第4-①話 魔石を売りに行くぞ!

 魔石採掘(というか錬成)から帰ってきて翌日。公彦はまだまだ疲れていたので今日は休みにしようと思っていた。


 そしたら先にエーベルに割り込まれてしまった。


「ねえ、きみぃ!

 今日、冒険者ギルドに行きたい。」


「え? そうなの? 魔石採掘場から帰ってきてまだ疲れてるから今日は休みにしようかと思ってたんだけど?


 今は結構お金にも余裕が出来たから、そんなに頑張ってクエストやらなくても大丈夫だよ?」


「ちがう。

 私も冒険者ギルドに登録したい!」


「ああ、冒険者ギルドへの登録ね? それならギルドに行かなきゃダメだよね!」


 その後一瞬の間ができる。



「えええええ? 冒険者ギルド??」

「なんじゃと---!?」



 公彦とフロッケは各々叫んだ。さらに公彦が確認を行う。


「えっと、急にどうしちゃったの? あんなにも登録するの嫌がってたじゃん。あと、エーベルのレベルだとめちゃくちゃ目立っちゃうよ?」


「確かに目立つのは良くない。

 でも、お母さんも言ってた。

 これからは自由にしなさいって。

 私、クエストやるの楽しい。

 きみぃと採掘場行ったりも楽しい。

 だから、冒険者登録したいかなって。

 もっと、きみぃやみんなの役に立ちたい!」


 エーベルはそう言って、とても好奇心に満ちた、ワクワクが止まらないといった表情で公彦を見つめたのであった。


『エーベルってはとっても良い顔するなあ!


 そういえば、最近のエーベルって以前よりいろんな表情をするようになったよな。と言っても、基本的にはポーカーフェイスだけど………。


 オレやフロッケと接している間に、感情を素直に表現しているってことだったら凄く嬉しいなあ。


 ミーナさん! 見ていてくれてますか? エーベルはこんなにも成長していますよ!』



「うん。わかったよ! オレとしてもとっても嬉しいよ! エーベルにそこまで言って貰って断る理由なんてひとつもない!」


 そう言って公彦は預かっていたエーベルの冒険者カードを返したのであった。



 そして3人は冒険者ギルドへ向かった。


 冒険者ギルド内ではすでにエーベルは有名人であった。みんなエーベルを見て噂を始めるのである。もちろん良い意味で。


「ちょっ! おぬしら! ベル様を推して良いのは儂だけじゃからな! 同担は拒否じゃからな!


 おぬしらはちゃんと儂を推せよ! ほんとにみんなわかっておるのか?」


 フロッケはベル様がすごいことでドヤれる気持ちと、みんながみんな、エーベルを推し始めないかという心配で気持ちが揺さぶられていた。


 しかし、みんなは知らなかった。実はエーベルが冒険者ギルドに登録をしていなかったということを。


 そしてこの後、冒険者ギルドが大きく盛り上がることは予想がたやすいことである。



 ちなみに、この国の冒険者ギルドに登録している中で、レベルが200を超えているのは3人しかいない。今回エーベルが登録することにより4人目となる。


 そして、一部の中二思考の冒険者たちは四天王と呼ぶようになり、そしてエーベルにも二つ名もつく。


『ヘッドオンクラッシャー』


 拠点を真正面から壊滅させたこともあるし、とりあえず個人戦となると正面からぶっ壊すことからこの名前で呼ばれるようになった。


 この日は結局エーベルの冒険者ギルド登録お祝いパーティーみたいになってしまっていた。


 フロッケはもちろんだったが、エーベルも悪い気がしなかったのか、とても積極的にパーティーに加わっていたようである。



 そして翌日、フロッケとエーベルは昨日のパーティーで飲まされすぎていて二日酔いになっていた。


 しょうがないので、公彦は水晶を売るためにひとり商業ギルドへ来ていた。事前の調査通り、普通の水晶や魔石は特定の商店でしか取り扱っていないらしい。


 しかし公彦はシリトンやアメジストを持っているため、こちらはいったん置いておき別の商人に会うことにした。


 商人というよりも、以前、エーベルと街へ散策へ出たときに、素人の公彦から見てもとても凄い装飾のジュエリーショップがあった。


 そのお店も商業ギルドに魔石を募集していたのでそこに行くことにした。



 ジュエリーショップ「クリスタ」と書いてある店に入る。


「ごめんください!」


 公彦はそう言いながら扉を開けた。


「いらっしゃいませー!」


 スタッフと思われる、ケモミミの亜人の女性がこちらにやってきた。


「えっと、魔石を買い取って貰いたくて来たんですけど?」


「なっ、なんですって? しょ、少々お待ちください!」


 そう言って亜人の女性は奥の部屋にそそくさと入っていった。そして3分ほど待った後に先ほどの亜人の女性と種族はわからないがなかなか横に恰幅の良い中年の男性がやってきた。


「ま、魔石を譲っていただけるというのは本当ですか?」


 恰幅の良い中年男性は汗を拭きながら公彦に言った。


「ええ。そうです。商業ギルドにも募集があったので尋ねてきました。よろしくお願いします。」


「そ、そうですか? と、とりあえず立ち話もなんですから、奥の部屋で話を伺います。」


 そう言って公彦は奥の応接室のようなところへ案内された。そして公彦は手持ちの普通の水晶を取り出した。



 ***********************

 いよいよ第三章を書き上げました!

 公彦の実際の仕事の話です!

 エーベルの仕事の話もあるよ!


 たくさんのPV、イイね、ブクマ、そして何より☆をお願いします!

 みなさんの力でこの作品を押し上げてやってもらえると嬉しいです!

 どうぞ、よろしくお願いします!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る