第2話 異変

__警備室


「おい! ニック、起きろ」


複数の大型モニター前の机に枕があり、そこでニックはぐっすり寝ていた。


「おいって! お前いつまで寝るつもりだよ! 起きろニック!減給されるぞ!」


減給の言葉を聞いてパッチと目を開けて素早く立って大きな返事をする。


「はい! こちらマイロン・ニック異常ありませんので、寝ます!」


寝ぼけたように言うと、また寝始めようとした。すかさず相方が止める。


「寝るなー! ニック!! 異常大有りだ! さっき親御さんが息子を探してくれって、連絡があったから行くぞ!」


それを聞くと、ニックは眠りについた。

すると、相方は顔をニヤけて言った。


「あ~あ、いいのかなぁ 見つけたら主任が臨時ボーナスあげるって 言ってたのに、仕方ないなぁ~自分だけでも探しに行こう~と、」


その瞬間、ニックの頭に電撃が走る。

ニックは相方の服掴み、


「お、俺も行くぜジョン、一人だと大変だろう?」


「よし!なら早く行くぞ」


二人は、警備室をあとにして、急いで連絡をした母親のいるインフォメーションに向かう。

 その道中相方ジョンに尋ねる。


「そう言えば、ボーナスの件だけど、いくらくらい貰えるかなぁ?」


ジョンは当然の様に答えた。


「えっ、まさか貰えると思ったのか?

それより急げよ」


ニックは、しばらくマヌケな顔をしてようやく自分が騙された事に気がついた。


「へぇ?」


 そうしている間にインフォメーションにたどり着いた。受け付けをしていたジェシカがこちらに向け手を振っている。インフォメーション前には、少し悲しげの表情をした女性が立って居た。

 ジョンがその女性に話しかける。


「すみません、もしかして息子さんを探している親御さんですか?」


すると、母親は涙ぐんで話し始める。


「そ、そうです。実は先ほど食品エリアで買い物をしていたら突然いなくなって‥‥」


そ言うと、母親は泣き出した。

ジョンは慰めようとするが、泣き止まない


「と、とにかく私たちにお任せください!なっ、ニック!」


 ジョンはニックに合図ちしようと振り返ると、ニックは静かにあとを去ろうとしていた。

ジョンは、ニックを叱りつけ申し訳なさそうに母親とジェシカに謝り二人は食品エリアに向かった。



ニックは、やる気無さそうにジョンに尋ねる。


「そう言えばここら辺の食品エリアいつもよりに静かですね~」


ジョンは、やる気の無いニックを注意した。


「少しはやる気をだせ!」


ジョンは袖をめくり腕時計で時間を確認する。


「確かに変だな今5時頃だが、いつもはタイムセールで、食品エリアは人で溢れるのに」


「こんなこともありますよ~」


「ばか! そんなわけないだろう、俺はここで警備5年だぞ、今まで一度もこんなことなかったぞ!」


そう言うと、突然無線が鳴り出す。ジョンが無線に出る。


「こちら、ジョンとニックだ。どうした?」


「ザー 大変だ、今連絡が次々入ってきてるんが、ザー 人が次々姿を消しているらしい!」


「ケビン、冗談はやめろよ。仕事場で冗談はキツイぜ」


「ザーザー い、いや違うよく聞けジョン、さっきから客から ザーザ 人が次々消えているって連絡が来るんだよ!特に食品エリアからだ」


「ジーザス、マジかよ。 とにかく俺たちは母親の息子を探す」


「ザーザー分かった、とにかく気を付けろよ! それと、ザザーザーーー」


「ケビン?おい!」


「ザーザーーザーー」


「クソぉ! こうなったら早く見つけてすぐ戻るぞ、いいかニック!」


ジョンが振り返ると、ニックが静かに後退りしようとしていた。

 

「お前正気か? 何してるんだ!こんな時に」


ニックは、真剣な顔でジョンの胸ぐらを掴み答えた。


「俺は至って正気だ! 早く戻らないと俺の高級枕が誰かに奪われるだろうがァ!」


ジョンは、放心状態になり悟った。


「こいつダメだ、正気じゃねぇ」


すると、遠くの方から叫び声が聞こえてきた。

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THE スーパーマーケット バナナキング @Mysteryman

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