THE スーパーマーケット

バナナキング

第1話 ファミリーマーケットへようこそ

 早朝 、まだ辺りは暗くとても冷たい風吹く。その中、朝早くひとつのスーパーマーケットが開店していた。


その名は、ファミリーマーケット。


この話は、そのスーパーマーケットで起きた不可解な現象の話である。



____


「マイティー! どこなの?」


母親が呼び掛けていると、母親の真横の商棚から話しかけてくる声がする。


「ママー! 僕はここだよ」


「ッ!? ビックリしたわ! マイティー離れちゃダメでしょう?」


「だってー、」


 母親が注意していると、母親の後ろから何か物が落ちる音がした。

母親が振りかけると誰も居らず、商品が入った商品カゴだけが通路脇に置いてあった。


「あれ、気のせいかしら? さっきまで女性が居たような、カゴ置いてどこかに行ったのかしら」


 母親は、息子が話しかけた商品棚に話しかける。


「マイティー。 今そっちに行くから動かないでね、またはぐれちゃうから。良いわね?」


母親が呼び掛けても、返事がない。


「マイティー? マイティー!」


そう呼び掛けると後ろから、


「わっー!」


マイティーが背後から驚かせてきた。母親はビックリし、マイティーを叱り付ける。


「ダメでしょう!マイティー。ビックリしたじゃない」


悲しげにマイティーは反省した。


「ごめんなさい‥‥」


母親はしっかり反省した様子のマイティーにハグをして言った。


「良いのよ、しっかり反省したなら、

次こそ気をつけてね良いわね?」


マイティーは、袖で涙を拭って返事をする。母親は、笑顔でマイティーに話しかける。


「今日の夜ごはん何が良い? ハンバーグ? それとも、オムライス?」


マイティーは笑顔で、


「マックが良い!」


母親は、しょうがない顔をして、


「良いわよ、マックにしましょう」


そう言うとマイティーは、弾ける様に喜んだ。


「やったー! マック!マック!」


母親が話しかける。


「そろそろ行こうか買い物も終わったことだし」


「うん!」


「今度は、はぐれちゃダメだからね」


「分かった!」


そう言って、マイティーと母親はレジに向かう。少し進んでいるとマイティーが急に歌い出した。


「なに歌っているの?」


「キラキラ星! この前幼稚園で習ったんだ!」


母親進むその後ろからマイティーが付いてくる。


「キラキラ光る、お空の星よ、瞬きしては~‥‥」


突然歌が途切れ、疑問に思い尋ねる。


「どうしたの、続きは忘れちゃった?」


しかし、後ろから返事が無い。不思議に思い母親は、立ち止まり振り返る。


「マイティー?」


しかし、通路には、マイティーが履いていた靴だけが片方あり、マイティーの姿は無かった。

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