第12話・──エルフの里に行く



捜索者名・ミシア・アダルシア


どういうことだ?ミシアは第2王女だったのか、そりゃあこの大陸の王都の王女が家出してる途中だったら偽名を名乗るか


にしてもどうするか、俺のスキルでどこにいるかは分かる。でもだいたいこういう時って、国が面倒臭いとか何とかで家出したんじゃなかろうか

どう思う?サト


【はい 情報不足で確立とは行きませんが、マスターの考えの通りだと思われます】


そうだよなぁ


「──────────」


連れ戻すという名目で会いに行ったりとか?


「─い─ま──────」


でもそれで嫌われたくもないし


「おいそこの──────────」


【マスターを呼びかける声がしますが】


え?


「そこの銀髪頭聴いてんのか?」


銀髪頭って確かに合ってはいるがその言われ方は始めてだ


「あぁ、ごめんごめん聴いてなかったよ」


「聴いてないだァ?この私がお前の仲間にしてやろうと言ってんだぞ?」


そして気付くと俺は冒険者ギルドの前にいたそして俺に声をかけてきているのは………


幼女と言うにふさわしい、ちっちゃい金髪、緑目の女の子だったがギルドカードを首に掛けている。見た目以上に幼くないみたいだ、自慢する為だろうか


ギルドカードを見て見たら俺は驚いた、まさかのランクAだったこんな幼女が?とは思ったが、カードには『種族・エルフ・名前・エシア』と書いてあった。エルフというように耳も長いし疑いはしなかったがおかしい

普通エルフは18年くらいまでは人間と同じように成長してそこから、見た目は歳を取らず、残り1年になると急激に年老いて死ぬ、というのがエルフだがこいつはどこをどう見ても7歳くらいだ。冒険者になる為には少なくとも15歳では無いといけない


【付属スキル【解析眼】を発動します】


「──────────」


なにか喋っているが無視してサトの結果を聞くと


【解析結果・種族・ハイエルフ

実年齢・21歳】


ハイエルフかぁそりゃこんな小さいわけだ


ハイエルフとは、エルフと同じく18歳の見た目で止まるが、エルフと違うとこがある。それは、成長速度だ、ハイエルフは18歳の見た目になるのに54年かかる。これで分かった人もいるだろうが、エルフの3倍かかるのだ、それにエルフの寿命は300~500に対し、ハイエルフは2300~2500というとんでもなく長生きするしエルフと違って死ぬ時は内臓だけが老いて死ぬため死んだ後も美しい状態が続くのだそうだ

改めて見ると可愛いな、確かに成長したら美人になるだろうな


まあそれはいいんだけど、このハイエルフさんは、どうやら俺を仲間にしたいらしい、なぜなのかは分かる。多分ハイエルフの種族スキル【精霊眼】だろう。俺の周りには、沢山の精霊がいる。これはこの人は、美しい清い人ということだ。精霊は、一部を除き悪ければ悪い人ほど寄り付かなくなる。逆に沢山の精霊に好かれるということは、その人は、その精霊の数によってどれ程よい人なのかを見極めることが出来る。


多分この人は、狙われているんだろうな、いくらAランクとはいえ、大人数に囲まれたら負けてしまうだろう。だから俺に助けを求めているのだろう。だが


「我の仲間になれるのだぞ光栄に思うがいい」


そう、口が悪すぎるこんなんじゃ誰も仲間にならないのはあたり前だろうな、でも見捨てるのも可哀想だしどうしようか


【解決策としては────────ということをすればいいと思われます】


そうか、流石はサトだ


「なんと!仲間にしていただいても本当に宜しいのでしょうか?」


「!!そうだぞ!仲間になるがいい!ハッハッハ」


よしとりあえずこれでいい、ミシアのことは後ででいいだろう。竜でも出ない限り死にはしないしな


「なら1つお願いがあるのですが」


「おう!なんでも聞いてやるぞ!」


「ならば私に付いてきてください」


そう言って俺はエシアをおんぶして、【環境加速】を使いあるところに向かい始めた


【走りやすくするために空気抵抗をゼロにさせます】


「何だこの速さは、しかもこんなに走ってるのに、全然風が来ないな!そして、どこに向かってるのだ?」


「今向かってるのは、ハイエルフの里ですよ」


「ハイエルフの里?なんだそれは」


ハイエルフの里を知らない?おかしいな、サト、どういうことだ?


