雨音と朝

 さあさあと降る雨の音は嫌いではない。軒先からアスファルトを叩く、パタパタという音も。薄暗い部屋はぼんやりするのにちょうどよくて、晴れた日の朝より少しだけ気怠い感じがする。考えがなかなか纏まらないような、すぐに霧散してしまうような。重たい瞼を擦る。今、目を閉じてしまったら絶対に眠ってしまう自信がある。雨の日の朝は寝付きがいいんだ。ベッドの上で上体を起こす。湿気で蒸し暑いような、雨で涼しいような。どっちかわかんないままカーテンを開ける。部屋の中がさっきより明るくなったように思えるけれど、さっきまでとあまり変わらなくて薄暗い。電気を付けると一気に明るくなる。明るすぎて暗くしようとしたけれど、これでも暗い方らしかった。

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