第13話・再開する


にしてもまさか【空間転移】を使うと低確率で空間に異常が発生するって結構ヤバい問題だな


さっきサトに教えてもらったことなのだが、空間転移を使うと空間に異常が発生することがあるらしい。前にも起こったが、魔力災害は空間の異常により発生する災害である。だから俺は、【遠距離転移魔法】を使った。空間転移は行きたい空間と自分のいる空間を入れ替える魔法なのだが入れ替えた場所の環境の急激な変化で空間に異常が発生するという仕組みだ


遠距離転移は体を1度分離し、行きたい場所で再構築する魔法である。聞いた感じではヤバそうだが、いままで転移魔法で再構築が失敗した事例は無いので空間転移より安全である。



ザンツブルグ・夜安宿


1人の女性と1人の女騎士が休みを取っていた



「疲れましたね。まさか調査依頼中にハイオーガと出くわすなんて」


「そうですね。普通の人達ならば死んでいたでしょうが、の魔法で、倒すことが出来ましたね!」


「いいえ!違いますこれは、あの御方が下さった杖のおかげです。これのおかげで魔法が前よりも断然強くなりました!今は近衛魔法部隊の人くらいの威力があるでしょうか」


「そんなにその杖は凄いんですか?」


「えぇ!とっても!」


「にしてもなんか外がうるさくないですか?」


「おぉ!この町にいるって噂は本当だったんだな」「これがあのSSランク冒険者かぁ」


なんと言っているかは聞こえないが、みんなが尊敬を込めた声で何か言っているのはわかる


「なにかあったのでしょうか?」


そして


ガチャーン


大きな音をたてながら泊まっている部屋のドアが開き

この宿の店主の娘さんが


「2人とも、ちょっと来ていただけませんか?」


息を切らしながら私達を呼ぶ


「2人を呼んでる御方がいるのです!」


少し考えてから


「行きましょう、クリス」


「はい」


そうして私たちは、この宿の店主の娘さんが2人を呼ぶ人のところまで連れていってくれるらしい


「誰でしょうか?私達を呼ぶなんて、まさかがバレたんじゃ?」


「それは無いはずです王都からここまでとっても時間がかかります」


なんだろうと思っていると着いたみたいだ娘さんが


「では、私は失礼します」


と言って退いた時




「よっ!元気か?」


銀髪でオッドアイの会ったことがある人がいた


「はい!おかげさまで元気ですよ!」


そう答えた



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



にしてもここは相変わらず広いなさてのとこ行くか


衛星探索サテライトサーチでどこにいるかは分かるが


「おい、あれスログアドラーじゃね?」「うぉ!本当だ」


気付かれてないとでも思っているのだろうか、沢山の人がストーカーしている。SSランク冒険者はそんなにレアか


【この世界に3人しかいませんし人族では始めてなので仕方ないかと】


そんなこんなあって俺は、ミシア達が泊まっている宿、夜安宿まで来た


「おぉ!この町にいるって噂は本当だったんだな」「これがあのSSランク冒険者かぁ」


五月蝿いなぁ


「あのーこの宿に、クリスって人いませんか?」


「はい、いらっしゃいますがどのようなご要件で?」


「ちょっとその人達と話がしたいんだ。迷惑料は払うから」


言いながら俺は白金貨3枚を渡して言う


「・・・・え?」


凄すぎて硬直している。当たり前だこの世界では、庶民が白金貨を見ることなんてほぼ無いからな


「え…あっはい!今呼んできますぅぅ」


フラフラしながら2階に上がってった


大丈夫だろうか?まぁ白金貨3枚は多すぎたかな?まぁ神の授けって事で


そして戻ってきた。


「では、私は失礼します」


と言って退いて

俺は


「よっ!元気か?」


「はい!おかげさまで元気ですよ!」


とても爽やかな綺麗な声でニコッとした。

あぁ、とっても可愛いと思ってしまった


「あの、私が死にかけた時に、とてもすごい回復魔法をかけてくれたとレナから聞きました!本当にありがとうございます!」


「いや、いいよ魔力はすぐ回復するし、命の方が大事だよ」


最上級回復魔法とはいえ俺はいつでもすぐ使えるしな、そしてレナが


「それにしても私達とあった日はランクEだったのに、SSランク冒険者になってしまうとはいやはや驚きだよ、あれから、お前の周りに人が多くてお礼を言えなかったのは本当にすまない」