【この者は、エルフの里でエルフの変異種としてエルフの里で産まれました。なので自分は、エルフだと勘違いしているのでしょう】


記憶を見たのか、にしてもエルフの変異種ねぇ、本当はエルフの上位個体なのに


「いいですか?あなたは本当は、外の世界には居てはいけないのです」


そう、ハイエルフは、エルフの上位個体、大昔1人のハイエルフが捕まり奴隷として売られた、その事に激怒したハイエルフ達は、ハイエルフの全ての技術を使い人族を大量殺害したという歴史がある。それからハイエルフは外の世界に出るには、誰にも負けないほどの力をつけてから出る。というのがハイエルフの里の決まりとなった。ハイエルフはその個体の数の少なさから人族を絶滅させることには叶わなかったが、人族の2割弱を殺害したそうしてハイエルフは、人族に恐怖を刻み込んだ種族となった


実際今の時代エルフを奴隷にするのは、禁止とされている。理由としては、エルフの中にハイエルフがいる可能性があるからだ。だからエルフの売買は禁止されている、だがそうは言っても、どの世界にもルールを破るものはいるということだ


「まぁ、冒険者も飽きてきたしいいか」


そう言いながらエシアは寝てしまった


────────────────────


これが精霊門か


そう言いながらトハンが見ているのは精霊門、特定の者しか開けることが出来ない門だ。門しかないように見えるがここを開けると違う空間が広がっている。俺の亜空間みたいな感じだ。

特定の者と言うのは、精霊力が強いものだ。いくらどんなに弱いハイエルフでも、ハイエルフであれば開けることが出来る。他で言えばエルフの中に稀に生まれる才能がある者くらいしか開けられないくらい大量の精霊力が必要だ

だが俺にとっちゃ簡単に開けられる


ちなみにここは星霊山と呼ばれる山の中域くらいだこの山の頂上ら辺には星力がある。多分、この山がこの星の核なんだろう、山と言うがとんでもなく硬い多分俺の本気の精霊魔法を使っても破壊できない、壊すには神力が必要だろう。まぁ壊さないけど


ここに来るまで4日かかったがエシアの時をとても遅くしたのでエシアは起きず楽に来れた


「おーいエシア、起きてくださいな」


「うーんなんだ?付いたのか?」


「付きましたよー、起きたばかりで悪いけどこの扉開けられる?」


開けられないとまずい、この先はハイエルフの里、とんでもないくらい精霊力に満ちている。この先に行くにはこの扉を開けるくらいの精霊力かないと死んでしまう


「やってみる」


少し心配したがあっさり空いた。そして今思い出した。解析鑑定で精霊力どれくらいあるか分かるじゃん、と

いやーまだまだですなぁ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



ハイエルフの里・長老の部屋


「長老、約200年ぶりに精霊門が開きました」


「なんだ?そんなことどうでもいいと思うが何かあったのか?」


「それが、まだ幼いハイエルフと人族が入ってきたのです」


「人族だと!?」


有り得ない。幼いハイエルフはともかく人族などと、なぜ入ることが出来るのだ?


「その者をここに連れて来い」


「はっ!」




ここがハイエルフの里か……にしても目立つな、そりゃ人族だもんな、ハイエルフ達からしたら「なぜ人族如きが」とか思ってるのかもな、まぁ別にいいけど


ハイエルフの里、とっても大きな巨木に家を取り付けて住んでいる。家と家の間には大きな木の橋があったする。ちなみにちゃんと自然魔法で家を作っている為、枝が折れたりしない限り落ちたりはしないだろう。まぁこの枝もとんでもなく硬いがな


