第32話

たった一言に全身に鳥肌が立ち、気分が悪くなった。



貴久もスマホを握りしめたまま目を見開き、動きを止めてしまった。



「今の声って、なに?」



あたしの質問に貴久が我に返ったように呼吸をした。



「わからない」



そう呟き、スマホを見つめる。



いつの間にか電話は切れていて、スマホは元のガラクタへと戻っていたのだった。

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