第11話 王城内調査② - 文官

「楽にしてよいぞ。そして騎士団以外はどうだ?」


 膝をつく2人に声をかけた後、グロムはオルザファレンに尋ねた。


「はい。現在も調査中ですが、今の所、王城内では2~3割ほどがスキルを賜ったようです」

「ほほう。どのようなスキルだ?」

「やはり所属している部署により特色があるようです。情報部などでは隠密や探査スキル、研究部や図書管理部では錬金術、付与術、それに魔法スキルを賜った者がいるようです。殿下や騎士団長と同じく複数のスキルを賜った者もいるようです」

「どのようなスキルか分からぬ物もあるが、直接的な戦闘スキルというよりは後方支援的なものが多そうだな。やはり経験や知識により傾向があるのか。それにしても魔法だと?」


 魔法など神話や小説などでは出てくるものだ。


「はい。賜った者は10数名おりますが、実際に使えた者はまだ2~3名で、何もないところから火や水を出すことに成功しておりました。こちらも訓練してゆけばより強力な力になるかと存じます」

「御伽噺のようなものかと思っていたが実在するとは……。直に見てみたい。後で案内をしてくれ。それから来るべき日に備え、十分に鍛錬するよう伝えてくれ。必要なものがあれば手配してやるように。もちろん、騎士団や他の部署にもだ」

「畏まりました。それからもう一点ございます」

「なんだ?」

「図書管理部のセリシャという女性が、”スキャン”というスキルを与えられました」

「スキャン? それはどういったものなんだ?」

「はい。どうやら他者が持つスキルの種類や強さなどがわかるようです」

「なに!?」

「それは本当ですか!?」

「そんなことが……!」


 グロムを始め、他の2人も驚きのあまり声を漏らす。

 スキルの種類に関してはお告げで本人ならわかるだろうが、強さまでわかるというのはどういうことだろうか。


「強さがわかるというのはどういうことなのだ?」

「レベルというものがあり、現在どのくらいの強さなのかが数値化して見えるそうです」

「強者がすぐにわかるというのか?」

「基準がどの程度なのかというのが不明なため、これからデータを集めて検討となりますが、数値が高い方がより強力であると考えられます」

「なるほど……。その者をここへ呼んでくれ」

「そう仰るかと思い、既に待たせております」


 そういうとオルザファレンは執務室の外に待たせていたセリシャを連れてきた。

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