>―――― 

 ――助けてと、声が聞こえた。


(お前が呼んだのか?)

 が意識を向けたとき、それを呼んだものは既に息絶えようとしていた。

 体の中身を道端にぶちまけた無残な姿を、誰に顧みられることもなく。無念のうちに。

(嗚呼、だめだ)


 こんなところで、を死なせてはいけない――。




 自らが抱く想いのままに、は手を伸ばした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る