第4話 魔法でなんとかならないか?
森での生活にも慣れてきた公彦とエーベル。しかし、公彦は納得いっていないようである。とても強い危機感を持っていた。
追加の牧を拾いながら………。
ちなみにエーベルはすでに森へ出かけている。
『にしてもヤバいぞ。本当にヤバい。
人間族の国に行っても門前払い。森での狩りはエーベルに任せっきり。異世界にきてからオレ、まったくもっていいところを出していないじゃないか!
そもそもキャンプ知識やサバイバル知識も無いよ。こんなところにいたのではオレの良いところはまったく生かせないじゃないか!』
ブツブツと考えていたら、エーベルが戻ってきた。
エーベルは早速魔法で火を点ける。
「こ、これだ!」
突然、大声で叫ぶ公彦に対して、エーベルも不思議がっている。
「エーベル! オレにも魔法を教えてくれないか? 魔法があれば、オレももっと役に立てるかもしれない!」
「いいけど、私、そんなに魔法得意じゃない。
火の魔法しか使えない。」
「マジで? いや、それでも教えてほしい! オレは全属性あるんだから、コツさえつかんでしまえばあとは得意の『カイゼン』でどんどん使っていけるかもしれないし!」
そして公彦はエーベルに魔法を教えてもらうことにした。
エーベルは特に難しいことはしておらず、(できないだけかもしれないが)以下の2点のみであった。
・身体から魔力を感じてそれを1か所にまとめる
・まとめた魔力を火に変える
(イメージするということみたい)
『うっ、うーん。魔力を感じるっていったって、オレのいた世界ではそういうのはなかったからなあ。イメージがわかないなあ。
あ、でも甥と見たアニメではこういうときはご都合的になるはずだ。ここも何とかなるはずじゃないかな?』
公彦はそう思い、とりあえず、心を落ち着かせて魔力を感じてみることにした。
『おおぉ。確かに何かを感じるような気がする。流石は神様のスキル! じゃあ、次はそれを指先に集める! そんで火を点ける!』
バチバチバチ!!!
「わぁ!」
指先から炎が出てきてびっくりする公彦であった。
「きみぃ。すごい!
やったね!」
エーベルも拍手して喜んでくれた。
エーベルに喜んでもらえた公彦はさらに調子に乗って今度は水を出してみた。これも成功する。最後は風を起こそうとしてみる。これも成功。しかし、
ひらり。
エーベルの着ている布をめくってしまうのであった。
「やっぱり私の身体。
興味あるんだ?」
これまた特に表情を変えずにエーベルは言うのである。逆に公彦が顔を赤らめて、
「いえ、これは違うんです。………。えっと、ごめんなさい。」
その後も公彦はいろいろと試していた。その後、川のほうへ向かう。
パチン!
公彦は指を鳴らし、雷の小さいものをいくつか川の中へ落とした。すると、数匹の魚が浮かんできた。それを今度は風を起こして、こちら側へくるように誘導したのである。
「おおお! 我ながらこんなにうまくいくとは思わなかった!」
「おお! お魚!」
公彦は魚を抱えて戻ってくると、珍しく嬉しそうな表情をしているエーベルであった。
「え? 魚好きなの?」
「うん。好き!」
「じゃあ、今までなんで取ってこなかったの? 河原じゃん。魚も結構いるみたいだったよ?」
「私、そんな器用なことできない。
やっても吹っ飛ばすだけ。」
『なっ、なるほど。とても納得。見た目が可愛い女の子でも実際のところはドラゴンだもん。しょうがないよね。』
そう思いながら、公彦は魚も串刺しにしていっしょに焼いたのであった。嬉しそうに魚をほうばるエーベルを見て、公彦も自然と笑顔になっていた。
公彦は食後もいろいろと魔法の練習をしていた。物理の法則が地球と同じものだったので飲み込みは早いほうだろう。火・水・風・土をいじることができるようになっていた。
『とりあえずはこんなものかな? 少し魔法についてコツを掴んだような気がする。
ああ、もっと物理とか化学、まあ科学も含めてだけど、これらを知っていたらチート魔法も使えたかもしれないな。まあ、そこは無いものねだりをしてもしょうがないか………。』
「ねえ、きみぃ!」
「え? どうしたの?」
「急に魔法をたくさん使うのダメ!
疲れるよ?」
「うそ? そんなことって………?」
『あ、確かに車を買ったばっかりの時、ドライブの後はすごく眠くなったっけ?』
そう思いながら公彦はヘナヘナと地面に寝転んでしまった。そしてそのまま意識が遠くなっていくのであった。
結局、この日はこのまま一日中眠ってしまうことになるのである。
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カクヨムさん的には約1年ぶり、自分的には約半年ぶりくらいに復活しました!
今回はより見やすくわかりやすい、それでいて面白いをコンセプトに小説を書いてみました。
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現在はプロローグ合わせて8話分を書き溜めて順次公開していきます。
評判が良かったら続きを書いていこうかと思います!
それでは引き続き、小説の世界をお楽しみください!
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