「大丈夫だよ、今こうしてお礼を言ってくれたから」


「そうか!」


「それで、なぜトハンさんは、私達を呼んだのですか?これを聞く為に来たんじゃないでしょう?」


「流石だな、あぁそうだよ、今日はある話をするために来た」


「それは?」


「………俺、王都に行ったんだ」


「そんな!ここから王都まで1ヶ月ある。トハンの最後の目撃情報は1週間くらいだったはずだ」


「じゃあ逆に言うけどSSランク冒険者が王都に行くのに1ヶ月かかると思うか?」


「た、確かに」


「なぁクリス、いや第二王女ミシア・アダルシア

何故、国を出たんだ?」


「……………………」


「大丈夫、今ここは防音結界で音を遮ってる、話しても大丈夫だよ」


「しかしそう易々と話せることでは無いのです。いくら防音されているとはいえ、貴方がどちらの派閥なのかもわからないのに」


「俺?俺は、平等派だよ」


「………私が国を出たのは、自分の国に嫌気が指したからです。貴族社会では、嘘なんか平気でつくし、派閥が違うせいで周りの貴族達は敵ばかり私を利用するためだけに、息子を婚約者に!なんて人もたくさんで。

でもお忍びで町に出た時はとっても素晴らしいと思ったんです。自由に世界を旅できる「冒険者」に!そして私は、そんな冒険者に憧れて専属近衛騎士のレナと共に国を出てきたのです」


なるほどな


この世界には、「平等派」と「貴族派」の2つの派閥がある。平等派は、貴族や庶民も同じ人間として平等にする派閥である。平等とは言っても貴族が町を豊かにするということで、少し上の立場で完全な平等ではないが、庶民からしたら、素晴らしい派閥である。

そして貴族派は貴族絶対主義では、人間ですらない、平民は家畜だと貴族が頂点なのだという派閥である。

この派閥は貴族社会での派閥なのでもちろん庶民には縁遠い話である


ちなみにアダルシア家は平等派なのだが他の貴族たちは貴族派なのだ。この世界は大体70%が貴族派30%が平等派だ


「でも家出という形で出てしまったから王都で指名手配犯みたいな感じになってるんだろ?」


ただ探してるだけと言うのは、言っちゃダメである


「私はあんな闇まみれの世界は嫌なのです」


「でも家族がいるだろ?第二王女ってことは家族がいるはずだ何故なんだ?」


「確かに家族のみんなはとっても良い人達です。私が居なくても、充分国をまわせます!」


「じゃあ、俺がお前を守ってやる!」


「・・・・・・・・・・え?」


「ん?」


今なんて言った?


『じゃあ、俺がお前を守ってやる!』


なんかノリで言っちゃったけどいいや進めちゃえ


「もう一度言う俺がお前を守ってやる!どんな敵からも、どんなやつからもお前を守る!」


「えぇ!急に何言ってるの!それって専属近衛騎士って、貴族社会では1番なるのが難しい職って言われてるのよ?」


って慌てているが急に後ろを向いて小声で


「─あっでも、もし専属近衛騎士になったらずっと一緒にいられるかも─」


何か言っているが分からないが耳まで赤くして何か言っている


そしてはっ、と向き直りまた話しを続ける


「いくらSSランク冒険者とは言っても闘う相手は魔物じゃなくて人間よ?闘い方も変わってくるわ」


「なんか面倒くさそうだけど俺は決めたんだ男に二言は無い!」


その決意に屈したのかレナが


「とにかくミシア、推薦だけしてみたら?魔物から守ることに関してはエキスパート中のエキスパートだろうし」


しばらく考え決めたのか


「そうね推薦だけしてみましょうか」


推薦まではあっさり通ってしまった





そして俺は、王都に行こうかと言ってとりあえず荷物だけ持って外に出てといった


そして数分後ミシアが


「荷物は、アイテムバッグに入れたので大丈夫ですよ」


レナも


「こっちも問題は無い」


と言ったので俺は、遠距離転移魔法を使ってもバレない路地裏まで行き王都の路地裏まで空間転移した


「え?なんか急に周りが見えなくなったと思ったらここって王都?なんか、結界の力を感じます」


言い忘れていたが、アダルシア王国は、結界で覆われている。効果は【魔物侵入妨害】【外的魔法攻撃軽減】【外的物理攻撃軽減】の3つが付いてる、この世界でみたら超高性能だ。

俺から見たら少し息をかけただけで割れそうだが


そんなことを思っていて道に出ようと路地裏から出るため少し歩いているとなにか声が聞こえた。ちょっと転移した場所奥すぎたかなと思って曲がり角からチラッと見てみたら女性が殴られていた。奴隷だったらこの世界では、合法的に認められているが、首を見ても首輪は無いので奴隷では無いため

