第20話・仲良しになって欲しいです
シリクと闘って少し経ち、今は学院の授業を受けている。
「まず基本的な知識からする。まず魔法とはなにか答えてみよ。えーそれじゃあトハン」
「はい!魔法とは、空気中に存在する魔素を体内に取り込み魔力に変換し、魔力をエネルギー源として精霊に語りかけ、精霊に魔力を対価に魔法という異法則を出現させる技術の総称です」
「……完璧だ」
この世界を創った神を舐めてもらっちゃあ困るぜよ。ちなみに魔素を魔力に変換できない人が、魔法を使えない理由である。
「それじゃあ続けてトハン。使える属性が人によって決まっている理由を答えてみよ」
「えー、そもそも魔法とは精霊に語りかける必要がありますが、精霊は1人にずっと宿り続ける。言わば守護霊のようなもの、精霊とどれだけ適性があるかで才能の有無が決まってきます。複数体の精霊が宿っている人を
俺に宿っている精霊王……に偽装した精霊神は、普通の精霊の数億倍、数兆倍の力を持っているが、封印魔法で精霊王くらいに制限されている。
俺のとばっちりで力を封印された精霊神には申し訳なく思っている。
「完璧だ。トハンが言ったように
ミシアには複数体の精霊が宿っている。
不自然な程に……少なくともこの世界に存在する【無・火・水・土・風・雷・氷・光・闇・霊】の全属性が使えるだろう…だが本人に自覚はあまりないみたいだ。
──────────────────
次の時間は……特待生クラスの実技演習か…
3日目とはいえ早いなもう実技演習か
「先生…ちょっと体調悪いので保険s…医療室に行ってもいいですか?」
「あぁいいぞ…誰か着けさせるか?」
「いえ、一人で行けます」
「わかった」
カチャ…
「よし誰も見てないな」
そうして俺は仮面をつけてスログアドラーの見た目に変化した。
──────────────────
「これから実技演習を始める。実技演習中にお前らを守ってくれる上級冒険者様だ」
「スログアドラーだ。よろしく」
「誰だアレ?」「強いのでしょうか」
今の俺は様々な偽装魔法を使ってスログアドラーという存在そのものに偽装を使ってSSSランク冒険者じゃないスログアドラーということになっている。とにかく今の俺は上級冒険者という認識しかできないようになっているのだ。
「スログアドラーは護衛という立場だ。今日は見ているだけでお前らに本当の命の危機にならないと助けたりはしない。油断するなよ」
「せんせーい」
先生になんの敬意を持たず話しかけるのは、白髪緑眼の少年。服の裏に隠れる十分な筋肉。しかしそれを表に出さず日本の学校にいれば虐められるような、ひ弱そうな見た目をした少年
しかし言葉は荒っぽく眼の奥に見えるのは強い自信の眼
「なんだね」
「こいつ本当に強いんすか?弱っちそうなローブとなんだよあの仮面は、笑わせんなよ。俺らはSランク冒険者に匹敵する才能を持っているんだ。上級冒険者とはいえAかそこらだろう。こんな奴が護衛なんて俺はゴメンだね」
ふむ、自分に過剰な自信人を見下すことしか出来ない姿勢…しかしその過剰な自信が芽生えるほど、類稀なる才能…か
周りにいる人たちも確かにSランクになれる才能は持っているようだ。
「別に私を信用する必要は無い。お前らを守るのが私の仕事だ。盾にでもなんなりするがいい」
「チッ、生意気だな」
──────────────────
今回は昨日学長が言ってた迷宮だ。迷宮とは場所様々な罠が仕掛けられている。このダンジョンは無限迷宮、終わりがない迷宮で、下の階層に行けば行くほどモンスターが強くなるという特性を持つダンジョンだ。
「迷宮つってもなんにもねぇんだな」
「油断しないでください。迷宮はどこから罠が出てくるかも分からないんですよ!」
ミシアが白髪緑眼の少年名を─
「ザヨンさん危機感を持ってください!」
ザヨンと呼ばれるこの少年【
公爵生まれの風と雷の
「罠?ハハッそんなの効かねぇよ。だってほら」
そうして
そして鉄製の槍が4本出現するが
「危ない!」
ミシアや他のクラスメイトの心配とは裏腹に笑って何もしないザヨン。
槍が突き刺さる瞬間───
「え?」
各々驚くような声を上げて見たのは。
ザヨンの体に触れるか触れないかの近さで静止した槍があった。
「俺の
全ての槍が前方を向き、発射された。
「
究極能力が2つか…才能に難は無いが…こんなに強いスキルが
この世界の
「とにかくこんな授業早く終わらせちまおうぜ」
そうしてザヨンとミシア、マリラの3人以外はほぼ見ているだけの授業になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます