第45話 プラントさんの魔法お披露目会
ティルディスの我が家に戻り、プラントさんに家の中の案内や付与術を施された道具の使い方などを説明し、使う部屋を決めてもらった。
プラントさんは外観に驚き、内観にも驚き、付与術道具にも驚くという、製作者を喜ばせるのに十分な反応をしてくれた。
やはりお風呂が気に入ったようで、24時間いつでも暖かいお風呂に入れるというのは女性(?)にとってはポイントが高いようだった。
一通り見学した後は、お待ちかねのプラントさんのスキルお披露目タイムだ!
オレたちも闇魔法と召喚術は今まで見たことがなく、プラントさんもまだ怖くて1回も使っていないとのことだった。
万が一、王都で使って何かあったら大変だと話し合い、自宅に戻ってくるまで我慢していたのだ。
「よし! プラントさん早速やってみよう!」
念のため20m四方の“
プラントさんとオレ以外は結界の外で見守っている。
オレは以前、結界内で魔法を使って死にかけた経験があるので、いざという時にプラントさんを守れるよう準備していた。
プラントさんは緊張した面持ちだ。
「な、何をどうしたらいいですか?」
「まず闇魔法から見てみたいな。あそこに的を作るからあれ目掛けて魔法を打ってみてよ」
15mくらい先に土で人形を作りだす
「わかりました。じゃあまず“
プラントさんが手のひらを土人形に向けて詠唱すると、手のひらから濃色の蒸気が立ち始め、同色の蒸気が土人形に纏わりついていった。
プラントさんが“
「あれ? 消えたね」
「そうですね……。失敗しちゃったんでしょうか……?」
「いや、魔法はちゃんと発動してたと思うよ」
2人で確認の為土人形に近づいていく。
すると土人形がヒビだらけになっているのがわかった。
嫌な予感がしたので石を拾って投げてみた。
コツンと石が当たると、ボロボロッと崩れていき、土も泥状になっていった。
「うぉっ……これはエグイ魔法だね……」
「本当ですね。いつどこでこんなの使えばいいんでしょう……」
「とりあえず人はもちろん、魔物にもなるべく使わないようにしようね……」
内側からドロドロに溶けていく魔法の様で、使われた方はもちろん、使った方も精神的なダメージを受けることは間違いないだろう。
……一応“
他にも“
色々試した結果、『全体的に闇魔法はえげつない』という事が分かった。
そしてお待ちかねの召喚術だ。
プラントさんを“スキャン”したその時から気になって仕方がなかった魔法だ!
何を召喚できるんだ!?
ワクワクが止まらない!
「じゃあ、いよいよ召喚術の方を……お願いします!」
「はい! ええと、召喚術は自分の魔力を媒体として適合する魔物を呼ぶパターンと、魔物と直接契約するパターンがあるようです。今回は呼ぶパターンの方ですね」
「お願いしまーす!」
プラントさんが詠唱を始めると、結界魔法でも見たような文字や記号、幾何学模様が地面に浮かび上がり、青白く光り始めた。
徐々に光が強くなり、プラントさんが“
背中に2枚羽が生えていることから、一見鳥人族の女性かと思ったが、鳥人族よりもはるかに大きな翼をもっている。
凛々しく端正な顔立ちがとても美しく、豊満な胸と全てが見えてしまいそうな際どい衣服で目のやり場に困る。
しかし、そんなことは言ってられない。
何が起こるか分からないため、注意深く観察しながら警戒する。
不測の事態に備えて一瞬たりとも目を離さない。
特にいきなり剣や魔法で襲われては困るので、上半身に細心の注意を払う。
何も見逃さないように視線は既に1か所に釘付けだ。
魔方陣から出て来た女性がゆっくりと目を開けた瞬間、右足のつま先に激痛が走った。
何の攻撃を受けたかもわからず、焦って自身の足を確認すると、プラントさんの足が乗っていた。
こちらを冷たい目で睨みながら、怒っていらっしゃる。
「見過ぎです」
「け、警戒していただけです」
「まぁ確かにあれは凶悪な武器ですからね……。今後の為にもあの目障りなブツに“
さっき禁じ手にしたばかりの魔法を早くも解禁しようとしていらっしゃる。
怪しく笑うプラントさんのダークサイドが垣間見えたような気がした。
使える魔法は性格なども影響するのかな……。
召喚された女性はキョロキョロと辺りを見回しこちらに顔を向けてきた。
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