板にチョークでその『オリジナル魔法』を書き出した。

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