俺が助けようとしたら俺よりも先にミシアが


「おいそこのお前、その女性に何をしている?」


「あぁん?少し鬱憤が溜まっていたからチョックラ拉致して、抵抗しなくなったらちょっと家まで来てマッサージをしてあげようかなと」


マッサージね、拉致した時点で何したいのかおみとおしだがな、っていうか目的を堂々と話すんだな


「ってお前も綺麗だな、お前にもマッサージしてやろうか?」


「ふんお前なんか私の魔法でぶっ飛ばしてやる」


「へっ、そうかよだがなぁこっちには、女がいるんだぞ?魔法が撃て…る……って女は何処だ?居ない、どこ言った?」




「ここだぞー」


俺は女性を抱えて建物の上に立っていた


「お前が長ったらしいお話を喋っている間に助けたんだよ」


超完全回復パーフェクトヒール


「大丈夫ですか?」


俺が声をかけると


「う、うーん、は、はい、大丈夫です。ちょっと気持ち悪いですが」


体に異常はないから精神的に疲れたんだろう


「早く家に帰ってくださいね?」


ストッ


「さ、行って」


「おめぇ何もんだ?あの高さが降りて着地する時に音が全然鳴らなかったし、俺様に気付かず女を、回収したのもそうだ」


「おめぇに言ってやる気は無い」


ただ【無属性魔法・身体強化・微】を発動しただけだ、普通の人達には、ほぼ変わらないが、能力値が高いほど効果は大きい、確か1.1倍だったかな?

え?∞を1.1倍しても意味ない?いや、能力値が高すぎて∞って付いてるだけで限界はある……


俺、誰に言ってるんだろう


「まぁいい、変な力があっても俺様のエクストラスキル【超怪力】と、レアスキル【戦況理解】があれば2人同時でも余裕だぜ?」


「…クリス、君は手を出さないで、俺はこいつと1体1をするから」


「……分かりました」


そしてミシアが杖を下ろす


「なんだ俺様と怠慢するのか?」


「いや?こんな狭い道で闘うとクリスが怪我してしまうかもしれないだろ?」


「ヒーロー気取りか?俺様を1人で相手できるなんて思い上がるなんてなぁ」


「そんな大口叩いても俺にはお前には本気出さなくても勝てるけどなぁ」


「へぇ?ならやってみようかこの俺の力をよー」


『武技・正拳突き・極』


【ユニークスキル【戦闘力模倣】を発動します】


【武技・正拳突き・極】



「へぇやるなぁ、そんなヘナチョコな体でっ!」


「お褒めに預かり光栄だっ!」


スキルを使って拳を合わせた時に出る波動で家が壊れるため直しながら闘っていた


『武技・鋼鉄拳』


【武技・鋼鉄拳】


『武技・六拳』


【武技・六拳】


「ハァハァ、お前舐めてんのか?なぜ同じ武技を使うんだ」


「そんなの決まってるだろ?力の差を見せつけてやるためさ」


「んな事言って攻撃力は同じみたいだぜ?」


「本当にそうかな?」


【武技・聖拳突き】


「くっ『武技・防御ガード』」


バキバキバキ


「イテェェェ」


「俺が本気を出してないことに気づかなかったんだな」


「テメェ許さねぇぞ」


【融合スキル【恐怖】を発動します】


「どっちが強いのか見定められないんじゃお前はド三流だよ」


【光魔法【熱光線】を発動しました。脳を貫きました。相手の死亡を確認しました。融合スキル【恐怖】を解除しました】


「べ、別に殺さなくても良かったんじゃ」


「あぁ、お前なら復讐に来てもあいつを返り討ちに出来るだろうから、生かしておいても良かったんじゃ?」


「ん?こういうやつを残しておくとまた同じことをするし悪に落ちたら、もうそいつは、人間じゃない」


スキルを発動していないのに謎の恐怖感を空間を支配した


そしてレナが


「…お前、ちょっと怖いな」


と言ったが俺はピンと来なかったでも俺は、前世でも正当防衛とはいえから考え方の観点が少し違うのかもしれない。



【死体の完全消去を実行しました。先程の女性から、襲われたことに関する記憶を消去しました】


俺は先程までのテンションとは打って変わって元気で明るい声で


「さーてそれじゃあ城に行くか!」


そう言いながら、道に出て城に向かうことにした




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