第3章
第1話 いざ、クエストをやってみよう!
公彦は地球上ではありえない、この世界独特の技術を感じていた。
それは『冒険者ギルドカード』である。
カードには魔石と呼ばれる、この世界独自の魔法力が閉じ込められた石が埋め込まれている。各ギルドでは能力チェックができるが、このカードにチェックした内容を刻むことが可能ということだ。
さらに、刻まれた内容は改ざんが出来ないという。万が一、能力値がおかしいと感じた場合でも、もう一度能力チェックをしてしまえば、内容は上書きされるので不正がバレてしまう。
能力値改ざんはとても厳しい罰則が与えられるため、今は誰も改ざんをしようとはしなくなった。
そして、このカードは通常、所属ギルドと氏名だけが表示されており、各国への身分証や通行証にもなっている。
ちなみに、このカードを無くすと再発行となるが、ギルド貢献度に関してはこのカードから数値を積み上げていくため0に戻ってしまうらしい。各人のデータをクラウドで一元管理というわけにはいかないようである。
『さて、とりあえず冒険者ギルドと商業ギルドに登録した。今日からお仕事開始だ! ありがたいことに総合ギルドから支度金として1週間ほどの宿代になるくらいを頂いた。期待値が大きいな。応えられるように頑張らねばならん!』
公彦はそう思いながら、3人で冒険者ギルドに向かうことにした。そしてクエストコーナーへ向かう。
『なるほど。確かに以前にフロッケが言っていた通り、レベル20だと犬猫探しくらいしかない。薬草採取ですら40から50が必要条件なのね。
輸送護衛も複数人でリーダークラスとしてレベル100とかもあるね。モンスター討伐系や遺跡探索も50から150でピンキリだ。
ただ、逆に150を超えるクエストというのは少ないのね。まあ、報酬も高くなるし、150を超える人もあまりいないのだろう。
そうなると、フロッケの存在はマジでありがたいな。複数人条件のクエスト以外はだいたい受けられそうだ。っていうか、そもそもフロッケはギルド的に顔パスみたいなところあるみたいだしね。
クエストさえ受けてしまえば、フィジカル系ならエーベルひとりで全部クリア可能だろうし、当面生活するのは問題ないだろう。って、ちょっと屑な考えだな。ハハハ。
でも、実際のところ適材適所だ。オレはここでは役に立ちそうも無いので、商業ギルドに行ってみるとするかな?』
「ねえ、エーベル、フロッケ!」
公彦はふたりを呼び、ふたりは公彦のところへ来た。
「冒険者ギルドのクエストはふたりに任せちゃって良いかな?」
「なっ? お主は早速さぼり宣言か? 屑野郎ではないか。」
フロッケはゴミを見る表情になっていた。
「なっ! 失礼な!
ここのクエストはどう考えてもオレ向きじゃないし、ふたりのほうが専門でしょう?
オレは自分の能力を活かせるような仕事を探すために、商業ギルドのクエストを見てこようと思うんだ。」
「うん。良いと思う。
きみぃは自分の得意なことをすると良い。
私、ここのなら得意。
いっぱい稼いでおくね!」
エーベルは快く引き受けてくれた。
「このような可愛らしい女子二人に、力仕事を押し付けるつもりか?」
フロッケは何やら納得がいっていないようであった。
「ダメなの? オレが商業ギルドへ行けば、エーベルとふたりっきりで仕事が出来るんだけどねぇ?」
「なんじゃと!? ほれ、早う商業ギルドへ向かわんか! こっちのことは儂に任せておけ!
なんなら、ずっと儂がここでクエストをしておるわ! ベル様と二人でな!」
『相変わらずなんてチョロイ奴だ。まあ、フロッケがこんなんで助かるけどね。』
そして公彦は冒険者ギルドでの仕事をふたりに任せて、自分は商業ギルドへ向かうことにした。
『なるほど。商業ギルドでは〇〇売ります! ××買います! みたいなものが多いのね。あと、個別のお店の宣伝やイベントの告知なんかもあるんだ。
フリマや情報サイトっていうイメージだね。あとはまあ、冒険者ギルドと内容が被っているものもあるね。』
公彦はそう思いながら商業ギルド内をあちこち歩き回っていた。そしてあることに気が付くのである。
『あれ? そういや冒険者ギルドでもクエストが多かったけど、魔石採集や魔石買付のクエストが多いね?
これなんだろう? そういや以前にフロッケさんが、魔石採掘場の魔族とドラゴン族が抗争していたって言ってたな?
もう一度、詳細をフロッケに聞いてみよう。もしかしたら、かなりのビジネスチャンスなんじゃなかろうか?
商社マンもやっていたころの勘がビンビンにオレに訴えてくるよ。』
そして公彦はもうひとつのギルド、生産ギルドにも行ってみるのであった。そしてそこでも魔石採集系のクエストが散見されていることを確認する。
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いよいよ第三章を書き上げました!
公彦の実際の仕事の話です!
エーベルの仕事の話もあるよ!
たくさんのPV、イイね、ブクマ、そして何より☆をお願いします!
みなさんの力でこの作品を押し上げてやってもらえると嬉しいです!
どうぞ、よろしくお願いします!!!
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