第11話 ストーカー


「「「は?」」」



全員が声を揃えてそう言った



侑「詳しく聞いてもいい?」


そう言われたので

いいよと頷きとりあえず深呼吸をして心を落ち着かせた。




少し覚悟を決めて口を開いた


『あの人は中学の先輩で、私の友達と仲良かったの』



そう。初めは何も繋がりなんてなかった。



ある日、友達が3年の先輩と仲良くなったと嬉しそうに話していた


へ~!よかったね!


それくらいにしか思っていなかった



私は友達とよく友達のストーリーに登場していたため


友達と仲いい子は私のことを知っていた子も多い。


そんな時、友達が仲良くなれたと言っていた先輩からフォローが来た


まあ別に友達の友達だからいっか~くらいの気持ちで承認した



「アオちゃんって○○と仲いい子だよね?」

「俺もアニメとか好きだから良ければ仲良くなりたいな」


最初はそんな感じの会話だった。


印象は普通にいい人。優しかったし。



先輩からDMが来たことを友達に話すと

「直人先輩、アオのこと可愛いって言ってたよ~!!良い人だし仲良くなれたならよかった!」


と、周りから見ても優しくて良い人って感じよ人だった



特に何も関係に変化はなく、先輩は高校生になった。


変わったのはそこからだった。


少し友達の名前を出しただけで

「そいつ男?好きなの?」と聞かれるようになった


次第にエスカレートしていき

「アオちゃん今日○○で見たよ可愛かったよ」

「今日話してた男誰?」

「文化祭行くから会おうよ」

「家来ない?」


とまあ、なんで知ってんの?!と思うような内容や会いたいなどの内容まで送られてくるようになった



この時点で私はなんかこの人怖いな~

と思い、連絡を取るのを辞めた。



しかし、連絡は止まなかった


無視しても送られてくる連絡


次第に内容は気持ち悪いものになっていく。


「アオちゃんとしたいな」

「俺と気持ちいいことしない?」

「アオちゃんのこと想像してしてるよ」

「俺以外の人に抱かれたら許さないから」

「今度会いに行くからしようね」


それだけではなく、私のことを

自分の「彼女」として周りに紹介していたのだ


彼女ですらないし、2人で会ったことすらないのに



本当に気持ち悪かった。


すぐに連絡手段全てをブロックした。



しかし、学校で待ち伏せされるようになった


わたしは怖くなって、友達に相談した。


友達は先輩のことを良い人だと思っていたので、相談するかは迷った


でも、友達にも被害が及ぶかもしれないと思い

全て話すことにした


会話の内容を全て見せると友達は

「こんな人だと思わなかった、繋げてごめんね」


と申し訳なさそうにしていた。



まあ、この子は何も悪くないし

むしろ大好きなこの子に何も無くてよかった。



ブロックした後は、友達と行動するようにり、

親に迎えを頼んだりと会うことは無くなった。



何度か連絡先を変えてメッセージが送られてきたことがあったが


さすがにしつこいと思い、

私が連絡先を変えることにした。


それから私は高校生になり特に何も無く過ごしていたのだ。



そして。先程の事件が起こった。



このことを話すと3人とも


「「「この男きっしょ」」」


みたいな顔をしていた



如月「何でまた連絡してきたんだろうな」


そんなの知らない、こっちが聞きたいわ


ルナ「あの人また連絡するとか言ってなかった?」


ああ、言ってたやそういや


ん~~どうするか、、と悩んでいると


侑「おれ、彼氏のフリしようか?」


は?


いやいやいや、そんなことしたら

ややこしいし面倒くさくなるでしょ!!!!



『いや、それは大丈夫!迷惑かけたくないし!』


と言いい

え~ならどうする?そのままブロックする?と悩んでいる時に


奴から電話がかかってきた。


もうこの際だからガツンと文句言って最後にしてやると覚悟をきめ、


電話を取った時だった


サッと携帯を取られた


「あの、迷惑なんでコイツに関わるの辞めてもらってもいいですか?」


「ちなみに俺と付き合ってるんで」


「次なにかして来たらストーカーしてた事バラしますから」


といい電話を切った。


『えっ?!なにしてんの!』というと


侑「いや~、あーゆー男嫌いなんだよね」

「もう連絡してこないと思うよ~」


と笑いながら、これで良しと言わんばかりの顔で私を見てきた。



あまりの面の良さと、安心で泣きそうになった。



「ほ~ら!送るからそろそろ帰るよ~」


明日も試合だしねと、家まで送ってくれた。



家に帰り、1人になると怖かったことから解放されて、少し泣いた。


ありがとうみんな。

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