「おい、そこの人間、長老がお呼びだ着いてこい」


長老ねぇ、多分見た目は、高3くらいに見えるんだろうな


そして俺は、巨木についている大きな階段を上る。

上っている途中気付いた。この巨木の近くにある崖だと思っていた物は、木でできていたそして


【レアスキル【透視】を発動して上方向の枝、葉を見えなくします】


そこにあるのは、この巨木なんか比にならないほど、大きな大きな(大事な事なので2回言った)とんでもなく大きな木があった

肉眼ではてっぺんは見えずスキル【超遠視】を使ってやっと見えた。そして気付いたこの木に付いた枝や葉が上を覆い隠す様になっていた。

里が暗かったのはこういうことか


「凄いな…」


思わず声が出てしまった。この木、とっても力を感じる。精霊力はもちろんの事、神力も感じる


【解析結果・宇宙樹ユグドラシル


なるほど、これが宇宙に1本しかない宇宙樹ユグドラシルか、つまり精霊門は、亜空間に行くための門では無く、宇宙樹がある所まで行く転移門だった訳だ


そんなことを思っていると、長老の部屋までついた


「ようこそハイエルフの里へ、と言いたいところではあるが、人族よ、何故お前は、この空間で生きていられる?」


「そんなこと、ここにいる全員が分かっているはずです。何故ここでも生きられるかなんて貴方様達が一番分かっているはずです」


「…………………人の子よ何故お主には。精霊王の力を感じるのだ?」


「…感じるということはそういうことでしょう」


「馬鹿な、精霊はどこにでもいらっしゃるもの、その王が仕えるなど神でしか考えられぬ」


精霊はこの宇宙のどこでも居る。精霊王は、その精霊達を統括する精霊の頂点、そんな精霊が仕えるという事は、精霊よりも上位の存在、神でしかないということだ


「では改めて」


そして俺は神力を解放して、クエターの声で言う


【種族値スキル【神の威厳・神のオーラ】を自動発動します】


「我の名はクエター・この宇宙を創りし創造神である!」


「な、なんと!?」


そしてここにいるもの全てが、全員平伏した


「我は寛大だお前達への態度は水に流そう。そして、お前達に頼みがあるのだ」


「なんなりと」


「このエシアをここに住ませろ、人族に狙われている可能性がある」


「なんと!同族の為にとは、有り難き幸せ、エシアは同族として、迎え入れましょう!」


「あぁ、そうしてくれるとありがたい」


そこから一悶着あったが何とか片付き俺は、ハイエルフの里を見学することになった


「ここが、研究を行う為の施設です。魔道具や新魔法を開発したりしますが、今は魔力量が足りず行き詰まっております」


多分、これは儀式魔法だろう魔法陣を見て解析した結果、俺は1つこの魔法には魔力では無く神力が必要だと分かった。神力が必要ということは、神、もしくは神に近いものしか使えないだろう


「これは神でしか発動できないぞ?エネルギー源が神力になっている。この魔法陣のここを書き換えれば、魔力を使って発動できる」


魔力でも一応発動は出来るが、エネルギー源が違ったため桁外れの魔力が必要だった、でもエネルギー源を魔力にすれば1億/1の量で済む

これを魔力で発動しようとしてたとは、なんという根性だ


「おぉ!素晴らしい」


そんなこんなあって他にも、精霊力を使った、魔道具、そして精霊武器なんかもあったが人族には使えないだろうな


そして俺は2日ほど滞在した


「この里に更なる知恵を下さりありがとうございます!何時でもいらっしゃってください」


「あぁ、暇になったらまた来るよ。あと人族が憎いのはよく分かる。でも人族は全員が悪いやつじゃない。それだけ分かってくれ、何かあったら思念水晶を使って俺を呼べ力を貸す、だからあまり復讐したりはするな」


「分かりました」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



さーて、エルフの件は終わった、次はミシア達の件だ、里にいる時にも考えたが、連れ戻すか、なんでかは知らないが家出は多分良くないだろうからな


【ユニークスキル【衛星探索サテライトサーチ】を発動します】


「よーし、ミシア達はまだザンツブルグにいるみたいだし連れ戻すかな」


【アルティメットスキル【遠距離転移魔法ワープ】を発動します】




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