第2話 アークノイド・ルードルス

気づいたら俺は寝ていた。情報が流れてくる。俺の名はアークノイド・ルードルス。家族からアークと呼ばれている。さっきまで女神と一緒にいたが、大量の情報で脳が壊れるのを防ぐため5年間記憶は封印していたようだ。

今日は俺の5歳の誕生日だ。早速食卓に行こう。



食卓に着くと、みんな揃っていた。先代当主でじいちゃんのアルフォンス、当主で父さんのアーサー、母さんのエルサ、おばあちゃんのエミリー、3歳の双子の兄ラックと妹サラだ。


ウチの家系は嫁入りしたエミリーとエルサ以外は全員アルフォンスの血の影響で赤髪が特徴的だ。そしてアルフォンスはそうでもないが、アーサーはかなり美形の部類に入ると思う。俺も部屋で鏡を見たが、結構イケメンだった。前世ではチヤホヤされた記憶がない(チヤホヤされた記憶を消したのかもしれないが)ので俺的にはかなり嬉しい。俺は席に着いてみんなで食事を始めた。


異世界初めての食事はめちゃくちゃまずかった。前世と比べてとにかく味がない。これを毎日食べるのはマジで辛い。

食事がおわると、プレゼントをもらった。

護身用の短剣と魔法適正を調べる魔導具だ。

魔法適正を調べる魔導具は透明な水晶の形をしている。これは手をかざすと適正のある属性に応じた色の光が光る。光は強ければ強いほど才能がある証拠だ。

俺は強い赤い光、強い風の光、弱い水の光が灯った。俺は火、風に才能があって水は一応使えるようだ。

父のアーサーは魔法の才能がなかったので大喜びしてくれた。



魔力はみんな持っているが、属性に適正がないと属性魔法は使えないらしい。属性には

火、水、風、土、光、闇の6属性が存在する。

1属性を持つものはシングル、2属性はダブル、3属性はトリプル、4属性はクアドラプル、5属性をクインタプル、6属性をオールと言う。

属性を持つのは全体の6割で、属性を持つものの中でも8割がシングルらしい。

ダブルは王国軍の魔法師でも珍しく、トリプルになると宮廷魔法師を目指せるレベルらしい。つまり、俺は素質だけなら十分宮廷魔法師を目指せるということだ。

中級貴族以上の当主はほとんどがダブル以上で、王族にいたっては、大半がトリプルらしい。

クインタプルは小国にも数人いて、大国となると、100人を超える国もある。

オールは大国でも十数人しかいないほど希少だ。オールがかなりいると思うかもしれないが、それはこの世界全体の人口が半端なく多いからだ。


しかし適正の数は大事だが、何もそれだけではない。とある大国で10人以上のオール魔法師を抑えてシングルで筆頭宮廷魔法師になり、極炎の魔法師と呼ばれた人も存在する。



適正検査を終えた俺は明日から、本格的に魔法と剣の練習が始まる。

普通、貴族でも7、8歳からしか魔法訓練は始めないが、俺は一時間に及ぶおねだりで教えてもらえることになった。俺は成り上がりを目指しているのだ。小さい頃からの訓練は必ず大きなアドバンテージになるし、小さい頃なら魔力量が上がることも期待している。




俺の目標は偉くなる事だ。せっかく転生できたのだから、出世できるところまで出世したい。この世界で出世する方法はただ一つ。戦争で手柄をたてることだ。そのためにも俺は強くならないといけない。

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