第138話138「第一級特別研究室の研究員」
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「「「おつかれーっす!」」」
室長室の外から、数人の声が聞こえた。
「あ! みんな、授業終わって帰ってきたみたいね」
そう言うと、
「みんな、授業おつかれー!」
俺の手を掴んだ状態のまま、研究所に入ってきた生徒たちに声を掛けるソフィア。
「「「え⋯⋯誰っ?!」」」
三人が俺を見て当然のリアクションをする。
「はーい、ちゅうも〜く! 彼の名はカイト・シュタイナー君。『騎士団科』から来た一回生の生徒さんで〜す! はい、あいさつ!」
「あ、は、はい。ど、どうも、はじめまして⋯⋯カイト・シュタイナーと申します。今回はこの研究室で魔法開発でやってきました。短い間ですが、よろしくお願いします⋯⋯」
俺はソフィアのテンションに圧倒されたこともあって、辿々しい挨拶となってしまった。
「ん? カイト・シュタイナー?」
「あれ? その名前⋯⋯」
「どっかで⋯⋯聞いたことあるような⋯⋯」
三人が俺の名前を聞いて一度首を傾げる。⋯⋯そして、
「「「あーーーーーーー! 思い⋯⋯出したっ!!!!!」」」
どっかで聞いたことのある『思い⋯⋯出したネタ』を一拍入れると、
「カ、カイト・シュタイナーっ!? 今年の一回生クラス編成トーナメントの優勝者っ!!!!」
「最後まで、他を寄せつけない圧倒的な強さで優勝したっていう、あの⋯⋯一回生っ!!!!」
「両親が元騎士団長と副団長のベクター・シュタイナー様とジェーン・シュタイナー様っていう、サラブレッド中のサラブレッドっ!!!!」
男子生徒1名、女子生徒2名は俺のことを知っていたようで、手放しで大絶賛してくれた。
あら、気持ちいい。
「え? みんな、知ってたの?! なーんだ⋯⋯私が驚かそうと思ってたのにぃぃ〜」
「「「いやいやいや、そんなの生徒なら誰だって知ってますよっ!!」」」
「一回生のクラス編成トーナメントにも関わらず、ラディット国王がお見えになっていたとか!」
「あ、あと、『
「観客席にはジャガー財閥やカスティーノ総合商社といった超有名どころの家の人たちもいて、一回生のクラス編成トーナメントとしては異例の超満員だったとか!」
「あ、あはは⋯⋯」
三人は最初の薄いリアクションとは違って、だいぶ興奮した様子で俺に近づき話しかけてきた。
「コラコラ、君たち。そんながっついたらカイト君がビックリするでしょ! その前にまずは自己紹介したら?」
「あ、そうでしたっ!」
「ご、ごめんなさい⋯⋯!」
「し、失礼しました⋯⋯っ!?」
三人はソフィアに言われハッとすると、一人一人自己紹介してくれた。
「初めまして! 俺はマイルズ・ジュリアーノ⋯⋯『魔道具科』一回生だ! よろしく、カイト・シュタイナー!」
「よろしく!」
マイルズ・ジュリアーノ⋯⋯175の俺より少し身長が高い爽やかイケメン男子。しかも髪がライトブルーなので、その『イケメン』により拍車をかけている外見(うらやま)。
「あ! 俺の姉貴がさ、騎士団科の三回生にいるんだけど知ってる? セリーヌ・ジュリアーノってんだけど⋯⋯」
「ん? セリーヌ・ジュリアーノ?」
何か聞いたことが⋯⋯ある⋯⋯ような⋯⋯、
「わかるかな〜⋯⋯⋯⋯
「副会長っ!? いや、わかるわっ!」
副会長⋯⋯セリーヌ・ジュリアーノ。
前にレイアから聞いたことがあるが、たしか、生徒会長エリナ・クインズベルを裏で支える人で『頭脳明晰』かつ『優れた美貌』を兼ね備えた『才色兼備が服着て歩いている人』と言わしめた人物。
その弟ということだが、『高スペック姉』に負けないくらいの外見であるのはもちろん、一見『軽い感じ』はあるが、しかし、それが『演技っぽい』のを感じるので、おそらくこいつの行動や言動はいろいろと『計算』の元だろうなと感じる。
まあ、『油断ならない奴』ということである。
そして、次に自己紹介してくれたのは、
「は、初めまして⋯⋯。『魔道具科』一回生のシーファ・オルドリッチと申します」
「よ、よろしくお願いします」
シーファ・オルドリッチ⋯⋯身長はだいたい150センチ後半くらいなのか、ソフィア・クインズベルさんより少し背が高いが、まあ小柄で可愛らしい感じだ。あと可愛らしいといえば、淡い桃色の髪色で『おさげ』というヘアースタイルなので、ソフィア先生以上に見た目幼い感じだ。
あと、人見知りなのか、少しおどおどしながら挨拶をする彼女は、さっきの『チャラ男マイルズ』とは大違いである。
そんな可愛らしい彼女に一人、
「カイト、シーファはすごいんだぞ! なんせ、この『
「ちょっ!? セ、セイラ様⋯⋯やめてください!」
「そうそう! シーファちゃん、かわいいよな〜」
「別に今、そんな話していないでしょ、バカマイルズ! ちょっと黙っててくれる?」
「えー? 釣れないな〜⋯⋯セイラちゃん」
「うっさい! 私はチャラ男が嫌いなんだ! しっしっ!」
「あ、あわわ⋯⋯!? や、やめてください、二人ともぉぉ〜〜!!」
真っ赤なポニーテールと
「下級貴族の生徒が『
と、俺は『セイラ』という子が言っていた『唯一の下級貴族出身』というところに引っかかったので質問をした。
「そうよ。普通、この『
「へ〜、それはすごいな。ちなみに俺も
「「「⋯⋯へっ?」」」
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